2022年2月会議 小島和男区議の一般質問(質問項目・全文)です。

質問項目

1 地球温暖化対策について

(1)荒川区の地球温暖化対策として、2030年までの温室効果ガス削減目標を決めて、目標達成に相応しい対策を具体化すること。

(2)公共施設のCO2削減効率の高い電力の一括購入を促進し、2030年を待たずに100%切り替えること。

(3)2030年までに区の公用車をゼロエミッション車に切り替えること。

2 震災対策について

(1)切迫する直下型地震に対応し、ひとりの犠牲者も出さないためにも簡易耐震への助成を行うこと

(2)災害復旧に大きな役割を果たす区内建設業、技能労働者などの育成支援を行うこと。また資格の取得などに区として助成を行うこと。

3 住宅対策について

(1)荒川区として総合的な住宅計画を策定すること。

(2)改正住宅セーフティーネット法に基づいた要配慮者への支援について国に制度改善を求めるとともに、区として当面、高齢者・ひとり親など生活困窮者への家賃助成を実施すること。

4 公園・児童遊園のトイレの建替えは年次計画を立てて推進するとともに必要に応じて建て替えを待たずに洋式化を進めること。

5 福祉施策の充実について

(1)高齢者への補聴器助成を早期に実施すること。

(2)重度障害者のグループホーム増設は区が責任をもって対応すること。

6 同性パートナーシップ制度の実施に伴い、区民の理解促進の取り組みを促進すること。

 

質問全文

日本共産党の小島和男です。6項目の質問を行います。

第一は、地球温暖化対策についてであります。

昨年7月の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第6次評価報告書では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」「地球温暖化は人間が原因」とIPCCが初めて断定しました。

また国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議、COP26が昨年11月にイギリスで開催され、今世紀末までに気温上昇を1.5度以内にする努力すること。その実現のために2010年比で2030年までに46%の削減し、2050年までに温室効果ガスゼロを確認しました。2030年までの10年間の削減が決定的に重要です。

先進諸国では2030年まで50%から60%の削減を掲げるなかで、日本は、2010年比で42%の削減に止まっており、この目標は温暖化防止に消極的だと国内外で批判の声が上がっています。

荒川区は2050年まで温室効果ガスゼロ宣言をしましたが、2030年までの削減目標は決めていません。不十分なまま推移すれば豪雨・干ばつ・台風の巨大化・山火事の多発などで後戻りできない状況に追い込まれます。国の消極的な姿勢を荒川区から変える意気込みで、2030年まで50~60%の削減目標を持つことが重要です。

2030年までの温室効果ガス削減目標を決めて、目標達成に相応しい対策を具体化すること。答弁を求めます。

温室効果ガス削減するために荒川区が公共施設などで率先して取り組みを強化することが求められます。現在、荒川区では公共施設の電力の再生エネルギー活用は、76.6%と23区のなかでの先進的な取組みは評価します。しかし、指定管理者の施設は49%に止まっており、私立保育園、民間高齢者施設など公共的な施設を含めると再生エネルギーの活用率はさらに低下します。それだけに、現在の到達に甘んじることなく引き続き取り組みを強化することが必要です。

公共施設のCO2削減効率の高い電力の一括購入を促進し、2030年を待たずに100%切り替えること。答弁を求めます。

荒川区の庁舎の公用車は59台ですが、電気自動車はわずか4台です。その他はハイブリット車、低燃費低排出ガス対応車ですが、やはり不十分です。温室効果ガスを出さない電気自動車などへの切り替えが必要です。

2030年までに区の公用車をゼロエミッション車に切り替えること。答弁を求めます。

第2に震災対策の強化についてであります。

首都直下型地震が今後30年以内に70%の確率で震度7クラスの地震があると言われていますが、千葉の房総半島沖に20キロから50キロに新たな震源域が発見され、千年前と三百年まえに巨大地震が発生していたことが分かりました。房総沖地震は数百年に一度のペースで起きており警戒が必要だと2月2日付けの週刊朝日は報道しました。東京の巨大地震が起きる可能性が切迫しているだけに震災への備えが必要です。

