区議会だより

2009年第1回定例会

2009年 第2回第3回第4回



【斉藤くに子区議】

  1. 経済危機のもとで区民生活を守るために
    1. 定額給付金2兆円は雇用対策や社会保障などの財源にまわすべきという区民の声は当然だと思うが区長の見解を問う。
    2. 総合相談窓口や雇用生活支援など実効性ある対策を求める。
  2. 区政運営の基本姿勢について
    1. 継続的恒常的業務は常勤雇用が当然で「官製ワーキングプア」となる非常勤化の拡大は見直すべきではないか。
    2. 退職不補充によって住民サービスの低下を招かないように必要な道路工事事務所や清掃事務所の業務などは直営を守ること。
    3. 非常勤の処遇改善を行ったが、図書館司書、栄養士、学芸員などは正規雇用にすべきではないか。
    4. 土地購入と各施設建設に関わる実施計画見直しを議会にはかるべきではないか。
    5. いまだに空き地のままの都有地の有効活用を即刻検討し要求すること。また売却予定のひろば館も区民要望に基づいて活用すること。
  3. 貧困打開のための対策を自治体としても積極的に取り組むこと
    1. 基本計画実施計画の中に格差と貧困解消に着目した課題を位置づけること。
    2. 一人親家庭の実態を母子父子ともに調査し、具体的な支援策を検討すること。
    3. 生活保護の母子加算の廃止に強く抗議するとともに、区として独自加算を検討すること。
    4. 東京都からの福祉事務所通知にあるように、稼働能力があることだけで生活保護の要否の判断をせず、雇用状況悪化に機敏に対応すること。
  4. 高齢者の医療介護の負担軽減対策について
    1. 生活保護基準以下収入の方の介護保険料負担軽減の福祉補助制度をつくること。
    2. 高齢者入院時の負担軽減対策を実施すること。
    3. 介護保険外になっている通院介助について独自サービスを行うこと。
  5. 小学校英語科・一斉学力テスト・学校選択自由化の見直し作業をすすめること。

《質問》

 私は日本共産党荒川区議会議員団を代表して質問致します。
 日テレの世論調査ではついに一ケタ台の支持率となった麻生内閣ですが「経済危機は海外発の大きな『津波』日本経済自身に何か構造的な問題があったわけではありません」と強調しています。しかし、この間の新自由主義・構造改革が津波から国民の暮らしと経済を守る防波堤を破壊したことが、被害を大きくしているのです。競争原理が強められ、一部の輸出大企業の応援政策を続け、外需・輸出にかたよった経済はアメリカ経済の破綻をもろに受ける脆弱さを露呈する結果となりました。内需・家計は犠牲にして賃金引き下げや非正規雇用への置き換えがすすみ、労働法制の規制緩和で大問題の派遣切りを引き起こし、庶民増税と社会保障切り捨てが追い打ちをかけているのです。今起きている事態はまさに「構造改革」路線が引き起こした「政治災害」だという認識を持たないと、異例の早さで進んでいる景気悪化の処方箋はつくれません。その認識がないから、大企業・財界の雇用確保への対応を厳しく求めることも出来ず、住宅ローン減税の継続などは結構ですが景気対策には効果が乏しい定額給付金や3年後の消費税増税などを平気で打ち出すのです。しかも年度内実施も出来ないことが明確でその財源関連法案も成立しないまま自治体に補正予算編成を求めることは、まともなやり方ではありません。
 私どもが毎年行っている区民アンケートでも定額給付金について「自分たちも苦しいが派遣切りにあった人たちはもっと苦しいと思うので、その人たちのために使った方がよい」「誰のための給付金なのか考えれば考えるほど悲しくなります」「高齢者の医療の方にまわしてお年寄りを安心させてあげてください」「もらえるなら欲しいがもっと他の使い方があるのでは」「場当たり的なやり方は政府としての資格なし」「景気対策に効果なし」など殆どの方が2兆円も出せるなら医療・介護・福祉・雇用対策に使うべきとのご意見です。荒川区給付金総額約30億円・事務費だけでも約2億円です。区民のこうした意見は当然と考えます。区長の見解をこの点でまず伺います。
 景気悪化、雇用危機の中で、区民の「安心の砦」をどう具体的に築くのか。地方自治体の真価が問われるときです。荒川区も緊急経済対策本部も立ち上げました。しかし緊急相談窓口は相談内容を総合的に判断し解決に結びつける積極的な役割を果たせたでしょうか。又、これからさらに深刻になるというのに年末年始だけの一時的な設置で終わってしまいました。緊急雇用も窓口には40名近くが訪れたものの結局、採用は3名にとどまっています。9月以降の失職であることや、日中勤務しながらでは再就職活動が難しいこと、1ケ月の短期雇用など現状打開の受け皿にならなかったのではないでしょうか。大企業による大量解雇の波は拡大する一方です。厚生労働省の調査でも今年三月末までに約十二万五千人が職を失うとされ、業界団体の試算によると、製造業で働く派遣・請負の失業は三月末までに四十万人に達するといいます。大量解雇による被害者を出さない、「非正規切り」を止めさせるためにあらゆる手段を講じるよう政府に求めるとともに、職を失った区民の生活と再就職の支援のために本気の取り組みが求められます。
 また、これまでも下請け単価切り下げで大儲けをしてきた大企業はさらに「津波」のしわ寄せを一方的に下請け企業に押し付けています。区は1月に、区内製造業84社の聞き取り調査を行いました。その報告書によれば秋頃から20%から50%の受注量減少、単価が低下。7名解雇しさらに検討・残業やパート労働の削減など人件費の抑制。資金繰りに苦慮し役員給与の減額。代表者などの個人資金を投入。さらなる経費削減と支出抑制など経営の苦労が出ています。
 地域を歩きますと、あちこちから悲鳴が上がっています。「スプリンクラーなど設備関係の仕事をしている方、東京に出てきて40数年、夫婦二人で力を合わせ、今は息子たちとも一緒に仕事をしている。これまで税金も消費税も、保険料も融資返済も滞ることなくきちんとやってきた。しかし昨年の秋頃から仕事の流れが悪くなり、月60万円の銀行返済が難しくなってきた。借り換え一本化が出来ないか信用保証協会にいったが取り合ってくれない。万一のことがあれば、息子や娘の家族も含め、10名が路頭に迷うことになってしまう。」  「ある飲食店では昨年度に比べて売り上げ一日一万円、年間で300万は落ち込んだ。今は一人2千円程度で切り上げる客が多くなった」と言います。買い控え、消費抑制もひろがり、業者の廃業、即生活保護といった、かつてない深刻な状況です。
 総合相談窓口や雇用生活支援、融資の改善など経済危機から区民を救う実効性のある具体的な対策をさらに打ち出すこと。答弁を求めます。

〈答弁〉

【総務企画部長答弁】
 定額給付金についての御質問にお答えいたします。
 世界経済が混迷する中、今、求められているのは早急な内需拡大であります。定額給付金は、公共事業と異なり区民の皆様一人ひとりに直接給付されるため、消費に結びつきやすいものであり、経済対策として有効な政策と考えています。
 荒川区でも、約二十万人の区民に約三十億円に上る給付を予定しており、これが消費に結びつき、商店街を始めとした地域経済の活性化になると期待しております。
 区といたしましては、まずこの定額給付金が区民の皆様の手に間違いなく届くよう確実に事務処理を行いますとともに、区内の商業の活性化に結びつくことができるよう、積極的に取り組んでまいります。

【総務企画部長答弁】
 区民生活を守るための相談や支援について、お答えします。
 区では、この年末年始に、本庁舎一階に「暮らしの緊急相談窓口」を設け、五日間で十八件の相談を受けたところでございます。
 相談に訪れた方々については、生活保護を所管する保護課や区臨時職員窓口への案内、ハローワークの紹介などを行いました。
 また、低所得者層の生活の安定に向けた支援を行う生活安定化総合対策事業については、東京都から受託を受け、荒川区社会福祉協議会に委託し、昨年八月十九日に開始いたしました。
 昨年末までの相談は、延べ二百三十四件あり、職業訓練を行う就職チャレンジ支援事業の登録者も、本年一月二十七日現在、十九名となっております。
 区内企業の資金繰り対策といたしましては、景気悪化が進行した七月と資金需要が高まる年末に向けて、二度にわたり緊急特別融資を実施し、三百七十七件、約十五億五千万円の融資あっ旋を行ったところであります。また、「原材料価格高騰対応等緊急保証」につきましても、中小企業診断士を相談員として増員するなどの体制強化を図っているところであります。
 区といたしましては、今後も社会経済情勢の変化に迅速かつ適切に対応し、区民の「安心の砦」となるよう、全庁をあげて必要な対策を実施してまいります。

《質問》

 第二に区政運営の基本姿勢に関わって伺います。
 政府は構造改革の中で、官から民への規制緩和をすすめ、自治体でも業務を民間委託、さらには指定管理者制度導入で株式会社の参入も可能にしてきました。さらに政府の現業の退職不補充方針で「0才児保育園まで給食調理を民間委託」「調理の直営維持と民間委託で財政的には殆ど変わらない」状況でも、保育園調理の業務委託を新年度も2園増やし8園に広げます。5館の図書館の非常勤司書は77名となり南千住図書館以外は常勤は館長だけです。公権力を発動する徴税関係にも非常勤職員を入れています。新年度も常勤から非常勤への置き換えが進み、非常勤再任用再雇用は500人を超え4割です。
 労働者の3分の1、1700万人が非正規雇用と言われていますが、不安定雇用の広がりは地方自治体も同様です。
 自立出来ない結婚出来ない人たちを増やし続けるこの流れを続けていいのでしょうか。自治体から率先して切り換える立場に立つべきです。
 労働者派遣法でも3年の派遣期間制限を超えると、労働者を直接雇用しなければならない義務があると定めています。また東村山市の非常勤職員にかかわる訴訟の確定判決では「任用期間が更新され3年以上在職することになった者は地方自治法204条第一項の常勤職員に当たる」との判断がされました。本来、継続的業務は常勤雇用が当然で「官製ワーキングプア」となる非常勤化の拡大は見直す時と考えます。答弁を求めます。
 このまま政府言いなりで現業職員の退職不補充が進めば「道路が陥没した」など区民の声に機敏に対応し「すぐやる課」として喜ばれている道路工事事務所も最後は民間となり、補修工事などいちいち委託契約が必要になるなど直営部隊のよさが失われます。道路工事事務所や清掃事務所などの現業職員のこれまで果たして来た役割と今後も必要とされる職場・職種であることを明確にして直営を守るべきではないでしょうか。お答えください。
 また、図書館司書、栄養士、ふるさと文化館学芸員など専門性を持つ職種で、系統的に安定したサービスの提供が必要な部署です。200万円程度の年収でも何年も更新を行い、継続して勤務し区の行政サービスを担っています。
 荒川区は07年4月から非常勤の処遇改善を行いました。非常勤の常勤採用の道を開くために特別区の採用資格の見直しや法体系の整備など、さらなる改善も必要です。しかし地方公務員法での非常勤とは「恒常的でない」「常勤勤務する必要がない」勤務です。ある意味では自治体の脱法的雇用が常態化しているとも言えます。待遇改善だけでは根本的な問題は解決されません。図書館司書、栄養士、学芸員などは正規雇用・常勤職にすべきと考えます。お答えください。
 次に区民の共通財産である公有地の確保にかかわって伺います。
 最終補正で保育園用地など3カ所10億円、新年度では土地開発公社で3カ所16000m245億円で確保する報告がされました。数年前には荒川4丁目大平製作所跡地を防災公園にと地元の陳情もありましたが結局マンションとなりました。荒川区役所公園に隣接した北部信金も価格面で結局民間開発業者に落ちました。工場や銀行の廃業移転などで空いた一定規模の土地は大型店、マンション、そして駐車場になってきました。経済状況の悪化で不動産活用が不調・限界となって区へ持ち込まれることになったと考えます。公有地を確保し、密集市街地改善のまちづくりや区民に必要な施設建設をすすめることは重要です。
 ただ、土地購入とその後の施設建設整備には多額の財政が必要なだけに、十分な検討が求められます。開発公社取得の土地も区としては何を建設するか想定をして購入していますが、土地購入と各施設整備に関わる実施計画見直しを議会にはかるべきと考えます。お答えください。
 07年第三回定例会では南千住6丁目元工業用水給水所や7丁目ポンプ場跡地、荒川2丁目の旧都営住宅敷地など空き地になった都有地の活用を求めましたが、下水道局ポンプ場は大型量販店に定期借地されてしまいました。保育園用地として都に提供させればもっと早く南千住地域の保育園需要に対応できたのに残念でなりません。また、荒川税務署のテニスコートにある西日暮里保育園の仮園舎、当面そのまま賃借出来れば、日暮里地域の保育需要に答えられる。しかし国はその要望を受け付けようとしないようです。国・都・区の縦割り行政がネックになってか、公有地なのにその活用が進みません。保育園や特養ホームのためなら東京都の土地購入は半額ですむのです。有効活用を検討し要求すること。また、ひろば館構想では「土地を売って金にしろ」の議論がありましたが、公有地の拡大からすると、売却予定のひろば館も区民要望に基づいて積極的に活用することが筋ではないでしょうか。お答えください。

