「荒川区豊かな心を育む読書のまちづくり条例」に反対の討論

私は日本共産党荒川区議団を代表して議案第52号「荒川区豊かな心を育む読書のまちづくり条例案」に反対の討論をいたします。

本条例案は読書活動についての基本理念、区の責務並びに区民等及び事業者の役割、読書活動に関する取組の基本的事項が定められています。

読書は個人の営み、内面的なもので、誰かに強要されるものではありません。この点において、区民や事業者に対し読書を「努力義務」とする本条例案には賛成できません。

委員会質疑の中で区は「条例には努力義務と書かれているが、決して読書を強制するものではない」と繰り返し答弁しました。説明をしなくては区の本意を区民に伝えられないのであれば、そもそも条例にはなじまないのではないでしょうか。

日本共産党区議団はこれまでも、これからも、区民が読書できる環境を整えていくことについては、もちろん大賛成です。

荒川区はこれまで、図書館の充実をはじめ、区内事業者協力のもとで「まちなか図書館」設置、「柳田邦男絵本大賞」などの読書活動推進のための事業の拡充など、様々な読書関連施策が行われてきました。2020年には「読書を愛するまち・あらかわ」宣言がされ、宣言認知度も高まっていると委員会での報告がありました。担当部署はもちろん、全庁的に努力されていると思います。

しかし、残念ながら荒川区の一部の学校には静かに読書できる場所がない、区内書店の減少など問題を抱えていることも事実です。事前に行われたアンケートでは仕事や育児、介護で忙しくて読書する時間が確保できないという声が多く寄せられたと委員会で報告がありました。「ゆいの森」では一時あずかりを行い、育児で忙しい保護者の方々の読書をサポートしています。こういった支援を更に充実させるべきではないでしょうか。また、図書館司書の重要性を区は認めつつも、非正規・会計年度職員とし続けているところも問題です。

荒川区がすべきことは、区民が読書に親しむ環境を整備することです。区民や事業者に対し読書を「努力義務」とするべきではないと申し上げ、本条例案に反対の討論といたします。

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