斎藤くに子区議の代表質問(質問項目・全文)です。

質問項目

1、岸田内閣の大軍拡・大増税・社会保障削減は荒川区の財政にも多大な影響が出ると思うが認識を問う。

2、新型コロナ感染症の類型変更が行われても、公費負担などの感染症対策は継続することを国東京都に求めるとともに、区としての独自対策も継続し実態に合わせて強化すること。

3、第9期高齢者プラン計画にあたって
①介護保険料の値上げは出来ないと表明すること
②高齢者福祉としてベッド貸与を区として行うこと。
③急な病気や怪我など一時ヘルパー派遣制度をつくること。
④家事援助等の介護保険の独自上乗せ支援を行なうこと。

4、公衆浴場維持のために
①公衆浴場存続・活性化計画を早急に策定すること。
②ふろ割200を台東区・北区など近隣区でも使えるようにすること。
③「誰でもふろ割200」など若い方も含めた利用促進策を検討すること。

5、特別支援教育の充実について
①必要な支援・教育環境改善など要望アンケートを実施し、実態をよく掴んで児童生徒保護者に寄り添った対応を具体化すること。
②情緒支援学級を早期に設置すること。
③教員や支援員の研修保障や支援員の報酬引き上げを行うこと。
④小中学校のエレベーター設置などバリアフリー化推進を具体化すること。

 

質問全文

日本共産党区議議員団を代表して質問を致します。
まず最初に、岸田自公政権の過去に例のない大軍拡路線を突き進む大変危険な動きについて、私たちは足元から警鐘乱打していかなければならないと思います。
2023年度政府予算案で、軍事費関係は2024年度以降の先取りを含め何と十兆円を超え、歳出総額の9%を占めます。トマホーク巡航ミサイルの購入費だけで2113億円、もともと少ない中小企業対策費1704億円より多いのです。文教関係予算の増はわずか102億円です。そこのけそこのけ防衛費が通る。「軍事栄えて民滅ぶ」予算です。
その財源には国立病院などの積立金や、コロナ対策資金、復興特別所得税の流用、さらに軍事費の財源のために借金はしないとした自らの公式見解を投げ捨て赤字国債で財源をつくろうとしています。
国民の暮らしを犠牲にし「戦争する国づくり」に財政を総動員するのは、日本がアジアへの侵略戦争に突き進んだ時と同じです。
タモリさんの言葉を借りれば新しい戦前になりかねません。
防衛費GDP比1%から2%は年間約5兆円の大幅増となります。5兆円もあれば学校給食無償化4400億円・高齢医療窓口負担1割に戻す300億円・大学大学院学費半額1兆6500億円・ケア労働者の処遇改善月8万円の賃上げ2兆円をやってもお釣りがでるのです。
学校給食費無償化について国などが財源を保障すべきと言ってきましたが、住民の福祉の増進を図ることを基本とする地方自治体財政に、異次元の防衛費増額は多大な影響が出ると考えますが答弁を求めます。

次に新型コロナウイルス対策についてです。
岸田政権は季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを正式決定しました。
しかし、5類感染症に変更しても、新型コロナウイルスの性質が変わるわけではありません。1月、東京都のコロナ患者の死亡者数は866人、区内高齢者施設で7施設56人の感染が確認されています。区内でも何時間も待って三多摩の病院にやっと救急搬送された方もいらっしゃいます。
厚労省の審議部会でも谷口国立病院機構三重病院院長など「5類では国民の自助努力が基本。1年に3回も流行を起こし、そのたびに医療体制が逼迫する疾患を5類に当てはめていいのか」と複数の委員から懸念の声が上がりました。
また尾身会長も5類にしたから多くの医療機関が診療に加わるわけではないと語っています。患者が増加した時に行政による入院調整が行われず入院が困難になる、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けない、受けられない人が出てきます。
何よりも命と健康を守らなければなりません。
医療費やワクチン接種の公費負担、病床確保支援、入院調整の実施、福祉施設が学校等の必要な集中検査、無料PCR検査、臨時の医療施設、発熱相談窓口など継続・強化するよう国・東京都に求めること。
「5類」では原則、基幹病院からの定点報告に変更され実態把握が難しくなるなど、様々な問題や区民の不安も広がります。区としてもこれまでの対策を継続し、状況を見極めて新たな対策をうつことを求めます。お答えください。

荒川区2023年度予算編成についてです。一般会計1133億円前年比5・8%増。過去最大の当初予算案となりました。新規事業として4月から学校給食無償化を決断しました。これこそ区長が所信表明で述べられた「区民の意見要望に耳を傾けた必要な支援策」と言えるのではないでしょうか。
日本共産党荒川区議団はこの十年間本会議質問十回・条例提案三回、粘り強く提案をしてきました。「一定の保護者負担は当然」から「独自の施策ではなく国都として広域的に実施が望ましい」無償化の必要性を認める答弁に変わってきました。荒川区としてプラス5億円の一般財源投入で実施に踏み切ったことは、政治的決断で荒川区でも出来ることを証明しました。
コロナ、物価高騰のもとで、子育て教育、高齢者、若者、中小企業や震災対策など、今区政に求められていることは何かもっと区民要望に耳を傾けていただきたい。暮らし第一の重点的効果的な予算編成になっているか予算特別委員会での議論を進めてまいります。