〈答弁〉

【管理部長答弁】
 区政運営の基本姿勢についての質問のうち、非常勤職員の活用や民間委託に関する質問にお答えいたします。
 現在、区政の様々な分野において、非常勤職員がその専門性を活かして区政の第一線で活躍しており、区民の皆様からも高い評価をいただいております。
 これまで、区における執行体制の在り方については、区民サービスの向上と効率的な執行という二つの視点から、より優れた手法を検討し、選択をして参りました。
 民間の活力やノウハウを活用することによって、サービスが向上し、経費の削減が図れる場合には、委託や指定管理者制度を活用し、直営を選択した場合にあっても、専門性や勤務形態の柔軟性から、非常勤職員を活用する方が、区民サービスの向上に寄与すると判断できる場合には、そのような選択をしてまいりました。
 今後とも、職員体制につきましては、こうした考え方に沿って進めて参ります。
 更に、道路工事事務所や清掃事務所の業務につきましても、これからの在り方を展望しながら、より適切な執行体制を検討して参りたいと考えております。
 また、学芸員や栄養士、図書館司書等の専門性が求められる業務については、当該専門性を有する非常勤職員を活用し、区民サービスの向上を図ってきたところです。これらの専門的分野におきましても、それぞれの具体的な業務内容や勤務形態も踏まえつつ、区民サービスの向上という観点や効率化の促進を念頭に、適切な執行体制の確立に努めて参ります。

【管理部長答弁】
 公共用地の取得と施設建設に関わるご質問にお答えいたします。
 今回、委員会にご報告いたしました公共用地の取得案件につきましては、いずれも、これまで区ではなかなか取得が困難であった得がたい用地であります。
 そのため、区といたしましては、地域の子育て環境の整備や高齢者福祉の向上など、区民のニーズに的確に対応した施設の整備のみならず、密集市街地が広がる当区にとって地域の防災性や緑の環境を高め、区民生活に安全と潤いを与える街づくりにも寄与できるよう、大切に活用してまいりたいと考えているところでございます。
 今後、議会の皆様のご意見も伺いながら、適切な活用が行えるよう、施設内容やその規模、整備時期等について充分な検討を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

【管理部長答弁】
 区内の活用されていない都有地の活用を求めるご質問にお答えいたします。
 この間、区におきましても、広く区内の公有地の動向を注視し、情報収集に努めるなど、必要な取り組みを進めてまいりました。
 ご質問にありましたいずれの都有地につきましても、様々な観点から検討を行い、適切な対応を図ってきたところでございます。
 議会からご提案をいただいておりました荒川二丁目都営住宅跡地につきましては、現在、密集市街地の改善を進めるための防災まちづくり事業や老朽化した施設の建替えを円滑に進めるための街づくり用地として、区への優先譲渡がなされるよう、都市整備部において折衝を続けているところでございます。
 また、廃止するひろば館につきましては、区民の貴重な財産であるという視点を踏まえ、区として他の活用方策がないか、所管を限定することなく広く検討を行うことを第一とした上で、なお転用が困難であり、売却が妥当と判断されたものについては、時機を捉え売却する方向で対応することが適当と考えております。

《質問》

 荒川区の新年度予算は 一般会計862億円、対前年度比60億円増、過去最大規模の予算となっています。増要素で大きいのは土地購入や学校・ふれあい館など施設建設で51億円、再開発事業の40億円で、基金を64億円取り崩すことになっています。
 ビブワクチンの接種補助や学校図書館司書専属配置、特養ホームや保育園建設、ふろわり200の所得制限撤廃などは区民や関係者の要望に応えたもので評価するものですが区民の暮らしの大変さを考えた時、さらに対策が必要な分野があるのではないでしょうか。
 貧困・弱者への抜本的対策、津波から庶民の暮らしをまもる防波堤としての役割をどう果たすのか求めたいと思います。
 荒川区は「安全安心のまちづくり」をめざしていますが、住民の暮らしが経済的に安定していること。貧困にあえぐことがない社会の実現こそ犯罪のない地域社会が実現できるのです。
 統計数字をみますと、08年犯罪白書では高齢者の犯罪検挙が88年に比べ10年間で5倍に増えているのです。万引きなどの窃盗が大半で、その動機は生活困窮、経済不安が圧倒的です。
 都立高校の昨年度の授業料免除は全日制で11,5%・2分の1減額は1,8%となっています。区内及び近隣区の高校にお電話をしましたが、東京都全体と比較しますと減免を受けている世帯が多いようで、ある高校では3分の1が減免世帯、さらに3分の1は滞納督促世帯だと言います。私立高校授業料滞納が08年末は2,7%に上り、不況の深刻化に伴い07年末の3倍に膨らむという新聞報道もありました。
 荒川区の就学援助は2008年度から基準を生保の1,2倍に引き上げましたが小学校で3割・中学校4割近くになっています。
 住民税や国民年金、国保料、保育料など収納率アップや滞納整理ばかりに目をやるのではなく、データーを総合的に分析し、憲法25条の精神にもとづき、住民の暮らしをどう底上げしていくのか、基本計画実施計画の中に格差と貧困打開に着目した課題を位置づけることを求めます。
 一人親の生活の大変さを昨年の第二回定例会でも取り上げ、その対策を求めましたが。あしなが育英基金は緊急アンケート結果で「母親の収入減で進学を断念せざるを得ない子ども増えており、あきらめから絶望に変わる前に早急な対策が必要」としています。非正規の割合が昨年2月の調査から4,5%あがって6割になっていること。病気、病気がちでも働く親が24,5%から32,8%まで増えています。
 荒川区でもオーバーワークになっていないか。体の調子はどうか。子供だけで夜を過ごしていることはないか。子育てで困っていることはないか。子供の進学や就職はどうかなど母子父子ともに一人親家庭の実態調査を行い貧困の連鎖とならないように対策を検討することを求めます。
 区内では母子の生活保護受給者は現在155世帯です。生活保護の母子加算月額23000円が07年から減額され09年4月から完全廃止となってしまいます。定額給付金事務経費は825億円、母子加算は約200億円です。やっぱり税金の使い方が間違っていると思うのです。
 政府の打ち切りの理由は「一般の母子家庭より生活保護世帯の収入が多くなるケースがあるからだとしていますが、その一方で事実上の凍結となっていますが母子の児童扶養手当受給開始から5年過ぎると半額まで減額することを決めたのです。
 先般も、破れた運動靴、何とか新しく買ってあげようとしたら、「お母さん、大丈夫。片方がまだ切れていないから」と子どもに言われて本当に切なかったとの報道がありました。
 政府の母子加算廃止に強く抗議すること。減額前2006年度の母子加算決算額は3600万円です。独自加算を検討すること。お答えください。
 貧困問題の最後は東京都が昨年12月22日に出した「雇用状況悪化に対する福祉事務所の相談援助体制について」の通知の徹底です。失業者の路上生活化防止をうたい、単に稼働能力があることだけで生活保護の要否を判断せず、雇用状況悪化に機敏に対応し適切に生活保護を適用することとしています。今さら言うまでもありませんが、こうゆう時期だけに徹底して頂きたいと思います。お答えください。

〈答弁〉

【区長答弁】
 低所得者対策に重点的に取り組むべきとのご質問にお答えいたします。
 私は、区長就任以来、区民の幸福実現のために区政がどうあるべきかということを常に念頭に置きながら、区政運営を行ってまいりました。そうした中にあって、低所得者対策は、非常に重要なテーマであると考えております。
 区におきましては、これまでも、低所得者の自立支援はもとより、区独自に低所得者層に一層配慮した介護保険料の設定や就学援助の認定基準の緩和、更には非常勤職員の待遇改善など、区民生活を取り巻く環境の変化を機敏に捉え、対策を講じてまいりました。このほかにも、健康、子育て支援、教育等様々な分野における施策の充実や公共施設の整備等を通じて、区民の皆様の安心と潤いのある生活を支援してきたところであります。
 二期目におきましても、こうした基本的な考え方はいささかも変わらず、区民生活に密着している基礎自治体としての本分、すなわち、区民の安心の砦としての機能を十分に果たしていくよう、引き続き、区政の各分野において積極的に対策に取り組んでまいります。そして、このような取組を通じて、先の施政方針説明でも申し述べましたように、何らかの事情で歩みを止めた方がいれば優しく手をそっと差し伸べる、そんな温かい地域社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

【子育て支援部長答弁】
 ひとり親家庭に関するご質問にお答えいたします。
 近年、離婚件数の増加等に伴い、ひとり親家庭が増えつつあります。ひとり親家庭では、子育てと生計の担い手という役割をひとりで担うことが求められており、住居、就労、収入、子どもの養育など、生活全般にわたってさまざまな問題に直面することが想定されるところであります。
 区では、平成十九年度に、「子育て支援需要調査」を実施しましたが、そのなかで、ひとり親家庭の方々においては、就労や子どもの養育についてのご心配やご不安をお持ちであるという結果が出ております。
 ひとり親家庭の方々に対しまして、区においては、子育て支援部に専門相談員を配置し、ひとり親家庭に対する相談体制の充実に努めるとともに、高等技能訓練促進事業などの就業支援策、児童扶養手当や児童育成手当の支給、母子福祉資金の貸付などの経済的な支援等に取り組んでいるところであります。
 今後とも、ひとり親家庭の実態に即した、きめ細かな支援策を講じて参りますので、ご理解いただきますようお願い申しあげます。

【福祉部長答弁】
 生活保護費の母子加算についてのご質問にお答えいたします。
 母子加算については、配偶者が欠けた状態にある者が児童を養育することに伴う特別な需要に対応するために昭和二十四年に創設され、今日に至っております。
 しかし、国は、この間の経済状況の変化等から、全国消費実態調査等に基づき、生活保護を受けていない母子世帯の消費水準との比較検証を行い、その結果、母子加算を除いた生活扶助基準額は、生活保護を受けていない母子世帯の生活費と概ね均衡しているとのことから、一律・機械的な給付を二十年度までに段階的に廃止することとしたものでございます。
 一方、十九年度からは自立を促進する観点から、就労するひとり親世帯に対する就労促進費や教育訓練に対する給付を創設したところでございます。
 区といたしましては、今回の母子加算の見直しについては、自立して就労と子育てに取り組んでいる世帯との公平性を確保するという観点から実施されたものであり、区独自の加算制度を設ける必要はないものと考えております。

