2019年荒川区議会11月会議で小島和男区議が行った質問をご紹介します

【質問項目】

1、来年度の荒川区の予算編成の基本姿勢について

①政府が計画する福祉切り捨てを止めるよう荒川区として働きかけること。

②来年度予算は、区民のくらし応援と災害対策を最優先にすること

2、水害対策について

①テレビのdボタン災害情報の周知徹底、ホームページのサーバー機能の強化、防災ラジオ早期配布など区民への災害情報の改善をはかること

②水害ハザードマップのさらなる改善、家庭用防災マニュアルの改訂などを行い、住民説明会などを開催すること

③支援が必要な人の避難の具体化と避難所運営の改善をはかること

3、西日暮里駅前地区再開発について

①総事業費1,000億円、250億円の税金投入する現計画は中止し、計画を見直すこと。

②190億円もの税金投入は区民ホール建設ではなく、切実な区民施設建設と事業に振り向けること

4、都市計画道路補助92号線の西日暮里4丁目地域の道路拡幅計画は、第5次計画策定の際に計画を見直して廃止路線にするよう都に働きかけること

《質問全文》

私は、日本共産党区議会議員団を代表して4項目の質問を行います。
第一の質問は、荒川区の来年度予算編成にあたっての基本姿勢についてであります。
消費税が導入されて31年、この間消費税増税を繰り返し、社会保障も連続改悪を実施、景気は悪くなるばかりです。しかも安倍内閣は10月から消費税10%に増税され、区民のくらしと営業を脅かしています。
政府が経済対策と銘打った非課税高齢者へのプレミア付き商品券の申請は23パーセントですが、購入のためには現金が必要で実際の購入はこれより少なくなるのではないでしょうか。
区内の商店を回ってみました。飲食店では10%になって帰りがけのサラーリマンが来なくなり、平日のお客が減った。カード手数料が高く、その分値上げが必要になるのでカード導入はしていない。導入したがカード利用は1割程度でお客は増えていない。居酒屋は、景気が悪くお客も減ったので、店を止めようと思っている。とにかく景気が悪い、小さい商店はやっていけない、多くの店はつぶれることになるなどの意見が寄せられました。
また国民に消費税増税を押し付けておきながら安倍首相主催の桜を見る会で、税金で地元の後援会員を飲ませ食わせしていることは許せないなどの声が出されています。
さらに安倍内閣は、全世代型社会保障制度の実現を掲げ、医療では、後期高齢者医療制度の窓口2割負担、風邪薬やシップ薬などの保険はずし。介護保険では介護利用料2割負担と要介護1・2生活援助サービスの保険外しなど実施しようとしています。
わずかな年金生活の高齢者など現在でも医療や介護の負担が大きくて大変なのに、高齢者へのさらなる福祉切り捨ては区民のくらしを直撃します。
荒川区として政府が計画する福祉切り捨てを止めるよう政府に働きかけること。答弁を求めます。
こうした時だからこそ、区民の命とくらしを守る荒川区としての役割は大きなものがあります。日本共産党区議団は、11月15日に区民のくらしと営業を守るために458項目の予算要望書を提出しました。区民のくらしに寄り添い、区民の苦難解消災害で犠牲者を出さないことなど来年度予算は、区民のくらし応援と災害対策を最優先にすること。答弁を求めす。
次に水害対策についてあります。
台風19号は広範囲の暴風域で、各地に記録的な豪雨をもたらし、71河川、140カ所で堤防が決壊、住宅の浸水被害は8万7千棟となりました。都内でも浸水被害は大田区590、世田谷区312、停電が世田谷区で4700に及ぶなど大きな被害となりました。
第二次安倍内閣になって公共土木工事拡大の「国土強靭化」を進める一方で、地方自治体が求める防災減災対策、河川改修工事も怠ってきた結果です。
ジャーナリストの木村太郎氏は、台風15号についてアメリカ海軍は9月5日の木曜日に台風の規模を正確にとらえていたが、気象庁は9月8日の日曜日にやっと発表。休日で台風の備えができなかった。5日木曜日に発表していれば、大きな被害にならなかったと批判しています。その気象庁は職員を大幅に削減。国土交通省の防災最前線である地方整備局は12年間で4千人以上削減し、いざという時の出張所の体制が取れない状況になっているのです。二日前に岩渕水門を視察しましたが、担当職員の皆さん、もっと河川改修などに予算を増やしてほしい。議会から意見を上げてほしいとの要望も出されています。
