2021年6月会議 日本共産党北村あや子区議の一般質問の全文です。

北村あや子区議

《一般質問要項》

子どもたちの権利尊重と健やかな成長のために
①児童生徒のオリンピック・パラリンピック観戦動員は行わないこと
②35人学級に伴う環境整備(教室確保、学校選択制度、教員確保と労働環境など)について問う
③区立小中学校での給食無料化を実施すること
④「#生理の貧困」解消へ
生理用品の行政窓口無料配布継続と学校・区施設トイレに常備するとともに性教育を充実すること
⑤コロナ感染不安で保育園を自主的に欠席する場合は保育料を日割り減免すること
⑥「感染心配休み」の児童生徒に「つながり」を配慮し、学習保障を行うこと
⑦学校内で利用される無線LANや、5Gの電磁波の影響など調査研究すること
⑧子どもの人権、ジェンダー平等に配慮した校則への指針を持つこと。
⑨「子どもの権利条例」策定にあたっては、生きる、守られる、参加するなど子どもの権利条約の理念に則った内容にすること

《質問全文》
日本共産党の北村綾子です。
まず、児童生徒のオリンピック・パラリンピック競技観戦について伺います。
この夏のオリパラは中止し、あらゆる力をコロナ収束に集中するべきだと日本共産党は主張しています。命をリスクにさらしてまでオリンピックを開催しなければならない理由はありません。
パブリックビューイングは中止されました。では、子どもたちを動員してのオリパラ観戦はどうなのでしょう。コロナ前にたてられた当初計画では幼稚園189人、小学校9,008人、中学校3,275人の子どもたちと、引率者、総数13,443枚のチケットが用意されます。
昨日の5者協議会では専門家が提言した「無観客開催」を無視して、上限1万人の開催を決めました。しかも学校連携観戦は含まないとしています。納得いきません。
「国がどうこう言う問題じゃない」と、責任な立場を国はとっています。また東京都は、組織委員会から送られていた「学校連携観戦チケットに係る今後の対応について」というキャンセル受付案内の文章を、区市町村に連絡せずにいたことが明らかになりました。荒川区も受け取っていないようです。現場決定の機会を奪う対応です。
荒川区は、子どもの命と健康を守る責任を果たしてください。児童生徒のオリパラ観戦動員は行わないことを求めます。お答えください。

次に35人学級に伴う環境整備について伺います。
小学校の学級編制の標準を5年間かけて計画的に40人から35人に引き下げると、法律が改正されました。中学校でも実現に向けて検討すると政府も表明しています。
約40年ぶりの標準引き下げは、これまで少人数学級を求めてきた、保護者、学校現場からおおいに歓迎されています。
区では各課で準備を進めていると伺いました。教室確保にあたっては、教育環境を維持・改善する視点で検討していただきたい。
また、現行の学校選択制度については、これまでも大型マンション建設などで就学児童数が急激に増え、選択制度対象外となった学校もあります。現行の制度では35人学級を安定的に運営するのは難しいのではないでしょうか。見解をお聞かせください。
最も重要なソフト面はどうでしょうか。新規採用教員のスキルアップはもちろん大切ですが、教員を続けられる環境整備も大切です。これまでも教員の厳しい勤務実態が指摘されています。後輩教員が増えれば、先輩の負担が増えることは容易に想像がつきます。教員確保と、働き続けやすい環境を整えることを求めます。お答えください。

次に学校給食について伺います。
給食は子どもたちが最も楽しみにしている時間のひとつです。皆が楽しく給食をとる工夫が各校でされています。栄養士をはじめ調理師の方々、先生方、地域の食材納入業者の皆さんも携わり、美味しい給食が提供されています。心から感謝いたします。
さて、荒川区では幼保無償化に伴い、独自に該当年齢の子どもたちの給食費を無料にしました。保護者の要望に呼応したもので、健やかな成長を保障するためにも非常に良い決断でした。
一方、義務教育である小学校中学校の給食費は有料のままです。
義務教育中の学費無料は、今では当然のことです。教科書も無料です。副教材や体操着など費用がかかることが大きな問題ですが、とりわけ「食育」が言われて久しい現在、給食費が有償のままというのは問題です。
学校給食法では「学校給食の普及充実及び学校における食育の推進」を行うとしており、給食は教育の一環として位置づけられています。国が責任をもって無料にするべきで、申請しなくてもすべての人が対象になる「普遍主義」にたった給食無料化こそが、教育の一環としてふさわしいと考えます。しかし残念ながら、それがなされない現状です。
そこで、子どもたちの成長を支えるために、教育の一環として位置づけるために、荒川区立小中学校での給食無償化を求めます。お答えください。