【福祉部長答弁】
 生活保護の要否の判断についてのご質問にお答えいたします。
 生活保護は、本人の持っている預貯金等の資産や、働く能力、他の法律・制度その他あらゆるものを活用してもなお、最低生活が維持できない者に対して適用されるものでございます。
 そして、生活保護制度の目的の一つである自立の助長ということから、保護受給者には、常に能力に応じて勤労に励むことなどの義務も課されております。
 しかしながら、区といたしましては、最近の雇用状況の悪化は憂慮すべきものであり、昨年十二月の東京都からの通知はそのようなことから出されたものと認識しております。
 求職活動に努めているにも拘わらず、就職に至らず生活困窮状態にある場合には保護を適用するなど、相談者の生活への不安な気持ちに十分配慮しつつ、生活の状況を把握し、単に稼働能力の有無のみで判断するのではなく、保護の要件を総合的に判断したうえで、適正な保護を実施しております。

《質問》

 次に高齢者の医療介護の負担軽減です。年金暮らしの皆さんの一番の心配は、入院、介護の費用です。「将来が心配、貯金をしておかなければ」と80,90のご高齢の方が仰るんです。後期高齢者医療制度の導入で滞納者の保険証取り上げも決められています。自治体としての負担軽減対策がどうしても必要です。
 無年金低年金で介護保険料が払えず未納者となっている方が65才以上で2千人近くになります。滞納があるとサービス利用にペナルティが課せられてしまいます。全額自己負や3割負担に引き上げられ高額介護サービス費の支給も受けられない給付制限があるのです。低所得者で保険料の支払いをあきらめ、いざ介護が必要となった時も重い負担でサービスが受けられない。これでは本当に大変です。繰り返し申し上げている生活保護基準以下の収入、介護保険第一、第二、第三段階の方々には思い切って介護保険料分を補助して滞納者をつくらない福祉制度をつくること。
 後期高齢者医療制度の導入で日の出町では75才以上医療無料の自治体独自の対策をたてました。せめて入院についての負担軽減を検討してください。差額ベットやタオルや寝間着のリース代など保険外負担も増えています。高齢者入院時負担軽減対策を実施すること。
 また、2005年の介護保険の見直しで通院介助が削られました。自費負担では1時間2000円、2500円。診察が終わるまで2時間かかれば5千円です。介護保険で出来なくなった通院介助に対する区としての上乗せサービスの検討をすること。お答えください。

〈答弁〉

【福祉部長答弁】
 低所得者への介護保険料負担軽減についてのご質問にお答えいたします。
 区では、現在、基準額の四分の三を負担していただく第三段階の中で、収入が百二十万円以下かつ貯蓄が六十万円以下の方について、介護保険料を基準額の二分の一にする、という軽減策を講じております。
 また、昨今の経済状況等を踏まえ、来年度からの第四期保険料設定においては、低所得の方の基準額に対する割合をO・四五に引き下げる提案をさせていただいているところでございます。
 介護保険制度は、すべての国民が互いに支えあうことを理念とし、その能力に応じた負担をしていただくことが基本となっている制度でございます。また、一般財源を繰り入れての減免は適当でないとされており、現金支給も同様です。
 所得の低い方であっても、軽減策等を講じた上で、一定のご負担をいただくことが必要であると認識しております。

【福祉部長答弁】
 高齢者の入院時の負担軽減対策についてのご質問にお答えいたします。
 ご質問の高齢者の入院時における負担軽減対策につきましては、千代田区において、七十五歳以上の高齢者を対象に、入院時の保険外費用を助成する事業を実施していると聞いております。
 対象となる費用としては、文書料、テレビ使用料、洗濯代、パジャマ、紙おむつ等入院中に必要なものとされています。
 しかしながら、こうした費用は、在宅の高齢者の方も負担しているものであり、費用の助成については在宅の方と入院している方との公平感を考慮し、慎重に検討する必要があるものと認識しております。

【福祉部長答弁】
 介護保険対象外のサービスを区独自に行うことについてのご質問にお答えいたします。  介護保険制度は皆で支えあうものであり、国、都、区の公費と、全国の四十歳以上の方の保険料を財源として賄われており、一定の基準をもって、適性なサービスが提供されることが重要であります。そのため、サービス提供につきましては、随時、国の指導・解釈が示されております。
 区におきましては、制度の趣旨を踏まえ、個々のサービス利用について、個別具体的状況を確認しながら、介護上の必要性を明確にして行うよう、サービス事業者に指導しております。事業者が判断に迷う際の相談についても、きめ細かな対応に努めております。
 こうした取組を通じて、介護上真に必要なサービスは介護保険において提供されていると認識しております。

《質問》

 最後に、小学校英語科、荒川区学力テスト、学校選択の自由化について見直しに着手する考えはないのか改めて伺います。
 藤沢元区長が日本一路線で推し進めたあらかわ遊園電子マネーやテレビ電話、設置の経過に疑問が持たれた自動販売機などこのたび見直し廃止がされるとの報告がありましたが、教育分野で「構造改革」路線にのって上から推し進めたのが小学校英語科導入などです。
 荒川区小学校英語か指導指針で「日暮里地区再開発が完了し成田新高速鉄道開業する平成22年までに小学校卒業時に道を聞かれても英語で答えられる。英語で自己紹介出来る。中学卒業時には全生徒が英語検定を取得し、20%は英検準2級を取得」することを事業目標に掲げて始まりました。再開発や鉄道の開通を理由に教育目標を決めることが義務教育・公教育の場に持ち込まれて良いのでしょうか。英会話を親しむ機会を増やすことと資格や経験もない小学校教諭に教科として課程を組み成績をつけるのとでは本質的な違いがあります。外国人指導員も毎年変わり、一台8万円もするバーコードリピーターも用意しましたが、この5年間の結果はどうなっているでしょうか。
 小学校から英語嫌いの子どもが増えていないでしょうか。新年度はさらに中学三年生全員に英検を義務づけました。今度は英検の合格者を増やすための学習にならないでしょうか。2011年度実施の学習指導要領に5,6年生の「英語活動」が導入された中で一年生からの英語が子どもの教育としてどうだったか、荒川の実践と結果の検証が必要です。
 学力テストについて、東京都は今年度で廃止することになりました。その理由について都教委は「学習状況の把握が計画通り進んだ」と言うことです。都の学力テストで点数を上げるために不正事件まで起きました。過去問題を繰り返す、冬休みは学テ用プリント宿題漬け、その弊害が告発されていますが、荒川区も似たようなことがあるのではないでしょうか。荒川区も学習状況は充分つかめたのではありませんか。
 学力テストとあわせて実施した学校選択の自由化について、昨年、都教組東部ブロックが学校選択について独自のアンケートを行っています。回答をみますと学校運営にもかかわっているPTA役員の率直なご意見が出されています。町会などからも地域としての学校のあり方に意見が出されています。親の選択の希望は尊重しながらも地域の学校をみんなで守る立場が今改めて求められます。江東区のように、小学校については自由化の見直しが必要ではないでしょうか。
 学力調査結果を公表し学校間競争を促し、選んでもらうために労力を使う。目の前に一一人一人の子どもに寄り添って、困難ケースにもしっかり対応する余裕もなく本来の公立学校の果たす役割も見失っているように思います。
 改めて、保護者も現場で携わっている教員も入れて総合的な検証を行うことを求めます。  お答えください。

〈答弁〉

【教育委員会事務局次長答弁】
 小学校英語教育に関するご質問にお答えします。
 本区では、構造改革特区域の認定を受け、平成十六年度より全小学校、全学年で週一回の英語教育を行っております。
 この小学校英語教育に関しましては、この度の学習指導要領の改訂により、来年度から小学校五・六年生で週一回の英語活動の実施が可能になるなど、全国的に充実する方向で動いております。
 こうした状況を踏まえ、本区の英語教育の今後の在り方について、小中学校の校長会と協力し、今年度は、英語教育を継続実施することに関わる教育課程上の課題について検討してまいりました。さらに、来年度は「英語教育検討委員会」を開催し、本区の小中一貫英語教育の一層の充実のための検討も行う予定でございます。
 区といたしましては今後とも小学校英語教育を充実してまいる所存でございますので、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
 続いて、「学力向上のための調査」についてお答えします。
 本区独自の「学力向上のための調査」は平成十四年度から実施しており、今年度で七回目になります。本調査は、区立の小学校一年生から中学校三年生までの全児童・生徒を対象とする、基礎的な学力と発展的な学力の学習到達度調査と、学習意識の調査から成り立っております。
 本調査の在り方につきましては、六回目を迎えた昨年度に「『学力向上のための調査』検討委員会」を設置し、一年間にわたり、検討してまいりました。その結果、本調査は、各学校での指導の充実・改善に有効であり、引き続き実施することが必要であるとの提言を受け、今年度の実施に至っております。
 教育委員会といたしましては、全ての子供達に確かな学力を確実に身に付けさせていくことが学校教育の責務であり、今後とも地域や保護者の方々のご理解とご協力を得て、「学力向上のための調査」を実施していくことが重要であると考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。
 続いて、学校選択制の見直しについてのご質問にお答えいたします。
 平成十四年度より実施しております学校選択制度は、児童や生徒が自分に適した学校を選択することで、意欲を持って学習活動や学校行事に取り組み、自らの能力を伸ばすとともに、学校においても、それぞれの魅力や特色ある学校づくりの取り組みの活性化に寄与していると考えております。
 また、選択制開始時より実施しております保護者アンケートにおきましても、これまで約六割から七割が実施について賛成と回答いただいております。
 今後も、更に多くの方々のご賛同がいただけるよう、制度の充実・改善に努めてまいりますので、ご理解のほど、宜しくお願いいたします。


【小島和男区議】

  1. 子育て環境を守る対策について
    1. 1保育園の直接契約方式など公的責任を切り崩す制度改悪に反対し、認可保育園の増設計画を国に求めること。
    2. 日暮里・南千住地域の新年度、保育園入園できない乳幼児が予想されるが、年齢別の現状と緊急対策を明らかにすること。
    3. とくに、南千住東部地域の対策は、待ったなしであり、区として用地・建物を確保し、保育を実施すること。認証保育園を誘致する場合には適切な事業者を選定すること。
    4. 旧南千住幼稚園については、こども施設としての活用を早急に明らかにすること。
    5. 西日暮里2丁目学童クラブは、定員増が見込まれるなか、一人当たり面積が少なく、学校の施設利用も十分できない点などから必要な施設整備を検討すること。
    6. 学童クラブとニコニコスクールについては、それぞれ目的にあった事業運営を行い、どちらかに吸収するようなことはしないこと。
  2. 障害者対策について
    1. 障害者自立支援法の廃止を国に求めること。また区として障害者福祉サービス応益負担をなくすこと。
    2. 精神障害者地域生活支援センターを日暮里地域、南千住地域に急いで増設すること。
    3. 障害者施設と在宅サービスに関わる労働条件改善のための財政的支援を行うこと。
    4. 社会福祉協議会の行っている障害者就労支援センターへの財政的支援を強化して、パソコンなど技能向上の場と精神的支援などの研修を行えるようにすること。また障害者雇用を守るために区として、障害者の従業員を解雇しないよう求めること。
  3. 日暮里・三河島・西日暮里駅前開発の検証と見直しについて
    1. 三河島北地区、西日暮里駅前地区などは、従来型の大規模、超高層ビル開発を見直しすること。
    2. 日暮里駅から街なかに移動する歩行者動線を検討し直し、バリアフリー化と案内の強化を行うこと。合わせて、区として地域経済活性化を踏まえ、JR日暮里駅構内のコーンコース拡張計画の独走に歯止めを掛けること。
    3. 自転車利用の促進と放置自転車ゼロの街を目指し、日暮里駅前自転車地下駐輪場利用促進のために利用料ゼロの実験事業を行うこと。