老朽住宅が多残る荒川区で居住者の資力がなく耐震補強の工事が実施できずに困っている方が多くいます。荒川区は、評点1以下の一部の耐震改修はかえって老朽家屋を放置するとして簡易耐震は行わないとの見解です。老朽住宅であっても防災ベットについて区は助成を実施しており、評点1以下であっても命を守る対策は始まっています。震災時に玄関への通路を耐震化することや寝室一部屋の耐震化などを行うことが求められています。

切迫する直下型地震に対応し、ひとりの犠牲者も出さないためにも簡易耐震への助成を行うこと。答弁を求めます。

震災を始め巨大台風など住宅の被災が多いことが問題になっています。2019年9月台風15号の影響で千葉県では多くの屋根が破損しましたが、改修が必要でも地元建築業者が足りずに改修は大幅に遅れました。東日本大震災の被災住宅などの復旧は長期間に渡っています。

大手ハウスメーカーは住宅を建てても被災住宅の改修対応は極めて不十分であり、地元の建築業者の果たす役割が大きいのです。しかし区内の建築業は、この間減少しており、高齢化などで若い職員の確保十分できないなど深刻な状況です。

災害復旧に大きな役割を果たす区内建設業、技能労働者などに育成支援を行うこと。また資格の取得などに区として助成を行うこと。答弁を求めます。

第3に住宅対策についてであります。

コロナで収入が減収ななった方を対象にした荒川区社会福祉協議会の生活資金貸し付けは、コロナ感染が問題になった一昨年3月から昨年12月までに、延べ1万3千人の方に総額54億7千万円の貸し付けが行われています。また生活困窮者に対する住宅確保給付金の支給は、コロナ禍の2年間で、1400件、1億8千万円超えています。生活困窮者が増大し、家賃を払えない人や困窮する方も増えています。

昨年6月、NHKの番組で、コロナ禍のもとで、200余りの不動産会社の調査結果として、新型コロナウイルスの影響で、入居者から家賃の滞納や解約の相談が35%もあり、実際に賃貸住宅から出ざるを得ない状況も多く、工場や警備会社などの会社の寮に住んでいるが追い出されるケースも増えていると報道されました。

住まいは人権の立場で、荒川区として、区営・区立住宅の推進と充実、民間住宅の借り上げ、高齢者・障害者のグループホーム、家賃助成制度の創設などについて具体的な対策を講じることが求められていますが、生活困窮者の入居できる住宅確保の具体的な支援は立ち遅れています。

荒川区として、総合的な住宅計画を策定すること。答弁を求めます。

低額所得者、被災者、高齢者、障害者など「住宅確保要配慮者」に入居希望を断らない賃貸住宅を供給するとして、空き家の一部を活用した住宅登録制度を盛り込んだ新たなセーフティネット制度が2017年から始まっています。

しかし制度開始時に最も期待された、家賃の低廉化の対象となるのは、東京では家賃5万円以下の住宅登録の家賃は0.7%しかありません。10万円以上の家賃は24%あり、なかには38万円もあります。孤独死の事後処理などトラブルへの対応と社会的な対応の連携も進んでいないのです。

セーフティネット制度は、機能不全状態です。家賃低廉化の対象となる「専用住宅」を拡大・家賃低廉化分の給付を入居者に行うこと。必要な場合には借り上げ住宅にすることが求められています。

改正住宅セーフティーネット法に基づいた要配慮者への支援について国に制度改善を求めるとともに、区内の高齢者・ひとり親など生活困窮する方々に、家賃助成を実施すること。答弁を求めます。

第4に区内の公園・児童遊園のトイレ整備についてであります。

公園・児童遊園は区内に107で、うちトイレがある公園は71か所、和式のみは47か所に及んでいます。しかも多くのトイレが老朽化しており、利用者からは臭い汚いと言われています。気持ちよく使えるトイレに、和式だけでなく洋式トイレも設置してほしいと日々、要望が寄せられています。荒川区公衆公園整備方針が出されていますが、公衆トイレの建て替えは年次計画に入っていません。

