「荒川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」に反対の討論

日本共産党荒川区議会議員団を代表して議案79号荒川区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。

改定の内容は医療及び後期高齢者支援金の保険料率を所得割で0.15、均等割額で4800円引上げ、一人当たりの年間保険料は平均143,363円となり前年度比でこれまでの最高11550円の値上げです。

委員会審査の中で自民党や公明党の委員さんからも高すぎる保険料への対策が必要、頭数が増えると保険料が高くなるのはおかしいなどのご意見が出されました。全くその通りだと思います。厚労省2021年度国保実態調査によると加入者規模1万以上5万人未満の職業別割合は年金等無職44.9%、自営業16.7%、被用者=社保に入れない非正規雇用が31.6%となっています。荒川区も厚労省の調査とほぼ一致すると考えられます。

荒川区国民健康保険加入者の約7割が所得100万円以下。60才以上が4割以上。低所者や高齢者が多い国民健康保険で医療費給付分・後期高齢者支援金など医療に必要な額は保険料で集める制度設計は破綻します。

提出された2023年度収入別世帯別保険料試算表を見てください。旧但し書き所得(控除は基礎控除のみ)100万円の世帯で保険料は年金受給者一人世帯で15万6千円所得の16%・給与所得者65才未満3人世帯で26万720円所得の26%も取られるのです。いのち健康を守るための医療保険で、こんなに高い保険料設定でいいのでしょうか。

荒川区被保険者は約45000人です。全国民が公的医療保険に加入し、必要な医療はすべて保険で給付する国民皆保険制度を支える根幹が国民健康保険です。健全運営には国庫負担が必要です。2018年度からの国保都道府県化によって、保険者は東京都ですから2021年度東京都国民健康保険事業会計決算の概要で見ると国庫負担は歳入の28.8だけです。

全国知事会を筆頭に地方団体が国庫負担の増額を一貫して要望していますが、国の財政保障なくして高すぎる国保料問題の解決はありません。また国は自治体の一般財源から国保会計への繰入を削減することを強要していることも値上げの要因になっています。

名古屋市には独自の所得控除と均等割減免制度があり多人数・一人親・障害者世帯の保険料を低く抑えています。荒川区ひとり親医療費助成を受けている世帯の半数は国民健康保険だそうです。国保財政を握っている保険者=東京都は保険料徴収事務は区市町村にお任せと言うだけでなく、都として一般財源を出して軽減対策に責任を果たすべきです。

自民党さんも公明党さんも大幅値上げの区民への影響を心配されていましたが、採決の時には国や都の財源支出を求めながらも決まったことなので仕方がない」と値上げに賛成でした。残念です。荒川区議会で国保値上げ例否決となれば大きなインパクトがあるはず。全都で否決が出てくれば国東京都も動かざるを得なくなるのではないでしょうか。今それくらいの決断を示さないと健康保険制度の根幹を変えることは出来ない、荒川区も区議会も区民と共に国民健康保険の国庫負担を拡大し保険料の値下げの大運動を起こすことを呼び掛けて反対討論と致します。

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