《質問》

 私は、日本共産党区議団として3項目の質問を行います。
 まず子育て環境の充実についてであります。
 児童福祉法第24条で、乳幼児が保育に欠ける場合は、自治体に保育所入所の措置を講じることとしています。入所・運営については、自治体が責任を持ち、保育料は、保護者の収入に応じて、区市町村が徴収、施設面積や職員数などは、国の最低基準によって一定の水準が保証されています。
 しかし、構造改革の名の下で、政府は、区市町村の関与を限定し、介護保険の介護認定と同様に保育を必要とするか、どうかの認定に限り、保育は保育所と保護者の直接契約とし、保育料も保育サービスの時間や内容によって事業者が決めることになり、地域の保育内容の格差や園ごとの格差も生じることになります。介護保険制度や障害者自立支援法と同様に国の責任を後退させ営利企業の参入や応益負担導入など市場原理を導入することに関係者団体や社会福祉法人などから危惧の声があがっています。
 小泉構造改革以来、待機児ゼロなどといってきましたが、実際に行われたことは、保育園増設ではなく、入所定員の緩和、認証保育所など本来は基準を満たさない認可外保育園を拡大してきたのであります。このような政府の保育政策は、少子化対策にも逆行し、次代の宝・こどもたちを粗末に安上がりに扱うもので社会の安定や未来もこわすものです。
 そこで、第一に、保育園の直接契約方式など公的責任を切り崩す制度改悪に反対し、保育園増設など国予算の増額を要求することを求めます。見解を伺います。
 区内のマンションの増加にともなうファミリー層の転入は、街に活気をもたらすととも当然ながら保育需要を高めています。ところが、施設整備が需要に追いついてないことは深刻です。新年度入園希望者が、第一次希望で、ゼロ才、1才、2才で受け入れ枠を超過しており、地域的に見ると、南千住地域と日暮里地域の超過は深刻です。いよいよ内定の時期を迎えて、担当部署も必至の対応をしていると思います。とくに、1才児では、両親とも常勤・外勤で指数が20の方でさえ、20人以上が行き場を失っているようです。指数が若干低い方では、さらに多数に方が保育園に入れない事態ではないでしょうか。育休が終了し4月入所が出来なければ仕事に復帰できない、このような雇用不安の情勢で職を失うことにつながる事態なのです。また、住宅ローンを抱え、パートから正規職に求職中のかたも、指数が低いと入所ができずに悪循環に陥っています。とくに南千住地域の保育園問題では、4年前の予算特別委員会でも、わが党の質問に対して「役人の答弁ではない、対応をする」と区長も決意を語られました。区は、保育ママか認証園にお願いして対処するつもりでしょうが、実際には、入りきれないのではないか、また、入れたとしても負担が重くなります。せっかく、荒川区を選択して定住しようとしている、ファミリー世帯に失望を与えるだけでなく、生活の根底を脅かすことはあってはなりません。待機児を生まない対策をきっちり行うことが必要です。負担軽減も含め検討を求めます。
 そこで第二に日暮里・南千住地域の新年度、保育園に入園できない乳幼児の現状を年齢別に明らかにし、その緊急対策を示すことを求めます。合わせて、第三に、南千住東部地域の対策はまったなしであり、区として用地・建物を確保し保育を実施すること。認証園を誘致する場合は、適切な事業者を選定することを求めます。
 第4に、移転が予定されている道路工事区が使用している旧南千住幼稚園施設で区立幼稚園を復活させることを基本に、必要な子ども施設としての活用について早急に明らかにすることを求めます。
 次に学童クラブについてであります。学童クラブを条例で位置づけた最初の年である11年前には、学童クラブは、16クラブ、571名でしたが、新年度の申込みは、24クラブ、1265名の定員に対して1432名の応募となっており、3倍近くに広がっています。厳しい経済情況のなかで、保育園同様に若い世代のなかで共稼ぎ家庭も増大しており、保護者の就労と子どもの安全・成長を保障するために、その役割はますます重要になっています。
 学童クラブの需要増に対して、定員増で対応、大規模学童クラブが多くなっており、その改善が強く求められています。私の地域にある西日暮里2丁目学童クラブは、新年度の申込みは60名です。
 西日暮里二丁目学童クラブのこれまでの変遷をたどると、もともと現ひぐらし小学校の隣に、独立した児童館の中にありました。ところが学校統廃合の際に、ひぐらし小学校の校庭拡張を理由に、児童館を取り壊し小学校校舎のなかに「西日暮里二丁目ひろば館」として取り込んだのであり、学童クラブ専用室は6畳程度で、ひろば館そのものも狭い事もあり、学校の体育館や校庭も活動に利用してきました。しかしマンション増加等で学校の児童数も学童クラブ申込み児童も増え、9年も前から道路を挟んだ日暮里ひろば館に、分室として学童クラブ室を増設し、同時にレクホールも午後の時間帯は一般貸付を行わず学童クラブ利用に限定して、子ども一人の最低基準専用面積を確保し対応してきました。
 西日暮里二丁目学童クラブの所在地となっている学校内ひろば館のもともとの学童クラブ専用室は子どもの人数が少ない土曜日のみの使用となっています。
 土曜日だけしか利用していないクラブ室、日暮里ひろば館レクホールのグランドピアノ設置部分を除けば、一人1,65m2の最低基準専用面積ギリギリとなっているのではないでしょうか。また、遊び・活動の場の確保も土曜スクールの開催や体育館の一般利用の増大など学校環境の変化の中でなかなか大変なようです。申込み児童の増加にともなう西日暮里2丁目学童クラブの必要な施設整備を検討するよう求めます。
 次に、学童クラブ実施校では初めて、放課後全児童対策である放課後子どもプラン「にこにこスクール」を実施することについてであります。私たちは、学童クラブも放課後こどもプランも、どちらも大事な事業だと考えています。同一の敷地内で展開するのですから、合同行事・合同活動など学童クラブとにこにこスクール、学校との連携が行われるのは当然、必要になります。
 しかし先行する自治体では、学童クラブを廃止し子どもプランに吸収一体化が起きていること。学童クラブと全ての児童の安全な遊び場づくりの両方が必要とされているのに統合することで両方の役割・機能が充分果たせなくなっている事態が起きていることを危惧するものであります。
 区は、今後、拡大するにあたってのモデル事業と位置づけていますが、保育に欠ける留守家庭の子どもための「学童クラブ」と対象を絞らない「にこにこスクール」とは根本的違いがあることを押さえた課題の整理、検証が必要です。
 学童クラブは遊びの場の提供だけでなく家庭に代わる「生活の場」としての機能が重要な事業です。今回の5峡小は学童もにこにこスクールも同じ法人に運営委託することになっていますから、とりわけ区別をはっきりさせること。それぞれ目的にあった事業運営を行い、どちらかに吸収するようなことはしないこと。区の見解を伺います。

〈答弁〉

【区長答弁】
 子育て環境を守る対策についてのご質問にお答えいたします。
 現在、わが国は少子化の流れのなかにあります。こうした傾向が続くと、人口減少は加速度的に進行し、わが国の総人口は今世紀半ばには一億人を割り込み、二一〇〇年には現在の半分以下になるとの推計もあります。急速な人口減少と少子高齢化の進行は、経済や産業、社会保障の問題にとどまらず、国や社会そのものの存立基盤に係わる重大な問題であるとの思いを強くしているところであります。
 このため、私は、安心して子どもを生み育てられる環境を守ることこそ、住民に身近な政府である、地方自治体の重要な役割であると考え、区長就任以来、子育て支援施策の充実を区政の最重要課題と位置づけ、すべての子育て家庭を支援することを基本に子どもたちが生き生きと健やかに育つことのできる環境整備に努めて参りました。
 具体的には、子ども医療費助成対象年齢の引き上げ、公立幼稚園全園における三歳児保育の実施、平日準夜間小児初期救急医療センターの開設、放課後子どもプランの実施、あらかわキッズコール二十四の開設等の施策を実施したほか、保育の分野におきましても、既存保育園の定員拡大、汐入こども園の開設、病後児保育の実施、年末保育の実施、認証保育園への支援の拡大、第三子以降の保育料無料化など、子育て世代の方々の要望に即した先進的な取り組みを実施して参りました。
 この結果、今般、日本経済新聞社による行政サービス調査におきまして、子育て環境分野が全国第二位となったことは、荒川区における子育て支援サービスの水準の高さが客観的に評価されたものと考えているところであります。
 さらに、急激な保育需要増に対応するため、南千住保育園の移転・改築、東日暮里地域における新たな保育園の基本設計に着手するとともに、良質な認証保育所を誘致するための区独自の基準の策定や、区施設を活用したさらなる子育て施設の整備についても現在、鋭意検討を進めております。
 私は、今後とも、未来社会の守護者である子どもたちが、明るく健やかに成長できるよう、子育て環境の整備充実により一層努めて参ります。

【子育て支援部長答弁】
 まず初めに、保育園の直接契約方式に関するご質問にお答えします。
 保育園の直接契約方式については、保護者が就労形態に応じて最も利用しやすい保育所を選べるほか、それぞれの保育所が特色を生かしながらサービスの向上に努めることで保育の質の向上につながると見込まれることから、現在厚生労働省において導入に向けた検討が進められているものです。制度の詳細や導入時期については未だ決定されるに至っておりませんが、区といたしましては、国の動向を見極めつつ、必要に応じて国に要望を行うとともに、今後とも責任を持って保育行政の充実に努めて参りたいと考えております。
 続きまして、日暮里・南千住地域における保育園の入園申し込み等についてのご質問にお答えします。
 保育園の入園申請につきましては、零歳から二歳の低年齢児を中心に、日暮里・南千住地域、とりわけ南千住東部地域において、再開発に伴うファミリー世帯の転入増により申請数が年々増加しており、平成二十一年度におきましては一歳児を中心に定員を超える状況となっております。
 区では、こうした状況を踏まえ、これまで既設保育園の定員枠の拡大や汐入子ども園の開設、保育ママの増員など保育サービスの充実に努めて参ったところです。
 更に、保育施設の建設として、南千住保育園の建て替えや(仮称)第三日暮里保育園の新設など、保育供給量の拡大に向けて現在着実に取り組みを進めているところです。
 また、待機児解消策として有効な認証保育所の誘致につきましても、良質な保育水準を確保するため、東京都の認証基準に加えて区独自の推薦基準を設けるなど、質の高い適切な業者を選定するよう努めて参りたいと考えております。

【子育て支援部長答弁】
 大規模マンションの開発などに伴い、南千住地区の子育て家庭は、今後ますます増大していくことが予想されております。これに伴い、多種多様な保育サービスの提供や幼児教育に対する環境整備が喫緊の課題となっているところであります。
 区においては、未来を担うこどもたちが健やかに成長できるよう、保育ニーズに的確に応えていくとともに、良好な幼児教育の環境を創出していくことは、区政運営上、重要な課題と認識しております。
 このため、区といたしましては、南千住地域における子育て家庭のさまざまなニーズに対応できるよう、総合的な観点から対策を講じていきたいと考えており、旧南千住幼稚園の活用も検討対象のひとつとして、今後、十分検討して参る所存であります。