地球温暖化で自然災害が多発、巨大化している中で、改めて国も都も荒川区も災害対策を1丁目1番地の最優先の課題にすることが求められています。
台風19号の影響で、区内で56カ所の避難所を開設し、1461名の方が避難されました。区内全域で沢山の方の避難を受け入れたのは荒川区で初めてです。対応した区の管理職の皆さん、職員の皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。
今回の台風19号の対応ついて区で改善すべきことが多く出てきました。
第一は情報提供についてです。荒川が氾濫危険水域に達したと報道され、テレビでは第一に身を守る行動をして下さいと盛んに報道され、携帯には足立区の避難などの災害メールも届くなか区民の不安が増大しました。ホームページにアクセスが集中してつながらず、荒川区は一体どうなるのかなど区役所に1200本もの電話が殺到しました。
今後、正確な情報提供することが何よりも大事であり、災害情報の改善が必要です。
テレビのdボタンで地域災害情報が見られること。ホームページへのアクセス集中を検討しサーバーの機能の強化すること。また防災ラジオを一日も早く区民に配布できるようにすべきです。答弁を求めます。
第二は、ハザードマップなどの改善です。江戸川区のハザードマップは、冊子で配布され、万一の時にどうなるか住民に分かり易い。しかも冊子には、視覚障がい者向けデイジー版や外国語版もあります。
他の自治体のマップを研究し改定も必要です。荒川区のホームページを開くと国土交通省の作成した「荒川の氾濫」予想した映像が見られますが、地下鉄町屋駅に大量の濁流が流れ込む映像に驚いてしまします。慌てることは良くありません。水害時に、家は大丈夫か、危険なのか、落ち着いて対処できるようにするために、水害ハザードマップの改善を行い、家庭用防災マニュアルの改訂を行い、全戸配布して住民説明会を行うようすべきです。答弁を求めます。
第三に水害時の避難についてです。
水害などに備えて、避難のさいに、確認すべき防災情報などを把握して記載する「災害・避難者カード」を内閣府が作成、活用した愛媛県大洲市三善地区では、昨年の西日本豪雨で肱川が氾濫、浸水したが、避難行動が敏速にでき、犠牲者は出ませんでした。区としても災害・避難者カード作成は役に立つはずです。
しかし、区内の避難所がどこか分からない、避難者が多くて帰るように言われた。また一人暮らしの視覚障がい者の方が問合せたら、自宅に居て下さいと言われ、心配な夜を過ごした。在宅療養のお子さんと二人で避難できるかなど様々な声が出されています。また全国では避難所に寝たきりの年老いた母を連れていくことを躊躇し、一階で亡くなったケースもありました。台風など水害に対する避難誘導の改善が求められています。
地震などと違って水害は早めの避難が可能です。高齢者、障害者、乳幼児の家庭などの避難するために車を出すなど具体的対策が必要ではないでしょうか。台風のピーク時での屋外にいることは危険を伴います。浸水土砂災害の想定に基づく情報指示出し方と対処の必要もあります。また避難所運営は、内閣府の通達「避難所の生活環境の整備等について」のなかで福祉避難所について、概ね10人に一人の相談等にあたる介護員を配置することなど明記。また「男女共同参画の視点からの取り組み指針」の視点から避難所チェックシートなどを参考に国際基準のスフィア基準に近づけるようすることが大切です。
支援が必要な人の避難の具体化と避難所運営の改善をはかること。答弁を求めます。
次に西日暮里駅前地区再開発についてです。
日本共産党は、繰り返し西日暮里駅前再開発の見直しを求めてきましたが、来年度の予算編成を控えて改めて質問します。
立退きなどが生じる街づくりは、区民の暮らしの土台であり、区民の今後の生活設計に大きく関わるだけに慎重な対応が必要です。そのために関係者の合意が大前提です。