次に第9期介護保険計画策定についてです。
十一月会議の代表質問でも取り上げました。区は国の責任において総合的な対策を行うための議論がすすんでいるので、その動向を注視していくとの答弁でした。
介護保険見直しのたびに負担増と給付削減が続いてきました。昨年12月、厚労省の審議会介護保険部会が介護保険の次期見直しに向けた報告書をとりまとめました。史上最悪の見直し提案の一部分は棚上げとなりましたが、法律改正が不要な負担増は諦めていません。
利用料2割負担の拡大・多床室の有料化、保険料の引き上げなど政令改正や介護報酬改定で出来ることは来年4月にすすめようとしています。
「要介護1・2の訪問・通所介護の総合事業への移行」も三年後の見直しで「結論を出すことが適当」とされ予断を許しません。
これ以上の負担増と給付削減が続けば多額の保険料を支払い続けても必要なサービスが受けられない。さらなる介護離職やヤングケアラーを生み出しかねません。
導入時に国庫負担が従来の5割から大幅に引き下げられ国は給付費の25%しか負担しておらず、利用が増える・介護報酬を引き上げると保険料を上げざるをえない仕組みを変えること。ただ国の動向を見ていたのでは給付削減と利用料負担の拡大、保険料の値上げです。「ミサイルよりいざという時の介護サービス充実に金をつけろ」ではないでしょうか。
介護一揆を起こしましょう。介護保険料の値上げはしない。出来ない強い態度でのぞむべきと考えます。区長の決意をお聞かせください。
介護保険では「通院時の院内介助はダメ」「同居家族がいるとヘルパー利用が制限される」「庭の草取り、窓拭きはヘルパーが出来ない」「同居の高齢者の食事の準備や洗濯はできない」などの制限があります。
ましてや図書館やコンサート映画、墓参りなど外出介助などは自費か家族友人に頼るしかありません。
介護される人も家族も人間の尊厳が守られ、それまでの生活の維持のための支援を、今の介護保険では手が届かない部分について、自治体で独自サービス提供の拡充を求めます。
①膝や腰が悪くなる。また骨折などをきっかけにベッドが必要になることもありますが、要介護認定がなければベッド貸与が受けられません。住宅改修と同様に認定外の場合は高齢者福祉で対応すること。
②急な病気やケガなどで一時的に家事援助が必要な方にホームヘルパーを介護保険並の料金で派遣するサービスを検討すること。
③社協のやっているにこにこサービスは有償ボランテァで一時間750円から950円です。介護保険内では足りない部分をお願いする方もいて、利用する側の金銭的負担が大変な方もいます。生活保護の方でこのサービスを1か月15000円支払って何とか在宅生活を維持しています。そもそもは介護保険の利用限度額の撤廃で必要なサービスが受けられるようにしなければなりませんが、区としての上乗せサービスを検討すること。以上高齢者福祉サービスの提案についてお答えください。

次に銭湯の存続のため区として対策についてです。
荒川区内の銭湯は2000年月現在62ありました。あれから23年、営業しているのは18になってしまいました。荒川区の真ん中に位置する野崎湯さんも今年3月に67年の歴史を閉じることになりました。地域の方からは今度は都電にのって銭湯に行くのかねと残念がる声が沢山あります。先日も「野崎湯さんがやめると伺いました。町屋駅近くに銭湯やスパ施設の誘致をお願いします」とメールをいただきました。
区の公衆浴場設備改善補助事業や東京都の補助もありますが、経営者の高齢化もありボイラーの交換時期で廃業となることが多いようです。また長引くコロナ禍や物価・燃料高騰の影響で経営は一層厳しさを増しています。一方荒川区でも若い経営者が、様々な工夫をして魅力ある銭湯をつくり、銭湯文化やコミュニケーションを楽しむ場として利用者を増やしている例もあります。
公衆浴場は公衆衛生とともに健康増進や住民相互の交流など福祉の向上に重要な役割を果たしています。介護予防や引きこもり対策として新年度予算で見守り入浴を拡大する福祉部としても銭湯減少を食い止める対策が必要になります。災害時における避難場所や井戸があることからの水の確保場所など災害時の公的役割もあります。
公衆浴場は広い敷地が必要です。新たに土地を確保して新規参入は大変難しいのです。廃業で土地の売却、マンション建設などの意向を区として事前に把握して、区立銭湯を作る。後継者育成も区が責任を持つなど、思い切った対策をすぐに打ち出さないと荒川区から銭湯がなくなってしまいます。公衆浴場存続のための基本計画を早急に策定すること。
南千住西部地域・汐入には銭湯がありません。西日暮里は一つです。ふろ割200を台東区・北区など近隣区でも使えるようにすること。
風呂なし物件若者にブームと言われていますが、年収200万にもならない非正規雇用が増え続け低家賃物件しか住めない現状があります。そうした若者支援や銭湯の良さを直に知ってもらうためにも「誰でもふろ割200の日」などをつくって若者支援も含め利用促進策を検討すること。お答えください。