私は今年の国際女性デーの翌日、3月9日の予算特別委員会で、学校のトイレに生理用品を置くよう求めました。その後区は、災害備蓄品を活用して生理用品無料配布を始めました。717セットを用意して、現在も配布中です。5月上旬には394セット、6月上旬には543セットが配布されたので、1か月で約150セットが必要とされる方のもとに届きました。#生理の貧困 解消に向けて前進しましたが、臨時的な災害備蓄品だけでは今年度不足することが想定されます。別途追加して、行政窓口での生理用品無料配布の継続を求めます。お答えください。
誰もが使うトイレットペーパーと同じように、生理用品は衛生を保つうえで必要不可欠なものです。生理の問題はタブー視されてきたゆえに、表面化しづらい問題です。保護者の認識不足、ネグレクト、貧困など様々な理由で生理用品を買ってもらえない子どもたちがいます。学校に生理用品があれば助かる子どもたちがいます。あえて保健室に取りに行かなくても、トイレにあれば誰の目に触れることもなく、安心して利用できます。急に生理になってしまった場合も助かります。
性教育が不十分で起こってしまう「からかい」から、多感な年齢の女子が、トイレに生理用品を持っていくことを恥ずかしいと感じてしまうことがあります。今後タブー視されないためにも、丁寧な性教育を行っていただきたいと合わせて要望します。
国は3月23日に地域女性活躍推進交付金の使途に生理用品無料配布を加えました。東京都も都立校で9月からトイレに生理用品を設置すると決めました。子どもたちの健康と尊厳にかかわる問題です。荒川区でも、小中学校と区施設のトイレに生理用品を常備することを改めて求めます。意思決定機関に女性が少ないため、これまで語られることのなかった生理の貧困。他の議員からも同様の質問がありました。区民が求めています。前向きにお答えください。

この間、区立中学校、私立保育園で大きなコロナ感染がありました。ワクチンを打てるのは12歳から、しかも接種はこれからです。特効薬もなく、デルタ株の広がりも心配される今、子どもたちはもちろん、保護者、地域住民の不安は続きます。利用施設で感染があればなおさらです。

現在、0~2歳児の保育料は有料です。感染が心配で保育園を休ませる場合、現状では保育料を支払わなくてはいけません。区が保育園の登園自粛要請をしない場合も、感染が心配で休ませる場合には保育料を日割り減免することを求めます。お答えください。

また、学校でも感染が心配で休む、休ませている場合があります。休んでいる子どもたちは学校の友達、先生とこれまでのようにつながれずにいます。孤立に加え、学習の遅れも心配です。荒川区ではいち早く一人一台のタブレットを用意しましたが、活用は学校に一任されています。昨日、オンライン学習などを迅速かつ確実に実施すると方針が出されましたが、先生方はコロナ前から非常に忙しく、限界です。週に1度もしくは2度、3時間訪れるICT支援員の派遣で現場は足りているのでしょうか。区が責任を持ち、教員の過重負担を減らし、個人情報保護を前提にICTも活用し、心配休みの子どもたちへの「つながり」を配慮すること、積極的に学習保障することを求めます。

同時に無線LANや5Gからの電磁波の影響について伺います。
タブレットは主に校内で利用しています。無線LANからの電磁波が与える影響を心配する声が出ています。ICT先進国では、電磁波の悪影響を考慮し、学校では有線LANを利用している地域もあります。また、5Gからの強力な電磁波も心配です。荒川区内の5G基地局設置状況を区は把握しているのでしょうか。無線LANや5Gから出る電磁波の影響について調査研究を求めます。お答えください。

次に区立中学校の校則についてお伺いします。
生徒の人権を尊重していない校則があると言われています。日本共産党区議団はこれまでも生徒の権利が守られ、尊重される学校づくりの促進を求めてきました。私は今年3月に、2020年度の荒川区立中学校10校の生活の決まりなどを調べました。
各校に標準服があり、靴は1校以外何らかの指定がありました。頭髪は男子生徒には耳や襟にかからないように規定する学校が7校、ツーブロック等一部刈り上げがあるものは不可としている学校が4校、女子生徒には眉が見えるように等の規定がありました。更にカバンにつけるチャームなどに関しても規定する学校がありました。衝撃だったのは肌着・下着の色指定、着用を規定する校則があったことです。10校中6校に下着や肌着に関する規定がありました。色が白色またはベージュ、無地に限られている。男子に限って色・柄不可とする学校もありました。
人権の軽視が明らかな校則をこのままにしていいのか、生徒の人権を尊重するべきと、調査した3月の時点で教育委員会に申し上げました。結果、法律家からのアドバイスも受け、今年度から区内中学の校則を大幅に改定したと聞きました。この間の「ブラック校則を許さない」という世論の高まりから、素早い校則改定がされたのだと認識しています。
今回の校則改訂にあたっては、教職員と保護者には事前に伝えたようですが、生徒の意見を聞く場はなかったとのこと、残念です。教育の一環として考えるのならば、校則見直しの際には生徒を含めた検討の場を設けることが必要ではないでしょうか。これは、生徒手帳には書かれていない不文法の校則に準ずるきまり、例えば体育の時、男子はジャージ着用不可だとか、女子の髪型で編み込みはダメなどのきまりの改定についても同様です。そもそも子どもたちから「おかしい」と声があればその声に耳を傾けるべきです。
どのような服装が、行動がふさわしいのか、判断できるようにすることが教育のはずです。決まりをおしつけることではなく、自ら考え行動できるようにする「自律」を促すことが必要です。
教育委員会として子どもの人権尊重とジェンダー平等にたった校則への指針を持つべきと考えますが、見解をお聞かせください。

昨年4月に国連の子どもの権利委員会で「新型コロナウイルス感染症に関する声明」が出されました。子どもたちの文化・芸術活動を大切にすること、学びの保障、栄養のある食事を確保すること、子どもの意見を聞くことなど、11項目について提案されています。この声明を子どもたちにわかりやすく伝えるため絵本を出版された方もいます。
子どもたちの声を聞き、権利を尊重すること、荒川区ではできていますか。
子どもの権利条例の実現に向けて前向きな答弁がありました。策定にあたっては、生きる、守られる、参加するなど子どもの権利条約の理念にのっとった内容にすることを求めます。
子どもの参加が大前提です。わかりやすくする工夫も必要ではないでしょうか。お答えください。

以上で1回目の質問は終わります。

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