先日、公園トイレが和式で使えず、保育園の園児が近所の施設にトイレを借りに行くとお聞きしました。多くの子どもたちは家庭でも洋式トイレの生活が普通になっています。また足腰の悪い高齢者などは、和式トイレは使いづらい方が多いのです。すでに区内の小中学校では和式から洋式トイレに変更を終了しています。公園・児童遊園でも洋式トイレは幼児も利用できるようになりましたが、和式のみのトイレ47か所が改善されず残されています。

建替えで洋式化するだけでは、洋式化の目途がつきません。当面、建替えを待たずに和式トイレ47か所は改修工事を実施して対応すること。とくに保育園が第二園庭で利用する保育園のうち4か所が和式トイレです。改修を優先して実施すべきです。

公園・児童遊園のトイレの建替えは年次計画を立てて推進するとともに必要に応じて建て替えを待たずに洋式化を進めること。答弁を求めます。

第5に福祉対策の充実についてであります。

日本共産党は、本会議等で高齢者への補聴器助成の実現を繰り返し求めてきました。

難聴を「医療」のカテゴリーで捉えて補助制度がある欧米と比べて、日本は「障害者」ととらえて考えています。

国立長寿医療センターでは1997年から16年に渡る追跡調査の研究成果として、高齢者が補聴器をうまく使うことで認知機能の低下を抑制できたと報告されており、国内での中等度の難聴者に保険適用も含め補助の拡大が必要と言われています。

すでに23区では過半数をこえる区で高齢者の補聴器助成を実施しています。荒川区としても早期に補聴器助成を実施するよう求めます。答弁を求めます。

昨年の決算委員会で、重度障害者グループホームに関する私の質疑で、スクラム荒川を3年間過ごした後に重度障害者の方が区内のグループホームに入所できた方は一人もいないと区は答弁しました。

障害者の親なき後の施設入所については、1983年、今から39年前、国際障害者年の荒川区行動計画で初めて親なき後の施設を作ることを明記しました。

現在、区内に重度障害者グループホームは3か所、24名が入所していますが、2016年以降、8年間は増えていません。多くの重度障害者が県外のグループホームを選択するか、自宅や親戚が預かるしか方法がありません。

最近でも3人の方から区内施設に入所したいとの相談があり、障害者福祉課のケースワーカーも地域で入居希望者が一定数いることを把握しています。障害者と家族の高齢者が進み、これ以上待てないという切実な声があがっています。取り組みの遅れを区が自覚しての対策強化が必要です。

重度障害者のグループホーム増設は区が責任をもって対応すること。答弁を求めます。

最後に、新年度から実施される同性パートナーシップの理解促進の取り組みについてであります。

昨年4月26日の本会議で、同性パートナーシップ制度の実現を求める陳情が採択され、今年4月から同性パートナーシップ制度が荒川区で実施されます。LGBTの皆さんが安心して生活できる環境を整えるスタートラインに立つことができたのです。

性的マイノリティーの人たちが肩身の狭い思いで生活せざるをえなかったり、あるいは差別や偏見のためにありのままの自分を肯定できなかったりすれば、それは健全な社会とはいえません。逆に、マイノリティーといわれる人たちが暮らしやすいほど、その社会のすべての構成員にとっても暮らしやすい社会であるといえます。

パートナーシップ制度は、同性カップルが幸せに、安心して暮らすために自治体がパートナーの関係があることを証明する制度なのです。

足立区では、職員向けに、LGBTガイドラインを策定して職員に正しい理解を深めています。これはインターネットでも公開されていて誰でも見ることができます。また区が積極的にPRして性的マイノリティーの皆さんの悩みの相談窓口を作り、多くの方が相談に来るようになっています。

荒川区でも、この間、LGBTパネル展を当事者も参加して実施していますが、こうした取り組みを積み重ねることが区民の理解を深めることになります。

同性パートナーシップ制度の実施に伴い、区民の理解促進の取り組みを促進すること。答弁を求めます。

以上で第一回目の質問を終わります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)