【子育て支援部長答弁】
 西日暮里二丁目学童クラブに関するご質問にお答えいたします。
 学童クラブの利用希望者につきましては、女性の就労形態の変化などにより児童数の伸びを上回る増加となっており、平成二十一年度の西日暮里二丁目学童クラブの利用希望者も定員を上回る状況になっております。
 一方、区におきましては、これまでも子育て支援の観点から、学童クラブの利用が必要と認められる児童については全て受け入れ、待機児を出さないよう対応してまいったところです。
 このため平成二十一年度におきましても、学童クラブで保育することが必要な児童については全てご利用いただけるよう調整しており、西日暮里二丁目学童クラブにおきましても、現クラブ室の改修等を検討しております。また、ひぐらし小学校の校庭や体育館の利用について、今まで以上に利用の工夫ができないか学校と協議しているところです。
 区といたしましては、今後とも、子どもたちが安心して安全な環境のもとで放課後を過ごせるよう、関係機関と連携をとりながら学童クラブ事業の充実に努めてまいりますのでご理解をよろしくお願いいたします。

【子育て支援部長答弁】
 学童クラブと放課後子どもプランに関するご質問にお答えいたします。
 学童クラブは、保護者の就労、疾病等の理由により昼間家庭において適切な保護を受けることができない小学校低学年の児童に対し、遊びと生活の場を提供することにより、その健全な育成を図る事業であり、一方、放課後子どもプランは、保護者の就労等に関係なく放課後を安心・安全に過ごしていただくことを目的に平成十九年度から開始した事業です。
 両事業につきましては、対象となる児童の状況は異なりますが、安全な環境の下で児童を保護するという点では共通しており、今後区として放課後子どもプラン事業の全校実施を図るうえで両事業の調整が必要であるものと認識しております。
 区といたしましては、来年度から学童クラブと放課後子どもプランを同時に実施する予定の第五峡田小学校において、それぞれの事業について効果と課題を詳細に検証し、児童の放課後対策のあり方についてよりよい方向性を見出してまいりたいと考えております。ご理解のほどお願いいたします。

《質問》

 第二に、障害者対策の強化についてであります。
 障害者自立支援法は、障害者の権利保障推進の立場から考えたものではなく、社会保障費削減を目的にした構造改革路線にもとづくもので障害者・家族の負担を増やし、事業所報酬を削減してきました。これに対して、障害者団体の運動や自治体の軽減対策の広がりのなかで、与党プロジェクトチームは、利用者負担について「能力に応じた負担」にするとして定率一割負担を定めている「法第29条について見直す」との基本方針を打ち出し、3月上旬に改正案を国会に上程する予定です。しかし、これまでの二度の改善措置の現行負担水準は継続するとも述べおり、呼び方を「応益負担」から「応能負担」に変えるだけでは根本問題は解決しないのであります。
 与党が「応能負担にする」と明言せざるを得なくなったこと。しかも「介護保険への統合」の断念も事実上表明したことは自立支援法そのものの必要性が崩れたことに他なりません。
 障害者の暮らしと権利を守る新しい法制度の制定が急務であり、自立支援法は国に廃止するよう求めること。区長の見解をお伺いします。
 荒川区など自治体の先進的な取り組みが、政府を動かしてきたことは明らかです。滋賀県東近江市や長野県大町市では働く場所である通所施設の利用者負担を無料にしました。本当の意味の応能負担に、人間として生きていく上で最低限必要な支援に自己負担を求めない立場に政府を変えさせるためにも、障害者の願いをいち早く聞き取り、法施行当初から3%軽減に取り組んだ荒川区として、新年度利用料ゼロを決断することを求めます。見解をお伺いします。
 第2期の区の障害者プランに、精神障害者地域生活支援センターについて日暮里・南千住に設置を検討することが明記されました。しかし、精神障害者の方が多くなっているなかで、設置の検討に止まっているのは対応が遅いと言わざるを得ません。現在のアゼリアは東尾久地域にあり、南千住や日暮里地域からは交通の便が悪く利用しにくいといった声は以前から多く出されていたものであり、検討に止まらず、精神障害者地域生活支援センターを急いで増設するための手立てを講じるべきだと考えます。区の見解をお伺いします。
 障害者自立支援法での障害者の通所施設と障害者へのヘルパー派遣は、報酬単価が低く、働く方々は、低賃金、重労働になっていることが介護事業所へのアンケートでも明らかになっています。障害者施設と在宅サービスに関わる労働条件改善のための財政的支援を行うべきと考えます。区の見解をお伺いします。
 アメリカ発の金融不安は、日本経済を直撃し、区内企業でも人員削減、倒産・廃業などが広がり、企業で働く障害者の方々からも自分たちが解雇されるのではないかとの不安が強まっています。5年前に立ち上がった社会福祉協議会の障害者就労支援センターの障害者の就労支援で、134名の新規の就労の場を確保しました。障害者雇用について企業の理解は進んでいますが、職場の人間関係などもありますが、就労しても障害者の家庭内のもめごとなどで居場所がなくなるなど生活上の不安などで離職するケースが多くなっているようであります。区としての財政的支援を強化して、パソコンなど技能向上の場と精神的支援などの研修を行えるようにすること。また障害者雇用を守るために区として、障害者の従業員を解雇しないよう企業に働きかけること。区の見解をお伺いします。

〈答弁〉

【福祉部長答弁】
 障害者自立支援法に関するご質問にお答えいたします。
 障害者自立支援法につきましては、施行後三年を目途として検討を加え必要な措置を講じるとされ、現在、社会保障審議会障害者部会において検討がなされております。
 一方、区では、障害者自立支援法の施行の当初から、障害福祉サービス利用時の負担軽減並びに通所サービス利用時における食事代の負担軽減など、全国の自治体に先駆けて荒川区独自の激変緩和策を実施してまいりました。
 そのような区の取組みが国の施策の方向にも影響を与え、国においては二度にわたる利用者負担の見直しがされたところですが、現在も区の軽減策は国の軽減策を上回っており、来年度以降も引き続き実施してまいる所存でございます。
 区といたしましては、国の見直しの動向を注視しつつ、今後とも障がい者一人ひとりの状況に応じたきめの細やかな対応を図ってまいりたいと考えてございます。

【福祉部長答弁】
 次に、精神障害者地域生活支援センターについてのご質問にお答えいたします。
 荒川区におきましては、精神障がい者の数は年々増加しており、精神障害者地域生活支援センターアゼリアにおきましても、プログラムや相談等の利用者数が年々増え、精神障がい者の自立支援に向けて、必要不可欠な施設となっているところでございます。
 一方、アゼリアの利用を希望している方々や、精神障がい者の家族会から、南千住や日暮里からは通所が困難であるため、身近な場所に設置して欲しいというご意見をいただいているところでございます。
 区といたしましては、新たな支援センターの整備につきまして、第二期障害福祉計画の中に位置付け、その実現に向けて、取り組んでまいる所存でございます。

【福祉部長答弁】
 次に、障がい者施設と在宅サービスに関わる労働条件改善等のご質問にお答えいたします。
 区では、第二期障害福祉計画策定にあたり、昨年六月に介護事業者アンケートを実施したところでございます。その中で介護従事者の現状に関する質問につきましては、「不足している」との回答が約六割を占めました。そして、不足している理由については、全ての事業者が「低賃金」と答えております。
 一方、国におきましては、障がい者福祉の現場における処遇改善が急務となっていることから、今年四月から障害者自立支援法に基づきサービスを提供する事業者への報酬を五・一%引き上げることとしたところでございます。
 区といたしましても、障がいのある方が地域で安心して暮らしていくためには、サービスを担う介護人材の確保と育成が重要であると認識しております。
 今後、国の介護報酬見直しによる影響を注視していくとともに、利用者が安心してサービスの提供を受けることができるよう、介護従事者の研修等に積極的に取り組んでまいります。

【区長答弁】
 次に、障がい者の就労に対する支援についてのご質問にお答えいたします。
 私は、障がい者がその能力や適性を十分に発揮しながら、地域の中で自立した生活をしていくためには、就労の場を確保していくことが極めて重要であると考えております。
 このため、障がい者の就職相談や就労に関わる生活相談を実施するため、区が荒川区社会福祉協議会に委託し、障害者就労支援センターを開設しております。センターにおきましては、相談業務のみならず、企業等での就労訓練や職場への定着支援も実施しております。
 今後、さらに就労訓練を充実するために、荒川区社会福祉協議会と協議し、パソコン等の技能習得に向けての訓練について検討してまいります。
 また、私は先日、ハローワーク足立の所長とともに区内の企業を回り、障がい者も含め、新規雇用の創出及び雇用継続について強く要請を行ってきたところでございます。その際、アデカの櫻井社長から「皆で一杯のかゆを薄めてでも、雇用を守らなければならない」、井関農機の蒲生社長からは「荒川区民を地方の営業現場で雇用します」との話があり、大変感銘を受けました。また、京成バスの小田社長からは「京成バスのドライバーとして荒川区民を十名雇用します」との話があったことを、議会の皆様にも報告させていただきます。
 今後とも、障がいのある人もない人も、共に働き、共に生き、障がい者が地域社会の構成員として働いているという充足感を得られる社会を目指して、障害者の就労や雇用の促進に全力で取り組んでまいります。