最後に一人ひとりに寄り添った障害児教育の充実についてです。ミサイルを買っても未来はつくれない。未来をつくる教育や子育てにお金を、きめ細かな手厚い支援が必要な障害児教育です。
支援学級は知的クラスが汐入小学校、第六瑞光小学校、峡田小学校、尾久西小学校、大門小学校、第一中学校、第三中学校、第四中学校、尾久八幡中学校に設置され、現在小中で199名が通学しています。
支援学級はそもそも地区に一つあるかない、日暮里地域は統廃合で中学校は一校のみで生徒増で設置が無理な地区もあります。自由に選択できることもあり生徒数のアンバランスも生まれ、一人二人と増えた時の教室確保も大変ではないでしょうか。
本来なら都電やバスなどを使わずに地元の学校に歩いて通えるように支援学級を設置すべきと思います。
教室不足・35人30人学級そして支援学級のことを考えれば、真土小や道灌中跡地など再開発に提供することは教育委員会として許可できないはずと強く申し上げておきます。
支援学級について、通学や学童等の通所に係る時間的経済的負担・共働きの希望を叶えるための必要な支援・教育環境への要望などアンケートを率直な意見が出せるよう回収方法などよく考えて実施し、実態をよく掴んで児童生徒保護者に寄り添った対応を具体化すること。
特別支援学級は知的のみで、情緒クラスが荒川区にはありません。教育現場では軽度発達障害児も増えていますし、今後も増えると言われています。
普通学級在籍の場合は通級の情緒障害特別支援教室で指導が受けられますが、支援学級在籍の場合には利用することが出来ません。また、普通学級の授業に参加出来ず不登校の要因になることもあります。
知的、そして自閉症・発達障害など一人ひとりの義務教育の学びと成長を保障しなければなりません。
東京都特別支援教育推進計画では市区町村の整備として、自閉症・情緒障害学級の計画的な設置を進めることが明記されています。
都の2021年度公立学校統計調査によると、都内の公立小学校の情緒学級は119学級で2016年度の57学級から5年間で倍増しています。
北、目黒、葛飾 港、世田谷などで設置がされており、豊島区は今年4月から情緒支援学級が出来ます。東京都も「区市町村も保護者の要望に応えないといけない時期に来ている」と話しています。たんぽぽセンターを児童発達支援センター化と合わせて、教室の確保が大変ですが荒川区としても情緒支援学級を早期に検討すること。
担当教員も特別支援教育特別専攻科など障害児教育を修了した先生は少なく、障害児教育の経験も浅い教員も増えているのではないでしょうか。学習や生活面の支援を行う支援員さんは会計年度職員で、現在32名です。教員や支援員の研修保障の充実が必要です。
支援員は週30時間勤務で月額17万円余です。手取りにすると年間200万円程度です。新年度4月からの募集が10名となっています。32名中10名もお辞めになる。通常でも5名程度は退職があるようです。
通常学級の補助員が54名、支援学級の介助員は24名で時給は1210円。品川区の募集を見ますと1400円です。学生の家庭教師は時給1500円です。
一人ひとりに合わせたきめ細かな対応が必要なお仕事で継続した勤務を保障することは児童生徒の成長に欠かせません。支援員等の報酬の引き上げを検討すること。
次に身体障害のお子さんの通学のための学校整備です。
「荒川区教育施設長寿命化計画」の施設のバリアフリー化に対応する整備の項では「教育施設は、児童・生徒の学習の場であるとともに、住民が生涯学習の場として利用するほか、地震等の災害発生時には、一時避難所としての機能を果たすなど、地域の拠点としての役割を担っています。バリアフリー関連法令や条例に基づき、誰でもトイレや温水洗浄便座の設置、スロープや手すり、そしてエレベーター等の移動円滑化経路の確保」を明記し「建替えや大規模改修に合わせた整備に加え」「児童・生徒の在籍状況に応じて整備を実施しており、今後も引き続きバリアフリー化を推進していきます」となっていますが、エレベーター設置は現在小学校5中学校5で設置率は約3割です。基本は校舎新設校ですが、尾久六小は2005年に既存校舎に設置をしています。既存校への設置は既存不適格となるので難しいと言われてきましたが、エレベーターも詳細に検討すれば既存校でも設置可能な学校があるのではないでしょうか。
車椅子や歩行障害を持つお子さんが入学することが分かってから取り組むのでは間に合いません。各校のエレベーター等バリアフリー化推進の具体策を作成すること。以上お答えください。

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