横山幸次区議の一般質問(質問項目・全文)です。

質問項目

1、区内のおける住民の移動手段と地域公共交通政策について

①コミュニティバスなど地域公共交通の運行コストに「税」は使わないという方針を改めること
②バス停・鉄道駅から200m以上離れている地域など移動を保障するための課題など明らかする調査を全区的に行うこと
③町屋さくらの復活と荒川区全体の「地域公共交通政策」を策定すること

2、子どもの貧困対策について

①区の全施策が子どもの貧困問題の改善にどこまで寄与したかなど全庁的に検証し、問題点や必要な施策の検討を行うこと
②荒川区として「子どもの生活実態調査」を都立大学などとも連携して実施すること
③子どもの貧困解消に向け削減目標なども入れた「子ども貧困対策計画」を策定すること

3、産業振興について

①区として、ゼロゼロ融資を別枠融資にして、運転資金など新規借り入れができるよう国に強く求めること
②区として独自に「事業継続支援」の融資や給付を実施すること
③産業振興基本条例の理念を生かし実現するため、広く産学官民の意見を聞き系統的な協議など行って、「区内中小企業振興基本計画」(仮称)を策定すること

 

質問全文

日本共産党の横山幸次です。
質問の前に、午前中の公明党菊池議員の発言に関して一言申し上げておきます。
本来、本会議での質問は区長に対しえて行うものです。その一般質問の中で、反論する権利を有しない我が党に対する、「改ざん」「デマ」などという言葉を投げつけ攻撃することは異常であり、議会人としていかがなものかとまず申し上げておきます。
そのうえで、何点か発言しておきます。
該当する部分を議事録はまだ調整されておりませんので、音声中継の文字起こしを使います。
「葛飾区の保育士」にかかわる問題があったので葛飾の給食無償を「パフォーマンス」といったのだという点ですが、菊池議員の質疑のどこをみても「葛飾区」の「保育士」問題があったから無償化がパフォーマンスだと言ったという内容は出てきません。読み取ることもできません。
また菊池議員の決算特別委員会での該当部分を読み上げさせていただきます。
「医療費の無償化もそうですけれども、こういった大事なことを自治体間で争わせるような、そんなことは絶対してはいけないと思いますし、決して区の単独で、そのときの気分と言ったら申し訳ないですけれども、パフォーマンスに思われるような決断で実行してしまうというのは、決してやめていただきたい。」
そしてそのあと「我々の会派として、九月の一般質問では、現実の路線として、第三子以降の給食費、これは現実的に考えてもいいのではないのかな、そこがやっぱりラインなんだろうというふうに思っております」
以上の発言から「葛飾区の無償化はパフォーマンス、荒川区が同じことをやらないように」と要約した表現に何の問題もないと考えます。
最後に、自民党さんも公明党さんも、今年に入ってコロナ禍の影響、物価高騰によって暮らしが切実にとの認識のもと、緊急に申し入れをされたといわれました。
私たちは、区民の利益の立場から、そうした判断をされたことは、大歓迎であると申し上げておきます。

大きく三項目の質問を行います。

第一は、区内のおける住民の移動手段と地域公共交通政策についてうかがいます。
町屋さくらが廃止されて10カ月が経過しました。長年利用してきた方が、ある日突然足を奪われる、それがどういったことを引き起こすか、想像してほしいし実態をつかんでほしいと思います。
しかし区は、廃止前も廃止後の今日に至るも、かたくなに「利用者実態調査」を拒んできました。それまで利用してきた住民のみなさんは、「家にこもりがちになった」「出かける機会が減った」ある難病のかたは「駅まで40分かかる」など切実など声が多く寄せられています。
自治体本来の責務に照らせば、仮に廃止せざるを得ないとなった場合でも、少なくとも代替え手段が確保されるまで、町屋さくらの運行を区の責任で続けるべきでした。それすら放棄した区の姿勢は、重大です。
この問題の核心は、「運行コスト」に税を使わないという区の姿勢です。しかし区が検討している「代替え手段」は、町屋さくらのルートとバス停を使い、タクシー車両1台、10時から15時、1時間2往復、最大4人乗車の「相乗りタクシー」によるデマンド型交通のようです。その経費は、運転手の人件費、電話センターなど年間約1200万円程度と見積もっています。全国を見ても「乗り合い型」交通手段の運行は、企業の自主運行では不可能であり、全部か一部かを問わず、税の投入があって初めて運行しているのではないでしょうか。
区が、本気で代替えを考えているのなら、コミュニティバスなど地域公共交通の運行コストに税は使わないという方針を改めるべきです。
区は、代替え案について福祉的な交通手段としています。では、高齢化などによる移動困難者増加と地域公共交通についてどういった分析が行われているのでしょうか。まったく見えません。地方都市だけでなく、都市部も含め地域公共交通の将来にわたっての整備はまちづくりの最大のテーマだと言っても過言ではありません。町屋さくらを求める陳情審査の中で、所管課は、高齢化率、町屋さくら沿線だった周辺の高齢化率や周辺の高齢者、障害者施設の状況など把握していませんでした。今回福祉的といいますが、福祉部との連携もないようです。台東区など周辺区も含め23区内での検討状況を見ると、高齢化の状況、バス停、鉄道駅から半径200m以上の地域など丹念に交通不便地域を割り出してコミュニティバスなど移動手段の路線計画を策定しています。荒川区は、区内に交通不便地域はないと実際を見ない立場に固執しています。しかし住民に寄り添い、移動困難者の実態をつかむことが行政の最低限の責任ではないでしょうか。
そこで、バス停・鉄道駅から200m以上離れている地域など移動を保障するための課題など明らかする調査を全区的に行うことを求めます
将来に見据え、移動の自由保障をまちづくりの中心に据えるべきです。移動の自由保障は、様々な権利、買い物から、医療、介護、保育や教育、文化活動など生涯学習の権利にアクセスする大前提の権利です。高齢化社会の進展は、荒川区においても対策を打っていくことが必要です。 現在荒川区の高齢化率、今後5年10年先を考えても地域公共交通の整備は必ず必要になります。まちづくりに広い意味での移動のバリアフリーを据え、歩行や自転車での移動のめの環境整備、都バス、鉄道と区のコミュニティバスを軸にしたドアツードアなども視野に入れたデマンド交通の構想なども必要ではないでしょうか。
こうした視点に立って、町屋さくらの復活と荒川区全体の「地域公共交通政策」の策定を求めます

