2021年 6月会議 小林行男区議の一般質問全文です

小林行男区議

《一般質問要項》
1、コロナ禍で社会保障の負担軽減策の周知徹底と拡大強化について。
①国民健康保険料、介護保険料の減免制度の周知徹底をすること。
②国民健康保険料の子どもへの均等割の減免制度を区として実施すること。
③税、保険料滞納に対し機械的差し押さえは行わないこと。
④介護サービスの充実のためにも事業所・職員への支援強化すること。
2、高齢者の加齢性難聴への支援について
①補聴器購入への補助制度を創設すること。
②加齢性難聴を自覚できるよう健診に聴力検査を取り入れること。
③専門家による相談窓口を設置すること。
④ふれあい館など公共施設への磁気ループの設置を促進すること。
3、新型コロナと熱中症対策のため、エアコン設置補助制度を実施すること。

《質問全文》
私は、大きく3点にわたって質問します。
6月21日、長く続いた緊急事態宣言は解除されたとはいえ、感染者は高い位置での下げ止まり、医療逼迫は十分改善されていない中でリバウンドの急拡大などの危険性を専門家からも懸念されています。菅政権は、コロナ危機で顕在化した医療体制の弱体化の反省もなく、先の通常国会で菅政権は75歳以上の高齢者の医療費窓口負担の2倍化法案と病床削減推進法を強行しました。75歳以上の高齢者は、最も病気にかかりやすく、治療時間がかかります。年収に対する負担割合は、現在1割負担でも、若い世代と比べて4倍から6倍もの医療費負担を強いられています。年金は消費税増税でも今年度0.1%のマイナス改訂であり、負担を苦にした受診控えは今でも深刻なのに、さらに負担増を押し付ける冷酷な仕打ちは断じて許せません。実施予定は来年10月です。実施を許さないために多くのみなさんと力を合わせて頑張ります。
さらに、2021年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定しました。コロナ危機に学ばず、医療の強化や生活支援に背を向けています。「給付と負担のバランス」の名で社会保障費の更なる削減を打ち出し、高齢化などによる自然増分も削りこむ方向です。
経済が低迷している中で「ポストコロナの持続的な成長」を図るために必要なのは国民の暮らしを何よりも優先する政治、消費税の減税、最低賃金の大幅引き上げ、医療・介護・障害福祉・保育など「ケア」に手厚い社会が求められます。
国民健康保険は自営業者や75歳未満の年金生活者、非正規雇用労働者などが加入しています。荒川区で加入世帯36,507、人員51,024人。区民全体の約22,6%です。主に中小企業の労働者が加入する協会けんぽと比べると国保料が2倍以上になるなどあまりにも負担が重すぎます。そして、保険料が毎年のように値上げが繰り返されています。そのため、保険料滞納繰越分が毎年3割もあります。昨年度のコロナ特例減免申請は、決定件数1543件で2019年度分、2020年度分合わせると約3億6千万円の減免額になっています。区民生活の大変さがあらわれています。
また、新年度の国民健康保険料は、単身者などの低所得者層は下がったものの年収300万円以上の方は値上げが繰り返され、子育て世代の3人世帯の場合、年収484万円で保険料は1万4200円の値上げで53万5600万円です。協会けんぽなどに比べても2倍です。
保険料を引き上げる要因の一つに赤ちゃんも含め家族の人数に比例して負担が増える均等割の仕組みがあります。子どもの均等割は、23区では子ども1人52200円です。
健保組合や協会けんぽなどの保険料には均等割りはありません。子どもの貧困対策にも、子育て支援にも逆行するものです。国もようやく来年度から子どもの均等割の負担軽減をはじめる方針ですが、小学校入学前の子どもに限って、半額にするだけです。東京都や荒川区が独自に負担軽減の対象者と軽減額を拡大することは急務です。子どもへの均等割の減免制度を区として実施することを求めます。
また、介護保険料は今年度、月額6480円とし、500円引き上げました。第一期が2911円でしたから20年で2倍以上にもなっています。全国的にはコロナ禍で経済的負担を考慮して値上げを抑えたり、引き下げたりした自治体が50%を超えています。荒川区もこうした対応が求められたのではないでしょうか。厚生労働省の集計では、25年度には月額6856円になる見込みです。現状の仕組みでは、高齢者が増えると保険料が上がる。介護予防の充実と公費負担の割合を増やす制度設計がどうしても必要です。
相次ぐ負担増の中で「食費を切り詰めるしかない」「年金収入だけで生活は苦しく」など高齢者の生活困窮が進んでいます。
昨年度の減免実績は申請・決定617件、減免金額 48,805,430(約4千8百万)