《質問》

 最後に日暮里・三河島・西日暮里駅前開発の検証と見直しについてお伺いします。
 これまで成田駅から36分、首都東京の玄関口になる日暮里駅とひぐらし再開発を中心に交通結節点として「ウエルカムタウン・ニッポリ」をめざすとしてきました。区の出した文書では、「日暮里自体の活性化と新たな刺激によって地区の産業やコミュニテイーなどが培ってきた歴史の上に新しい可能性をつかむことになる。」と唱い、「日暮里駅前再開発を東京東部のリーデングプロジェクトで、山手線にランドマークが出現」とも書かれ、絵をみると広場に人が溢れています。ひぐらし中央地区、西地区が完成し、さらに北地区、京成の三層化工事やJRのバリアフリー化もまだ続く中で立ち止まって必要な検討を加えることが大切です。
 私は生まれ育った日暮里地域がさらに歴史と新たなにぎわいにあふれる街になることを期待しています。さまざまに、姿を変えてきた日暮里駅とまちですが、地元の利便性がよくなり、他の街から来る人、通り過ぎている人たちにとっても、降りたくなる駅、訪れてみたくなる街に変化したのでしょうか。あるいは、静かな町並みを守るべきだったのか、今、何が必要か住民の声も聞いて改めて知恵を集めてみる時ではないでしょうか。
 中央地区など5000万円台のマンションは完売したようですが、商業、業務床は、深刻です。西地区の三階の店舗の一角で「1月店舗閉鎖」のお知らせの紙が貼ってあったり、2階の角の店舗も空いたままのようです。中央再開発の9階の事務所の知り合いのオーナーに聞くと、16区画で埋まっているのは6か所、なかなか事務所の借り手が見つからないといいます。商業床が整備されて消費者の利便性が向上したのか、業務床の整備で業務の利便性や雇用の拡大につながったのか、住宅床が増えて、地域の商業振興に少しでも役だったのか、整備した公園や道路、ひろばが、利便性や快適さを増して、人が集まり、にぎわっているのか、再開発、JR改修や京成駅総合改善事業など数百億にのぼる多額の税金を投入しているだけにその視点をしっかりもつ必要があります。
 当初から2003年問題などとして、オフィス床の過剰やマンション建設の先行き不安も言われてきました。
 実際、区内でも4月入居予定の南千住8丁目ベリスタマンション262戸では、価格を500万円以上も値引きして、完売を狙っています。南千住3丁目の300戸のマンションも3月入居ですが、まだ2・3割売れ残っているようです。
 三河島南地区はこれまで同様の超高層ビル開発が想定されていますが、景気の動向含め住宅・業務・商業とも一工夫も二工夫もないと先が見通せないのではないでしょうか、  これからの旧真土小を大きな種地にした北地区や、旧道灌山中を種地にした西日暮里駅周辺の再開発案が出されていますが、それぞれ、従来型の大規模、超高層ビル開発に安易に走ることは、見直すべきだと思います。特に、それぞれ、区が地権者として所有する土地を権利床に変換するわけですから、どのような行政需要がそこにあるのか、区民の納得も必要ではないかと思います。十分な議論と検討が必要です。見解をお伺いします。
 具体的な問題ですが、京成・JR・舎人ライナーから地上にどうでられるのか、案内が不十分で良く分からない。改善をしてほしいとの声も寄せられています。駅から地域にたどり着くための歩行者の動線を検討すること。西口のエスカレーター、北口の障害者用のスロープ、南口の区道の階段のエスカレーターなど懸案のバリアフリー化とともに案内の強化に最大限の対策を求めます。積極的な答弁をお願いします。
 JR東日本が、日暮里駅構内のコーンコースを南口に向けて3000m2程度広げる計画があると台東区に説明したそうです。その後、JRはに広げた床を店舗にするのではないかとの噂も耳にしています。この話が事実だとすると日暮里駅前の再開発のテナントだけでなく区の周辺商店街に重大な影響が予想されますし、街そのものにも無視できないことであります。JRは、駅中で何でもありの事業を展開し、新規事業への参入もすすめています、国民の足であるJRが自社の利益のみに独走することは、許せません、JRに歯止めをかける必要があります。日暮里地域の活性化を踏まえて、区としてしっかりした対応を求めます。見解をお伺いします。
 日暮里駅前地下駐輪場が設置され1年近く経過し周辺は放置自転車も減少したようです。しかし、駅から離れたところでは、自転車が増えたり、従来日暮里駅前の登録自転車の利用者が、高い定期利用料を避けて西日暮里駅の登録駐輪場に流れているようなケースもあるようです。
 地下自転車駐車場は、定期利用は1日450台と1200台収容できる駐輪場の3分の2が空いています。2時間の一時利用を無料化して喜ばれていますが、利用者は一日5〜60台でまだまだ、置き場に余裕があります。
 環境にやさしい自転車の利用を増やすこと、同時にさらに放置自転車ゼロを目指して、日暮里駅駐輪場の利用拡大策を検討してはどうでしょうか。
 放置自転車ゼロを日暮里駅周辺で実現させるために利用料金「無料化」を実験的に実施してみてはどうでしょうか。必要な駐輪場の設置と利用しやすい仕組みづくりが望まれています。区の見解をお伺いします。
 以上で一回目の質問を終わります

〈答弁〉

【都市整備部長答弁】
 三河島駅前北地区、西日暮里駅前地区の再開発についてのご質問についてお答えします。  市街地再開発事業は、木造住宅等が密集し、防災機能が低下した市街地において、不燃化した再開発ビルを建設すると共に、広場、街路などの公共施設を確保することによって、安全な都市環境を再生させるもので、区の街づくりにとって必要な事業であると認識しております。
 特に街の顔であり、地域の活性化の拠点となる駅前再開発事業におきましては、オープンスペースを確保し、駅前にふさわしいまちづくりを進めていくためにも、土地の高度利用を図ることが必要であると考えております。

【都市整備担当部長答弁】
 日暮里駅に関するご質問にお答えいたします。
 はじめに、歩行者に配慮したバリアフリー化につきましては、来年度から(通称)バリアフリー新法に基づく区全体の基本構想の策定を予定しており、その後の日暮里駅周辺地区の基本構想を見直す中で、検討してまいりたいと考えております。
 次に、駅構内コンコース拡張計画についてでございますが、JR東日本から区に正式に協議があった場合には、関連部署や隣接する台東区とも連携を図りながら、駅中だけでなく駅周辺地域にも貢献できるよう要請してまいります。

【土木担当部長答弁】
 日暮里駅前自転車駐車場の利用促進のため、利用料ゼロの実験事業を行うことにつきまして、お答えいたします。
 昨年四月、日暮里駅前自転車駐車場の開設に伴い、歩道上にある自転車置場をすべて廃止し、駐輪場利用の啓発・誘導、そして、放置自転車の撤去を徹底して実施した結果、駅前の景観が改善され、地元を始め、区外の方々からも良い評価をいただいております。今後とも、日暮里駅前の良好な景観を継続していくため、全力で対応してまいります。
 日暮里駅前自転車駐車場の利用促進のため、ご提案の利用料ゼロの実験事業を現状において実施することは、受益者負担・公平性の確保などの課題があり、難しいと考えておりますが、利用率を向上させるというご提案の趣旨をふまえ、今後とも、駐輪場の利用者拡大に向け、指定管理者と十分協議してまいります。

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2009年第2回定例会

2009年 第1回第3回第4回



【安部キヨ子区議】

  1. 高齢者の医療・介護・福祉の改善について
    1. 東京都や国の高齢者医療費無料化が廃止され、65歳からの3割・70歳2割・75歳1割の負担は重すぎる。窓口負担の軽減を国・東京都に求めること。また、区独自で75歳以上の医療費無料化を検討すること。
    2. 23区で一番高くなった介護保険料の負担軽減をおこなうこと。
    3. 介護保険の新認定方式の見直しを政府に求めるとともに、区として実態に即した認定をおこなうこと。
    4. 介護職場の待遇改善のために区立特養補助の増額と他の事業者への人件費補助も検討すること。
    5. 基幹型包括支援センターを設置し、区としての相談体制の強化と実態把握、予防プラン作成等に関わること。
    6. 介護認定や年齢に関わらず必要な方に紙おむつ支給をおこなうこと。
    7. 低年金者・生活保護者でも入居・利用できる多様な施設の設置を検討すること。
    8. 高齢者住宅の安否確認システムの問題点を洗い出し、その改善を図ること。
  2. 子育て支援のために保育園の待機児解消について
    1. 次世代育成支援に関するニーズ調査に基づいて、認可保育園増設を基本とした待機児ゼロ計画を策定すること。
    2. 南千住地域の待機児解消のために、区の責任で早急に保育園の設置を行うこと。
  3. 地域経済活性のために中小企業・業者の応援を
    1. ひろば館はじめ「区民施設」の畳替えなど含む小破修理や改修など区内業者を使って前倒しで実施すること。
    2. 区の損失補てんを付けた無利子、長期返済の「つなぎ融資」を実施すること。
    3. 「消費税ゼロデー」の実施をはじめ、思い切った商店街支援策を実施すること。
    4. 空き店舗を使った伝統技術、マイスターなどの常設展示、実演販売の場を設置すること。

