2024年度第14号陳情「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める陳情」の採択を求める討論」(北村区議)

日本共産党区議会議員団を代表し、2024年度第14号陳情「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める陳情」について委員長報告に反対、採択を求める立場で討論を行います。

本陳情は、国に対し荒川区議会から「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」を提出するよう求めるものです。選択的夫婦別姓制度は、婚姻の際に、お互いが同姓になることを望む人は同姓に、そのままの氏を望む人は別姓に、同性と別姓の「どちらも選択できる」制度です。陳情では、夫婦同氏を義務づける民法の規定が憲法の理念に反するものであり、選択的夫婦別姓制度の導入が必要だとしています。

陳情にもあるように、最高裁は1988年の判決の中で、氏名について「人が個人として尊重される基礎であり、人格の象徴であって、人格権の一内容を構成するもの」だとしました。しかし、現在の制度はどちらかの改姓を義務付けるものであり、氏を変更したくないという個人の意思、人格権がまもられているとはいえません。

実際は婚姻によって改姓するのは96%が女性であり、女性の人権の問題でもあります。国連女性差別撤廃委員会は日本政府に対し、「法律で夫婦同姓を義務付けることは女性差別であり、ただちに改正すべき」と4度にわたって勧告をしています。氏を変えることへの違和感から結婚をしないという女性が少なくありません。また、男性のなかにも家族関係から改姓は難しいが、相手に改姓を強いることもしたくない、という方もいます。「婚姻の自由」や「氏名の変更を強制されない自由」に関わる人権問題と受け止め、是正すべきという陳情の訴えはそのとおりだと思います。

今年4月1日時点、全国では591自治体で選択的夫婦別姓制度をすすめる意見書があがっています。政府は、夫婦同氏制度を変えず、旧姓の通称使用の拡大をすすめようとしていますが、人権の侵害を許してまで守るべき立法目的や公的利益があるでしょうか。同氏制度は明治民法において家制度が確立した結果生じたものであり、1947年の民法改正時から家族形態や男女の働き方などが多様化していることを考えれば、規定を維持する基盤はすでに失われています。子どもの氏についても1996年の法務省法制審議会の答申で示されており、国際結婚や離婚後の親子など、氏が異なる親子はすでに日本でも存在しているほか、国際的にみても問題は生じていません。

家族の一体感は氏によって変わるものではなく、家族との時間を確保できる労働環境や、保育、教育、介護など社会のあり方によって変わるものではないでしょうか。子どもとの時間を取りたくてもとれない、長時間労働せざるをえない現状を変えることこそ家族を大切にすることにつながるはずです。

同時に、家族だからと一体感を求めることが個人を追い詰めることにつながる場合もあります。荒川区が男女共同参画社会推進計画で掲げているように「誰もがかけがえのない存在として人権が尊重され、自由で多様な生き方を選択できる社会」を実現することが大切です。選択的夫婦別姓制度をはじめ、これまでのかたちにとらわれない家族のあり方を保障することで、「誰もがかけがえのない存在として人権が尊重され」るのではないでしょうか。荒川区議会から選択的夫婦別姓制度をすすめる意見書をあげることを強く要望し、討論を終わります。

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