安部キヨ子区議が荒川区2017年度一般会計決算認定に反対討論 暮らし応援不十分

日本共産党荒川区議団を代表して認定第1号、2017年度一般会計歳入歳出決算の認定に反対の討論を行います。
安倍政権のもと消費税8%増税で丸3年が過ぎ、アベノミクス丸5年がたちましたが、安倍政権のもとで労働者全体の実質賃金は18万円減り、2人以上世帯の実質消費支出は21万円も減りました。
また所得の最も少ない10%層の実質所得が下がり続け貧困と格差がさらに拡大しています。
こうした中で「くらし・子育て・安心予算」と位置付けられた2017年度予算が区民のくらしの防波堤として役割が発揮される予算執行であったかが問われました。
荒川区の2017年度の歳入決算では歳入約940億円、歳出約917億円。約23億円の黒字です。基金残高約352億円で5年前と比較して100億円も増えています。   区民のくらしの応援や底上げについては不十分であることを申し上げます。
財政上出来ないと言ってきた就学援助準要保護の入学準備金を引き上げ、熱中症予防エアコン購入助成の緊急対策の実施など区民の暮らし応援の視点で検討すれば出来るのです。新年度予算編成では、この姿勢を区政全体に広げ、財政を振り向けることを強く求めておきます。
決算認定に対する反対の理由をのべます。
第一に格差と貧困の解消に向けた取り組みについてです。社会保障費削減による医療介護の負担増は深刻です。介護保険料の負担軽減やふろわり200拡充など求めましたが実現にいたりませんでした。
また、子どもの貧困問題について首都大学の行った子ども生活実態調査の詳細な分析でも、家賃助成など含めた経済的支援の重要性が指摘されています。就学援助は生活保護の1.2倍以内で生活困難層全体には届かないのです。
義務教育の家計負担軽減のために学校給食の無償化や教材教具の父母負担軽減など根本的な対策の検討実施がありませんでした。政策判断でタブレットパソコン年間6億円の投入し、その教材関係費は全額公費負担としていることに比べるとバランスの欠いた予算執行と言わざるを得ません。
第二は、自然災害が多発するなか、最重要課題は西日暮里駅前・三河島駅前北地区の再開発ではなく防災・住み続けられるまちづくりを第一課題にすべきです。
大規模地震による木造・非木造建物耐震化で決算の執行率35%です。わが党が提案している不燃化特区の簡易耐震補強工事で道路の確保・近隣の火災防止なども免れます。 簡易耐震補強工事の助成は「実行しない」答弁でしたが区民の命一人たりとも守るという立場から遠のいてしまいます。具体的な対策での立ち後れであることが問題です。
第三に荒川区の財政運営上、基金の一定の積み立ては必要ですが、現状は過大な積立金を行っていることが問題です
基金を積み上げる理由として今後の公共施設改修更新などの対応とのことでしたが、総合管理計画においてもどこまで必要なのか明らかではありません。また、財政調整基金も区の標準財政規模では30%まで積み上げています。
 公共施設の改修や更新にあたって、多くの部分を起債で対応し、基金の取り崩しは一部です。これは世代間の負担の公平面からみても当然です。計画的な財政運営を行っていけば毎年の決算剰余金などのその一部を経常的にくらし応援にまわすことは十分可能です。超高齢化社会、少子化、施設の老朽化などを口実に区民に財政危機を煽って区民に我慢を強いるのでは住民と滞在者の福祉と安全を守る本来の自治体の役割が果たせません。
 第四に消費税増税や最低限度の生活保障である生活扶助費の削減について「消費税は社会保障の安定的な財源、消費税による負担の増加は国民生活と地域経済の安定に資するもの」「「生活扶助費の削減の痛みはない」と言う政府丸写しの認識は区民の生活実態からかけ離れています。その認識から出発すると、区民の暮らし営業を守る対策が遅れてしまいます。
最後に決算に関する特別委員会で指摘したいくつかの問題について触れます。
地震国イタリアの避難所の事例なども紹介しましたが、これらにも学び教訓かすべきです。電力停止のブラックアウトを避けることも大事ですが非常時の電源のバックアップ体制についても総点検をすること。想定外は禁句です。
家具転倒防止・感震ブレーカ等の設置を進めていますが設置率が高まるよう取り組みを強化していただきたい。また防災ラジオの導入は一日も早く実施に踏み切れるように求めておきます。
ゆいの森図書館のシステムはいまだに不具合が発生していることはまことに遺憾であります。フリーズエラーは少なくなったようでありますがシステム改修が10数%あるとのことでした。適材なプロポーザルであったのかが問われました。地域図書館とのシステム連携とHPの不十分のあり改善を求めます。
保育園の0歳児の11時間保育について、昨年度この事業を行うと区は、表明しましたがいまだに具体的になっておらず来年の保育園案内には明記されていません。募集を締め切ってからの様子見では遅すぎます。なお、保育士の育休中の任期付職員体制について全園での常勤対応がすすむように格段の努力をお願いしておきます。
区立の通所サービス再編については区立の役割や利用者の状況から慎重に検討すべきです。高齢者通所サービスも障害者放課後デイーサービスも報酬が下がっています。事業がなりたたなくなる事態を防ぐためにも区はきちんと実態を把握し必要な手立てをとることです。高齢者・障害者の事業充実のために区の独自の支援と国に介護報酬の増額あげること強く求めておきます。
厳しい営業環境の中で区内企業の応援に知恵を出すべきです。小規模支援や創業支援をさらに力を入れることを求めます。
エアコンの体育館への設置を進めることは評価しますが、異常な暑さでエアコンが聞かず具合が悪くなった子どもさん、学校によっては教室を移動したなどの事態も発生しました。普通教室のエアコンの不具合の改善を強く求めます。
一人ひとりの子どもの成長を保障するために日暮里地域の教室不足への対応・学童クラブの増設。また特別支援教室の備品教材の充実についても具体的に進めていただきたいと思います。
オレオレ詐欺対策の一環として高齢者65歳以上の区の事業に関わっていない方々の名簿を警察に情報提供することは、個人情報の問題として軽々に取り扱ってはいけません。職員が該当の区民に直接訪問し防止策など説明を行なうことで充分対応できるはずです。1万人もの1人暮らし高齢者の基本情報を一括して警察に提供する必要性は認められないことを改めて申し上げておきます。
以上申し上げまして討論といたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)