区は、地権者の8割が賛成しているとして都市計画決定を進めると言いますが、地権者とは区域内で土地・借地所有している方は78名だけです。63所帯が居住する分譲マンションが1棟ありますが、地権者としてのカウントは1つだけです。私は有権者名簿で再開発地区内に何世帯あるのか調べましたが、216世帯の方が暮らしています。地権者78名の3倍近くです。
本来、街づくりはそこに住む人のすべての意見を把握することが大事ですが、再開発の意見聴取はありません。現計画の見直しを求める陳情は7件も出ているなかで計画を推進すべきではありません。
再開発計画では、47階建てのうちマンションを1千戸、商業床3万㎡としていますが、2025年には団塊の世代がピークを越え人口減少が進み住宅需要は減少します。タワーマンションも将来の修繕など課題が指摘されています。また商業施設もインターネット通販などで老舗デパートが閉店に追い込まれるケースが増えており、商業床の需要は見込めないのではないでしょうか。しかも日暮里駅前・三河島駅前の再開発は地域の活性化になりませんでした。西日暮里の再開発を推進する大手ゼネコンが儲けても、地域の活性化にならなかったでは取り返しがつきません。総事業費1,000億円、250億円の税金投入する現計画は中止し、計画を見直すこと。答弁を求めます。
次に、再開発ビルの区民大ホール設置ついてであります。1500席の新しいホールが必要なのか、多方面からよく検討すべきです。
荒川区の近くには王子駅側の北とぴあ、上野駅前の東京文化会館などなど文化施設が多くあります。西日暮里開発へのホール建設は誰のためでしょうか。駅前の設置で区外から有名なオーケストラ、劇団、歌手を呼びことで地域が活性化するのでしょうか。
財政は大変と基金をもっと積み立てるべきとする一方で、区単独で190億円もの投入をするのです。ゆいの森の整備費が土地代含めて81億円、尾久八幡中学校建設47億円などと比較しても190億円はあまりにも巨額です。
今、駅前に大型施設を新たに作ることではありません。学校の教室が足りない、特養ホームがほしい、重度障害者施設が出来ないのは何故かなど切実な区民要望に応えるべきではないでしょうか。また文化のためというのなら、今ある施設をもっと使いやすく、区民の地域文化を高めることに力を尽くすべきです。
190億円もの税金投入は区民ホール建設ではなく、切実な区民施設建設と事業に振り向けること。答弁を求めます。
最後に西日暮里4丁目地域の都市計画道路補助92号線についてであります。
昨年8月、国土交通省は、改めて都市計画道路計画見直しの手引きを示し、地方公共体において都市計画道路の必要性を見極めて、廃止や幅員変更などの都市計画変更を行うこと。とくに都市計画決定から長期間経過している道路計画は、再検証に積極的に取組むことなどを提起しています。
この方針を受けて全国で都市計画道路計画の廃止、見直しが進んでいますが、都は廃止、見直しをほとんど行ってきませんでした。
そのなかでも谷根千の歴史と文化を守ろうと地域ぐるみの強い反対運動を続いてきた都市計画道路補助92号線の西日暮里3丁目から上野までの区間2520メートル、計画全体の52%については、都は廃止の方針を打ち出し、今年8月から10月にかけて意見募集や地元説明会を開催し、いよいよ道路拡幅計画の廃止手続きに入ろうとしています。
隣接している西日暮里4丁目地域は、戦前、渡辺町と呼ばれ、小説家野上弥栄子など多くの文化人が住む高級住宅地として田園調布よりも前に開発された地域です。開発後には、開成学園が移転し、隣接する向陵稲荷神社は、江戸時代の佐竹家の屋敷で祀られていたお稲荷さんで、渡辺町の鎮守になっているなど歴史と文化の街です。
その地域に住む住民の皆さんが歴史と文化の街を守り、閑静な住宅を維持したいと立ち上がり、都市計画道路92号線道路拡幅に7割の方が反対しています。
今年4月、地元住民が都建設局の担当者と交渉した席上、都の建設局の担当課長は「道路拡幅は困難」と表明しました。
荒川区として、第5次都市計画整備計画に際して、西日暮里4丁目地域を見直して廃止路線にするよう東京都に働きかけることを求めます。答弁を求めます。
以上で第一回目の質問を終わります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)