保険料の滞納者 2019年 2200人、2020年 1960人となっています。滞納者のほとんどは無年金者か月額15000円以下の低年金の方が大半です。多くの方が仕事などにも従事して生活を支えているのではないでしょうか。
国保は今月18日から、介護保険料は来月、納入通知書が郵送され減免制度のお知らせなどにも減免の案内を入れるそうでありますが、あらゆる場面を通じて周知徹底すること求めたいと思います。とりわけ毎年、保険料の問い合わせなども多数寄せられます。そうした機会を逃さず積極的に働きかけること。答弁を求めます。
住民税、国民健康保険料、介護保険料の差し押さえは、新型コロナの感染拡大のなかで経済的影響を考慮して差し控えて大幅に減少しています。いずれにしても区民生活の実態を直視して税・保険料滞納に対し機械的差し押さえは行わないこと。答弁を求めます。
介護サービスを支える事業所の運営も大変になっています。施設では入浴、排泄、食事といった介護は「三密」は避けられず、平時でも大変なのに、密を避けるために入浴介助時間の拡大や衛生業務、家族との対応、感染予防対策など働くみなさんの肉体的・精神的負担が大きくなっています。これまでも、仕事のやりがいを感じて就職しても、労働も厳しく、給与も一般産業従事者より平均月8万円も低く、離職率も高く、慢性的な人手不足になっています。花の木ハイムの事業者の撤退なども起こる事態です。荒川区は介護サービスの安定供給を確保するために事業者に対しての衛生品の提供やPCR検査などの支援など進めてきました。さらに一歩進めて、保育園では、単身者への家賃補助、プリペードカードの支給など直接的支援をしてきました。介護サービスの充実のためにも事業所・職員への支援を強化すのこと。答弁を求めます。
次に、加齢性難聴への補聴器購入への助成をこれまで、わが党は繰り返し求めてまいりました。区当局は、検討するとのしてまいりました。現在、加齢性難聴により高齢者の孤立するケースや認知症の危険が広く認識されるようになり、高齢者の生きがいつくりと生活支援および社会参加を促進するために、全国各地の自治体で補聴器の購入のための補助制度が広がっています。東京23区では、補聴器助成制度は14区で実施済み、新たに今年7月開始する練馬区も始めます。東京都も一定の条件を満たせば、高齢者の補聴器支給等に対する補助をするとしています。
補聴器購入への補助制度を創設することを求めます。答弁を求めます。
また、高齢者の難聴は気づきにくい。難聴を自覚できるように、可視化するために健診に聴力検査を取り入れ、区としても加齢性難聴者の実態を把握することが大切です。
加齢性難聴を自覚できるように健診に聴力検査を取り入れること。答弁を求めます。
また、補聴器は買ったが、雑音がうるさくて聞き取りにくい。調整が上手くいかないなどなじまず、あきらめてしまう人も多くいます。認定補聴器技能者 公的資格の付与、補聴器販売店への配置の義務化を進めることが大切です。しっかりとした専門家による相談窓口を設置することを求めます。
補聴器は音を増幅させて聴力を補うため、周囲の雑音も大きくなり、放送や音楽が聞き取りにくくなる欠点があります。雑音が不快で楽しめないとして講演会やコンサートから足が遠のくケースが多いといわれています。同時に磁気ループの存在や使い方を知らない難聴者も少なくありません。潜在需要は大きいものの、認知度の低さや費用負担などなどからまだまだ普及は弱いといった状況です。そこで、区民が多く利用するふれあい館など公共施設への磁気ループの設置を促進すること。答弁を求めます。
新型コロナ・熱中症対策のためのエアコン設置補助制度の復活についてであります。
コロナ発生から2回目の夏を迎えます。コロナ対策も気を緩めることはできません。スティホームもまだまだ続きます。外出自粛の中で6月でも30度を超える真夏日や蒸し暑い日が増えています。対策がどうしても必要です。監察医務院の調査でも熱中症による死亡者は増加の傾向を示しています。昨年都内でなくなった187人のうち「エアコンを設置していない・あっても使用していなかった」方が全体の9割にものぼっています。また、「設置しているが故障中」の方が22人もいます。
区は「当初の目的は達成した」と助成制度を廃止しましたが、すでに3年たっています。今あらためて、高齢者や子育て世代の切実な要望に応えることが大切ではないでしょうか。
コロナ対策で環境部が行っている省エネエアコンへの補助は今年も実施されています。結構なことだと思いますが、バランスをかいているのではないでしょうか。まだまだ、命と健康を守るエアコン設置助成が必要です。全国、都内でも実施する自治体が増えています。新型コロナと熱中症対策のため、エアコン設置補助制度を実施すること。答弁を求めます。
これで第一回目の質問を終わります。

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