「コミュニティバス町屋さくら復活の陳情」の採択に賛成の討論

私は日本共産党荒川区議会議員団を代表し、2022年度第6号陳情「コミュニティバス町屋さくら復活の陳情」に、採択の立場で討論を行います。

この陳情は、昨年3月31日に廃止された荒川区のコミュニティバス「町屋さくら」の復活を求めるものです。「町屋さくら」は2012年に運行を開始、地域の足として地元の方々から親しまれてきました。ところが、2021年10月に運行事業者である京成バスが採算性を理由に廃止を提案、区は「自主運行を基本として運行経費は負担しない」という姿勢を押し通し、廃止を受け入れました。利用者のみなさんからは突然の廃止に戸惑いと困惑の声があがり、区議会へ継続を求める陳情が提出されましたが不採択となっています。

区はコミュニティバスの目的について「高齢者や障がい者等の交通手段の確保と区民生活の利便性の向上」としています。高齢化がすすむ中、「町屋さくら」が移動が困難な方々の足として寄与してきたことは、廃止で困っている地元のみなさんの多くの声が証明しています。廃止で区の目的が達成されなくなるとすれば、少なくともその代替案を早期に示し、廃止後すぐに新たな交通手段を開始できるようにすべきでした。また、それが出来ないのであれば、せめて新たな交通手段がはじまるまでの期間だけでも運行経費の補助を行い「町屋さくら」を継続することが求められていました。

しかし、廃止から1年が経とうとしている今も代替案の具体化はすすまず、何の手立てもとられないままです。陳情では、廃止後の地元のみなさんの実態を訴え、「赤字路線だからといって実態調査など対策を検討せず廃止するのは、導入時の趣旨に反する」と述べています。まったくその通りだと思います。

「町屋さくら」は、区が続けようと思えば、続けることができた路線です。代替案の具体化に時間がかかっている以上、この間の区民の移動の保障として、運行経費の補助を行い再開することが区として当然の対応ではないでしょうか。区は補助をできない理由を様々述べていますが、政治の判断で可能であるということは、今回、小中学校の給食無償化に区が単独で踏み切ったことからも明白であると思います。

また、区は再開できない理由に乗客数の減少を挙げていますが、区民のライフスタイルの変化だけでなく減便の影響もあるはずです。利用客を増やすためにも補助を行って増便する、通勤・通学定期や妊婦さんへの助成など利用者をふやす施策は工夫次第でいくらでも可能ではないでしょうか。

区長は2010年第2回定例会でこう答弁されていました。「区内全域を「さくら」でリンクできる、そういう日は必ず、遠からず来るんじゃないか、またそうしなければいけないんじゃないか。低炭素社会をつくっていく私たちとしては、高齢者の多い中で、自転車事故を防ぎながら、みんなでカーシェアリングをやる。その一つは公共の交通手段を低炭素化しながら、大勢の方に低廉な価格で御利用いただける。そして、将来的には北区と文京区がリンケージしているように、我々もそこに加わって、いろんなところに行けるように、料金格差を是正したりしていくことが、これは工程表をもうそろそろ出さなきゃいけないんじゃないか」そう仰いました。日本共産党区議団はこの提案に大賛成です。しかし残念ながら、その工程表は今も出されていません。区長が言われた低炭素化社会の実現のためにも「町屋さくら」の復活が必要と訴え、討論と致します。

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