荒川区印鑑条例の一部を改正する条例に反対する討論(相馬区議)

議案第1号荒川区印鑑条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。この条例は、国の法律改定により、現行の在留カード・特別永住者証明書をマイナンバーカードと一体化した「特定在留カード」「特定特別永住者証明書」の運用が始まることに伴い、コンビニ等での印鑑登録証明書の交付を当該カードでも行えるようにするものです。
反対の理由は、そもそものカードの一体化についての問題です。
マイナンバーカードの取得は任意であることが大前提で、中長期在留者も希望すれば取得可能であり、現在、外国籍の方の取得率は約6割といわれています。一方で在留カード等の受領は必須であり、在留カード等とマイナンバーカードが一体化されれば、マイナンバーカードの取得が実質義務化されることとなります。さらに政府は今年1月に閣議決定した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」のなかで、今後「全ての在留外国人が原則として特定在留カード等を取得するための方策を検討する」としました。政府の方針は、取得は任意であるとする法の趣旨に反するものであり、容認できません。
現在でもマイナンバーカードを持っている外国籍の方は、コンビニ等で印鑑登録証明書の交付が可能です。マイナンバーカードを持っている方にとって、カードが2枚から1枚になること以外、一体化のメリットはありません。
メリットはむしろ、行政の側にあります。政府はカードの一体化について、マイナンバーカードの普及によって「在留管理における情報把握を図る」ことを目的のひとつとしています。「総合的対応策」のなかでは、2027年9月からマイナンバーによる情報連携で国民健康保険料や国民年金保険料の納付状況、地方税の課税状況等を、関係機関から出入国在留管理庁へ提供する、としています。さらに今後、上陸審査や在留審査、納付勧奨の際にも活用する仕組みを検討しており、外国籍の人の生活保護利用や児童手当受給の現状把握にも活用を検討するとのことです。
政府の「総合的対応策」をすべて読みましたが、在留外国人との共生よりも、いかに管理・排除するかの視点でつくられていると感じます。マイナンバーカードを普及させて、マイナンバーによる行政間での情報提供・収集を可能にする。現政府のもとで、その先で起こるのは、保険料や税を滞納してしまった、生活保護を利用せざるをえないなど、生活に苦しむ在留外国人の排除ではないでしょうか。
国が行うべきは、外国籍の人々の人権を守り、日本社会でともにくらしていくための丁寧な支援です。区においては「人権推進指針」にもとづき、国籍に関わらず同じ住民としてその生活に寄り添った対応を行うよう求めます。
以上で討論を終わります。