《質問》

 日本共産党荒川区議団を代表して質問を行います。
 昨年秋口から地域の商店も製造業も建築業も仕事がない、売り上げが2割減った、「半分になった」といった悲鳴があがっています。
 アメリカ発の世界経済危機のもとで、同じ資本主義国でも、日本は特別に深刻な状況です。国民の暮らしと雇用を守るルールが「構造改革」路線で崩されてきたからです。貧困と格差が広がり、国民生活を守る防波堤が破壊されたところに世界経済危機が襲いかかってきたのです。今、求められているのは、一時のばらまきではなく、雇用と社会保障を守り、中小企業や農林水産業、税制など経済社会のあらゆる分野で、国民の暮らしと権利を守るルールを取り戻す必要があります。
 また、世界的には強大なアメリカ一国主義が崩れつつあります。あわせて、人種を乗り越えてオバマ大統領就任という歴史的な変化とともに、プラハのオバマ大統領の演説は「核兵器のない世界」への追求を宣言する画期的な前向きな変化が生まれています。
 日本共産党志位委員長がこの演説を歓迎し、核兵器廃絶の実効ある行動を求める書簡を送りました。一方、麻生首相も書簡を送ったそうですが、あくまでも、アメリカの核抑止にこだわった内容だといわれています。憲法9条を世界の理念に広げて、戦争を犯罪とし、核兵器廃絶を進めること。日米安保条約の絶対化をやめ、自主・自立の外交にすすむことが、日本の未来と世界とアジアの平和のために、大切ではないでしょうか。
 国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」を築くこと。と併せて草の根からの声を広げていきたいと思います。
 社会保障の充実をいうと財源がない、破綻すると、反論されますが、果たしてそうでしょうか。
 外環道路16キロ作るのに約1.6兆円など莫大な公共事業です。大企業向け減税の見直しだけでも8兆円からの財源が可能です。東京都と23区の積み立てだけでも総額で3兆円を超えています。軍事費も膨大です。
 大企業・大資産家への減税や官僚の天下りと利権構造の公共事業にメスをいれて、国民生活を最優先する財政運営に転換するかどうかが問われていると思うのです。
 世界でも例がない医療費の3割窓口負担。高齢者を年齢で区分けする後期高齢者医療制度、障害が重いほど負担が重い障害者自立支援法。25年間保険料を払いつづけないと、一円の年金も受け取れない制度の上に、毎年2200億円の社会保障費削減が深刻さに拍車をかけています。その上、10%以上の消費税増税が計画されています。
 医療費窓口負担は、1973年から83年まで約10年間は、70歳以上無料でした。東京都のマル福制度が65歳から医療費を無料化し、それが全国に広がったからです。
 ところがその後、負担が定額制になり、さらに1割が2割、2割が3割と負担を増してきました。石原都政の10年間は、高齢者のシルバーパスを有料化し、寝たきり手当、老人医療費助成、高齢者・障害者の家賃助成制度も特別養護老人ホームの人件費補助や用地費補助なども廃止してきたことと軌を一つにしています。この流れを改めて自治体から切り替えて、暮らしを守る本来の取り組みを進めたいと思います。
 そこで第一に高齢者の医療費負担軽減についてです。
 三多摩の日の出町で75歳以上の自己負担分を無料にしたことが報道されています。「持病で医療費が大変、80の坂を越すと何が起きるかわからない、無料化はありがたい」と大変喜ばれています。新たな財源を何に使うか、町長さんは決断しました。後期高齢者医療制度から町民を助けようという自治体の姿勢が伝わってきます。75歳といえば、ひたすら戦後復興に力をつくし、学ぶことも許されず食いぶちを減らすためと働きづくめだった。今思えば、年金保険料を納めるどころではなかった。と嘆く大先輩がいます。
 政府と東京都に医療費窓口負担の軽減をきっぱり求めていただきたいと思います。区長どうでしょうか。合わせて、荒川区としても75歳以上の医療費無料化の検討を行うことを求めます。お答えください。
 第二に、介護保険制度にかかわってです。制度が始まって10年目になります。
 新年度、介護保険料の見直しが行われ、都内の自治体の7割以上が引き下げか据え置きになりました。しかし、荒川区は、保険料段階を細分化して60%の方が現行より値下げになったものの基準額は23区で一番高くなりました。
 見直しのたびに細分化を繰り返しても、それだけでは、負担増を抑えきれないことは明らかです。無年金の方や年金額が80万円以下の方にも負担をお願いする制度そのものが問題ですが、年金200万円位の方が課税されて、年額約7万円は暮らしを圧迫しています。お隣の北区は値下げで比較すると年額1万4千円も違います、自治体間のアンバランスも問題です。
 年金から住民税まで天引きする法律が施行され、7月上旬には介護保険料の通知が届き、疑問の声が殺到するのではないでしょうか。「介護保険特別会計に一般財源を繰り入れることは法律で禁止されている」と区はいいますが、介護保険は基礎的自治体の自治事務です。介護保険料の基準額の設定をはじめ一般財源を繰り入れ、区独自で介護保険料の負担軽減をおこなうことは、なんら制限はありません。問題は自治体の決断です。際限なく値上がりが予想される保険料の改善を求めます。
 第三に4月から介護保険の新認定方式が導入され、調査項目が84から74項目に減らされました。しかし、実態が反映されず認定が低く判定されると関係者から批判がおきています。一部見直しされましたが、「寝たきりの人の移乗」などを「自立」としたのを「介助されていない」と言葉を変えただけです。
 寝たきりだから最初から移動の必要性を認めず「自立」というのは介護の理念を失うものです。荒川区では「特記事項を記載できるので要介護判定は変わらない」という委員会での答弁でした。しかし、実際は軽度に判定されてサービスに影響がでています。このような新認定方式はやめること。政府に見直しを求めていただきたい。また、介護の必要な高齢者が必要なサービスを受けられるように区として実態に即した対応を行うことを求めます。お答えください。
 次に介護職場の待遇改善のために施設・在宅事業者への人件費補助についてです。
 以前は、特養ホーム入所者は、要介護1から要介護5まで幅がありました。生活施設としてお庭に散歩へ行ったり、小旅行を家族とともに実施をしたり、さまざまな事業も行ってきました。しかし、いまは、入所者も要介護度4.5の方・胃ろうの方など重度の方が圧倒的です。そのため、介護職員の精神的・肉体的負担も大きくなっています。その上、介護保険内で運営を求められて、低賃金・重労働で人材不足。「介護の仕事は好きだけどこの給料では生活できない」という声が広がっていることはご承知のおとりです。施設ばかりでなく在宅でも居宅介護支援事業者が廃業に追い込まれるところも出てきています。介護従事者の給料は全産業に比べても60%台と言われています。介護報酬は2回も下げられました。今回保険報酬が3%あがったといわれて、「一人2万円上がったんですってね」と利用者さんから言われたそうですが、とてもそんな実態ではありません。事業支援と介護従事者の生活支援・研修時間の確保なども踏まえて、区として介護職場の待遇改善のために区立特養補助の増額と他の事業者への人件費補助も検討し改善を求めるものです。お答えください。
 次に包括支援センターについて伺います。包括支援センターは介護保険法改訂に伴って規定された地域の高齢者の総合的支援窓口であり、平成18年度から以前の在宅支援センターを衣替えしたものです。区内には、5箇所が設置されています。それぞれの相談内容は多岐にわたり件数も多い所では年間1万件を超え、予防ケアプラン作成も約3千件となっています。
 「東京都高齢者保健福祉計画策定委員会」では(1)要支援者に対する介護予防ケアマネの負担が大きく、地域のネットワークづくりなど包括支援業務が十分取り組めない(2)職員一人当たりの業務量が非常に多く利用者一人一人に丁寧な対応ができない(3)包括支援センターの役割や業務内容が地域住民に知られていない(4)認知症、一人暮らし、高齢者のみの把握、対応が十分に行えない(5)入退院時の調整など医療機関との連携が進んでいない(6)特定高齢者の把握、ケアマネジメントが効率的効果的に行えないなど切実な問題点が指摘されています。
 これまで荒川区の高齢者福祉が直接対応してきた業務の多くを地域包括支援センターが一手に引き受けがんばっていると言っても過言ではありません。多くの高齢者の切実な実態が包括支援センターに集まります。総合的な相談内容から、地域の高齢者の実態、独居や老老介護・虐待、複雑な生活や経済状況などが持ちこまれ、その課題もリアルに見えています。困難ケースについては担当課の職員も参加して対応していますが、それだけに留まらず、荒川区が専門職員による基幹型包括支援センターを設置し、高齢者の現状を自治体が把握して高齢者の支援を行うことを求めます。お答えください。
 次に要介護度や年齢にかかわらず必要な方に紙おむつを支給することについてです。
 昨年までは、おおむね65歳まで支給されることになっていました。ところが、年齢を一律65歳以上と制限したために、特定疾病の40歳以上の介護保険対象の方が除かれてしまいました。他区では、当然これらの方も対象であわせて、要介護4、5に限定していない自治体も少なくありません。必要な方に紙おむつ支給事業の対象者とするように改善を求めます。
 次に高齢者の入居施設にかかわって伺います。
 さる3月に群馬県渋川市で起きた無届高齢者施設での火災は10名の入所者がなくなり、その大半がその区に住所を置いたまま区の紹介で入所した生活保護受給者の方たちでした。
 荒川区も特別養護老人ホーム増設、グループホームも7箇所となりましたが、高齢者の介護度によって自己負担額の違いや所得のあるなしによって、入所施設や在宅でのサービスも限定されています。荒川区でも生活保護受給者で都外施設に行っている方は、167名いらっしゃいます。
 特養ホームの土地代や建設費の東京都の補助を復活させ更に増設が必要です。またデイサービスや医療と連携した介護付き高齢者アパートの設置や介護保険外の高齢者福祉施設として養護老人ホームやケアハウス、生活支援ハウス、さらに、宅老所なども研究して、低年金、無年金など所得の少ない方々も住み慣れた荒川区で最後まで過ごすことができるよう、安全性で多様な入所施設や利用施設の検討を求めます。
 次に高齢者住宅さくらハイツの安否確認ついてです。
 西尾久地域の高齢者住宅の室内で孤独死が発生しています。西尾久7丁目ハイツでは、2004年に1件。今年4月に1件。
 西尾久3丁目ハイツでは、2005年11月に2件。昨年に1件です。
 17年前に建設され、入居条件は70歳からですから、当初入居された方は、いまや87歳です。西尾久3丁目では平均年齢80歳・最高年齢98歳の方もおられるとのことです。見守りの管理システムの部屋にワーデン=ふれあい協力員さんが実際にいる時間は、午前10時から12時。午後は2時から4時です。不在の時間滞は、総合警備会社に連絡が行くことになっています。
 入居者の方も昼間はお出かけが多く、ワーデンさんも昼間は、それほど忙しくはないようです。むしろ夕方や夜にインターホーンなど呼び出しが多いのです。なかなか大変な仕事です。入居時は、元気でも、時間と共に体調も悪くなる方や精神的に不安定になられる方もいらっしゃいます。眠れず幻想的なことなど話されるのでお話を聞いてあげているなど24時間体制は大変だと思います。
 安否確認装置・緊急システムは、ドアセンサー(玄関・トイレにセンサーが設置されており)12時間以上センサーが働かなければ、異常発生を知らせるものです。
 建設年次によって高齢者住宅の安否確認・緊急通報システムは、だいぶ違いがあるようです。西尾久7丁目さくらハイツのシステムは、一番古く18時間以上センサーが動かないと作動しないようです。3丁目ハイツのセンサーは玄関・トイレで12時間以上で異常がわかるシステムで2番目に古くなりました。
 システム設置から17年経過しました。メンテナスも行っているそうですが、西尾久地域の高齢者住宅は他の住宅と比較して単身者が29戸と34戸と多くの方がいます。新たな安否確認のシステム導入の検討など含め安否確認システムの改良、改善が必要ではないでしょうか、検討を求めます。お答えください。

《答弁》

【福祉部長答弁】
 医療費の自己負担についてのご質問にお答えいたします。
 医療保険制度は、国民皆で支え合うことを理念としているため、被保険者による応分の負担及び公費負担により運営がなされております。
 また、年々医療費が増大しているなか、医療保険制度を将来にわたり持続可能なものとするため、被保険者による応分の負担は必要不可欠なものであると認識しております。
 なお、多額の医療費が掛かった場合には、自己負担限度額を超えた分について、高額療養費の支給制度により負担の軽減が図られております。

【福祉部長答弁】
 第一号被保険者介護保険料の負担軽減に関するご質問にお答えいたします。
 介護保険料は、今後三年間の高齢者数や要介護等認定者数、介護保険サービスの見込量、介護給付費等の推計値に基づき基準額が設定されております。
 ご質問の基準額の引き下げにつきましては、介護保険制度がすべての国民が互いに支えあうことを理念とし、その能力に応じた負担をしていただくことが基本となっている制度であり、基準額の軽減のために、決められた国・自治体、被保険者の負担割合を超えて一般財源を繰り入れることは、適当ではないとされております。
 なお、第四期介護保険料の算定にあたりましては、被保険者の負担能力に応じた、よりきめ細かな所得段階及び保険料率を設定し、所得の低い方につきましては、負担が大きくならないように十分配慮したところでございます。

【福祉部長答弁】
 介護保険の新認定方式についてのご質問についてお答えいたします。
本年四月より、介護認定レベルの平準化及び現場の実態に合った介護認定を目指して、認定制度の見直しが行われました。
 しかしながら、新認定方式では「認定が軽くなるのではないか」等の不安が提起されたため、厚生労働省は、学識経験者・福祉関係団体代表等で構成する、「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」を設置し、検証作業を開始したところでございます。
 また、この検証・検討会の作業が完了するまでの間、引き続き安定的な介護サービスを提供できるように、四月一日以降に更新申請をされた方については、希望すれば従来の要介護度を更新後も引き続き継続できることとされました。
 区といたしましては、介護保険の実施主体として、今回の新認定方式に関する意見・要望を国や東京都に対し伝えていくとともに、認定調査票の特記事項欄の充実等による利用者の身体・生活状況の的確な把握に努め、実態に即した介護認定を進めてまいります。

【福祉部長答弁】
 次に、区立特養補助の増額と他の事業者への人件費補助についてのご質問にお答えいたします。
 区では、区立特別養護老人ホームが社会経済状況の変化や介護報酬の見直し等によって、介護職員の確保や施設運営が困難になってきている状況を踏まえ、利用者に対するサービスの維持・向上を図るため、平成二十年度から、新たに施設の運営に要する経費の一部を助成することといたしました。
 本年四月から、施設サービスの介護報酬については、一.三%引き上げられましたが、低率にとどまったこともあり、二十一年度も区立特別養護老人ホームの経営支援補助を継続したところであります。
 また、介護職員の処遇改善につきましては、区といたしましても、職員の確保や利用者サービスの向上のために必要であると認識しておりますが、国が本年度の補正予算に介護職員の賃金の引き上げなど、介護職員の処遇改善に要する経費を計上したこともあり、今後の動向を注視してまいる考えであります。

【福祉部長答弁】
 基幹型包括支援センターの設置についてのご質問にお答えいたします。
区では、現在、区内の五か所に地域包括支援センターを設置して社会福祉法人にその運営を委託し、各センターは、地域の高齢者やその家族の支援に努めております。
 しかしながら、センターでは判断することが困難な問題が発生した場合には、高齢者福祉課のケースワーカーや保健師がセンターの職員と共同で対応してその解決にあたり、また、介護予防プランの作成にあたっては、介護保険課の職員が適宜助言をして支援を行っているところであります。
 さらに、区は、センターと毎月定期的に困難事例に関してのケーススタディーや介護予防の進め方などについての意見交換の場を設けるなど、いわゆる基幹型包括支援センターの機能については、区がすでに担っているものと認識しております。
 今後も、区と各センターとが一層連携を深めながら、地域における高齢者福祉の向上に努めてまいりたいと考えております。