第二は、子どもの貧困対策について
2009年に荒川区が子ども貧困問題に取り組み始めて14年、具体的取り組み(2011年)をはじめて12年目に入ります。ところが、いつの間にか、「対策本部」も全庁体制も解消、所管任せになったようです。しかしそれでよいのかでしょうか。
子どもの貧困問題は、経済的困窮を要因とし、雇用や所得、住宅環境、疾病、障害などが関連し、虐待や孤立など深刻な事態を招く要因にもなっています。だからこそ総合的な対応が求められているのです。
子どもの貧困が社会問題として言われはじめ、相当の時間が経ちますが、状況は一向に改善されてないのが現状です。それは、「子育ては第一義的に家族」、児童手当に所得制限などといった少子化問題への歴代政権の対応とも関連しています。
子どもの貧困率は、現在でも13・5%、7人に1人の子どもが「貧困ライン」以下で暮らし、ひとり親世帯貧困率48.1%と半数に及んでいます。内閣府の2021年「子どもの貧困調査」では、世帯収入の水準や親の婚姻状況によって、子どもの学習・生活・心理など様々な面が影響を受けていること、収入のより低い世帯やひとり親世帯が親子ともに多くの困難に直面していること、その世帯が新型コロナウイルス感染症の影響でより大きな経済的打撃を受け、生活状況がさらに厳しくなっている可能性があることが明らかになっています。
こうした状況の下、区内の子どもたちがどうなっているのか、区の施策でどこまで貧困の改善が進んだのかなど全分野で検証しつつ施策の展開することが必要です。
そのため、区の全施策が子どもの貧困問題の改善にどこまで寄与したかなど全庁的に検証し問題点や必要な施策の検討を行うことを求めます

また、この問題への取り組みは、以前から求めてきたしたが、貧困問題を可視化しなければ有効な対策は出てきません。2009年に行った「子どもの貧困・社会排除問題」から大きく時間が経過しました。現状を明らかにし、子どもの貧困会問題の解決に荒川区がしっかり発信をするときに来ています。もちろんこれまでも子ども子育て支援計画におけるニーズ調査で子どもの生活実態調査を行ってきました。しかし、対象が就学前と小学生で極めて限定的です。都立大学の子ども・若者貧困研究センターなどとの連携した、より踏み込んだ取り組みが必要ではないでしょうか。
荒川区として「子どもの生活実態調査」を都立大学などとも連携して進めことを求めます。
 また、以上の結果に基づき、子どもの貧困解消に向け削減目標なども入れた「子ども貧困対策計画」を策定することを求めます

第三に、産業振興についてです。
コロナ禍、原材料・物価エネルギーなど高騰などによって、区内事業者は大きな打撃を受けています。原材料高騰分を価格に上乗せできない、ゼロゼロ融資による過剰債務などによって、事業継続が困難に陥る事例の増大も懸念されます。ところが、岸田政権は、中小企業向けの「ゼロゼロ融資」基金の残高2350億円を返納し、防衛力強化基金に流用するとしています。基金の残高があるのなら、日本経済の主役である中小企業向けの支援にこそ充てるべきではありませんか。
今後の産業振興、地域経済活性化を考えでも、これまでの産業集積を守っていくことは極めて重要です。区の調査では、区に対して製造業、商業とも融資と設備投資への支援を求める要望が大きな割合を占めています。引き続き、事業継続支援が区としても大きな課題であることは間違いありません。
そのため、区として、ゼロゼロ融資を別枠融資にして、運転資金など新規借り入れができるよう国に強く求めていただきたい
また、区としての独自で「事業継続支援」の融資や給付も検討すべきです
2005年に制定され18年を経過した産業振興基本条例は、「地域経済が区民生活の礎」として区の施策のすべてにこの立場を貫くことを求めています。そしていうまでもなく、地域経済の主役は区内中小事業者です。しかしこの地域経済の主役である、区内中小事業者は、今どうなっているでしょうか。
荒川区の産業実態は、2016年経済センサスと区がこの間行ってきた製造業、商業などの実態調査である程度見えてきます。
製造業は、2016年経済センサスで1711でした。しかし区が実施した2021年の調査では、1102となっています。小売り卸含めた商業は、2016年で2241だったものが2022年に区が実施した調査では、1021と半減しています。飲食関連も半減しています。この中で、雇用も失われています。
区民生活の礎、地域経済の主役である中小事業者が深刻な危機を迎えているのです。
産業振興基本条例の出発点に立ち返った取り組みをいま始める、基本条例を本気で生かす対策が必要です。
産業集積まもることと創業・起業の促進を一体にしたとりくみ、融資制度、設備投資をはじめとした補助制度、専門家により支援体制など環境整備を抜本的に強化すべきです。
産業振興基本条例を生かすため産学官民の意見を聞き系統的な協議など行って、「区内中小企業振興基本計画」(仮称)を策定するときです。
 以上で第一回目の質問を終わります。
産業振興基本条例を生かすため産学官民の意見を聞き系統的な協議を行って「区内中小企業振興基本計画を策定することを強く求めます。

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