【福祉部長答弁】
 紙おむつの支給についてのご質問にお答えいたします。
 紙おむつ購入費助成事業は、高齢者の介護に要する経済的負担を軽減することを目的として実施しております。助成対象者につきましては、六十五歳以上で、要介護四・五の方及び要介護一から三までで認知症状のある方でありましたが、平成二十年度には身体や知能に障がいのある方の一部を加え、その拡大を図ったところであります。
 助成対象者の要件につきましては、心身の状況だけでなく、対象者数やその将来の動向、さらには財政負担などを総合的に勘案しなければならないものと考えております。
従いまして、本事業の対象者の拡大につきましては、他の自治体の動向などを踏まえ、慎重に検討してまいりたいと考えております。

【福祉部長答弁】
年金の少ない方・生活保護受給者でも入居・利用できる施設設置についてのご質問にお答えいたします。
 都市部においては、居宅での介護が困難な高齢者が増加し、受け入れ施設の不足が課題となっております。
 しかしながら、二十三区内では、施設の用地確保に多額な費用を要するため、施設整備が進まない現状であり、また、仮に施設を整備しても入居費が高くなり、とりわけ、低所得者の施設入所が困難となっております。
 そのため、二十三区では、低所得の高齢者の受け入れ施設対策を、各区共通の課題としてとらえ、施設確保の方策や、そのための制度について、国や東京都へ緊急要望を行ったところであり、さらに、より詳細な要望事項として、民間の施設設置を促すための支援策などについても、検討しております。
 区といたしましては、区単独での施設整備・制度改正は難しいと考えており、他区及び東京都と連携を図りながら、低所得の高齢者が入所できる施設整備について、検討を進めてまいりたいと考えております。

【福祉部長答弁】
 最後に、高齢者住宅の安否確認システムについてのご質問にお答えいたします。
 区では、住宅に困窮する所得の低い高齢者の生活の安定と福祉の増進を図るため、高齢者住宅を百三十七戸設置しております。
 高齢者住宅では、入居者の安否を確認するため、玄関ドア・トイレドアの開閉又は水道の使用が一定時間行われなかった場合、また、入居者が非常呼び出しブザーを押した場合、ふれあい協力員室や警備会社に通報されるシステムが導入されております。近年、居室内で入居者が死亡するケースが、年一・二件発生しておりますが、いずれも、安否確認システムの通報により、ふれあい協力員が入居者の異変を発見しております。
 このため、区といたしましては、高齢者住宅に設置している現行の安否確認システムについて、特に問題があるとは認識していないところであります。

《質問》

 次に子育て支援のために保育園の待機児解消について伺います。
 次世代育成支援の荒川区独自アンケートが実施され、後期行動計画で特に必要と思うこととして、就学前では、「子育てと仕事の両立できる環境を整備する」と1番で51%の回答調査結果も出ています。圧倒的には働きたいが保育園に入れないなどの声です。3月時点の回答です。実際に自由記載の中には「南千住汐入地区に住んでいますが保育園、保育ママの入園が出来ない人達が沢山いました。私の子も入れませんでしたが、産休中の方々が仕事を退職しなければならないなど聞いています。どうして?だったらマンションなど沢山建てるべきではないし、もしくは早くから保育園なども増やしてもらいたかった。正直ここの地区に引っ越してきた事を後悔しています。今更引っ越せないのでここに住むしかないのですがが・・。また、保育園・保育ママの入園ができない人が、これでは働けない、ローンの支払いをどうするのか」と深刻な声が上がっています。
 寄せられた区民の声をいかし、待機児を解消するために計画を作成することが必要です定数緩和で3割以上も定員オーバーで運営している保育園もあります。ゆとりを持たせて必要な施設をつくることが本来ではないでしょうか。
 区は昨年度末に、待機児緊急対策として、新年度6月までに認証保育園を誘致するとしてプロポーザルを行い、事業者と設置建物をセットで決めました。しかし、その後、建物の耐震構造が不十分でそのままでは設置できないことが判明しています。その他、別の建物も安全性や二方向避難を確保できる建物がなく、暗礁に乗り上げています。既存の建物の改修で設置する認証保育所の限界が示されています。
 杉並区でも待機児解消に力を尽くしていると聞いてお話をうかがってきました。旧出張所の会議室を使い保育室を設置。大学の未利用施設も使って認可保育園の分室保育園なども設置していました。それでも不足なので駅周辺に6月予定で保育園設置を計画していました。
 荒川区としても、子育て世帯に応えるために、次世代育成支援に関するニーズ調査に基づいて認可保育園増設を基本とした待機児ゼロ計画を策定することを求めます。
 また、特に南千住地域の待機児解消のために、区や都の用地活用をはじめ区の責任で早急に保育園の設置を行うことを求めます。お答えください。

《答弁》

【区長答弁】
 待機児解消に向けた計画に関するご質問にお答えします。
長らく減少傾向にありました本区の人口も、平成十年を境に増加に転じ、本年六月十六日時点で二十万二千四百八十二人を数えるまでになりました。
 若い世代の方々が荒川区を住みやすいまち、子育てしやすいまちとしてお選びいただき、荒川区に賑わいをもたらしていただいておりますことに、区長として大きな喜びを感じる次第です。
 私は、常々、子育て・教育施策は現在の区民ニーズに対応する取り組みとしてだけではなく、未来の地域社会に対する最も効果的な努力であり、未来社会の担い手である子どもたちが明るく健やかに育つ環境を整えることは自治体の最も重要な責務の一つであると考えております。
私は今後とも、この観点に立って、子育て・教育施策のより一層の充実に力を尽くしてまいりたいと考えております。
 ご質問にありました保育施設の整備につきましては、認可保育園の新設や大改修、認証保育所の誘致や保育ママの増員等により、区では平成十六年度以降現在までに六百人にも及ぶ保育利用定員の増加に努めて参りました。しかしながら、長引く経済不況の影響もあり、保育枠の増を上回るスピードで、働く女性の数が増加し、保育園に入りたくても入れない待機児が増加している状況が都市部を中心に全国的に生じております。
 こうした状況を踏まえ、区では、南千住保育園の移転・新築による定員の大幅増や(仮称)第三東日暮里保育園の新設などを計画しておりますが、更に南千住東部地域の需要増に対応した施設の整備に向けて現在具体的に検討しているところです。
 今後、次世代育成支援行動計画の「後期計画」の策定を進める中で、保育が必要な子どもたちが質の高い保育サービスを受けることができ、保護者の方々が安心して仕事を続けることができるよう、需要に見合った保育定員の拡充策を計画化して参りたいと考えております。

【子育て支援部長答弁】
 南千住地域における保育園の設置についてのご質問にお答えします。
 本年度におきましては、零歳から二歳の低年齢児を中心に、とりわけ南千住東部地域において、再開発に伴うファミリー世帯の転入増により申請数が大幅に増加し、一歳児を中心に定員を超える状況が生じる結果となりました。
 区では、これまで既設保育園の定員枠の拡大や汐入子ども園の開設、保育ママの増員など保育サービスの充実に努めて参ったところですが、現在更に、新たな認証保育所施設の確保や区有地の有効活用など、南千住東部地域における待機児解消に向けて検討を進めているところであります。
 今後とも、若い世代の方々の仕事と子育ての両立を支援し、希望するすべての人々が安心して子どもを預けて働くことができる地域社会の実現に向けて努力して参る所存です。

《質問》

 最後に地域経済活性化のための中小企業・業者の応援について伺います。
 政府は、5月の月例経済報告で景気基調の判断として「急速な悪化」から「悪化のテンポが緩やかになっている」。事実上「景気が底を打った」などと修正しました。
 大企業による派遣、期間工切りなど労働者犠牲、中小企業への発注停止や下請け単価の切り捨てなどで企業収益の温存や株主配当は守られているのかもしれません。
 また、原油の先物買いなどによる株価の上昇を評価しているのかもしれません。
 しかし、地域経済は、底を打つどころか先が見えず区内中堅製造業でも「仕事がない」「受注激減」でいよいよ「一時帰休」の計画も見受けられます。中小企業は、どんなに苦しくても事業継続を見すえて「首切り」を回避する努力に真剣です。
 政府の景気対策は、可処分所得が減り続けているのに「エコカー購入補助」「エコポイント」など大企業の要求にそった大型危機の購入を奨励しようとしていますが、使えるお金の余裕がなければ、役に立ちません。景気対策としても雇用の確保、社会保障の充実が必要ですし、消費税の生活必需品の減税などにこそ踏み出すべきです。
 そこで自治体としてもできる施策を提案します。
 第一に仕事づくりの定番です。
 ひろば館はじめ「区民施設」のぼろぼろやひびわれなど整備しようではありませんか。天井、壁のひびの修復や内装補修、気持ちよく使用できるように畳替えも行ってもいいのではないでしょうか。区内業者の方に仕事を一気にだしましょう。区内建設業は大多数が、小規模経営やひとり親方です。子どもや孫、親や先輩が使う区民施設の改善と地域にお金を落としてそれが、回っていくのです。バリアフリー化など含め前倒し工事を求めます。
 第二に、融資の改善です。
 東京商工リサーチの調査では、中小企業の倒産が1年ぶりに減少したと発表されました。緊急保証制度の一定効果があったようです。しかし、9月決算期に向けて、資金繰りの悪化も指摘されています。この際、区内企業に対して、区の損失補てんを付けた無利子、長期返済の「つなぎ融資」を実施することを求めます。
 第三は、商店街支援です。
 プレミア付き商品券は完売したようです。その後の対策はどうでしょうか。この際思い切って「消費税ゼロデー」の日を設定して売り出しをしてはどうでしょうか。そのための助成をおこない、商店街支援と消費者の購買意欲を支えることを求めます。
 最後に、ものづくり支援です。
 ものづくりは、荒川区の元気の源です。これまでも優れた基盤技術や伝統工芸など「次代に残すべき、技術技能の継承」などで後継者育成支援など繰り返し求めてきました。
 この際、空き店舗を使った伝統技術、マイスターなどの常設展示、実演販売の場を設置し商店街振興、観光とも結んだ対策を実施すべきと考えます。お答えください。
 1回目の質問を終わります。

《答弁》

【区民生活部長答弁】
 施設改修等をとおしての区内業者支援についてのご質問にお答えいたします。
 区では、現下の大変厳しい経済環境を踏まえ、昨年末に緊急経済対策本部を立ち上げ、工事発注の前倒しや早期発注、前払い金適用工事の範囲拡大など、区内業者に対する支援策を実施してきたところでございます。
 その際、ふれあい館やひろば館におきましても、壁や間仕切りの改修等を区内業者に発注し行っております。
 区では、本年度も、区内業者を活用し、区民施設の改修を可能な限り早期発注や前倒しして実施するとともに、小破修繕につきましても、より早急な対応に努めているところでございます。
 今後とも区内業者に対する支援に最大限努めるという姿勢を堅持しつつ、区民施設を利用者の皆様に安全かつ快適に使っていただけるよう、的確な改修等に努めてまいりますので、よろしくお願い致します。

【産業活性化担当部長答弁】
 区の損失補てんを付けた無利子、長期返済の「つなぎ融資」の実施に関する質問にお答えいたします。
荒川区における中小企業制度融資は、区と金融機関、信用保証協会が連携し、それぞれの機能と責任を分担しながら、実施しているものであります。
 ご質問の損失補てん付きの無利子、長期返済の「つなぎ融資」につきましては、融資先企業の財務状況をはじめとする経営実態の的確な把握の困難性に加え、企業が倒産するなど、借入金の返済ができなくなった場合には、区が全ての債務を負担することになり、大きな財政負担が生じるとともに、その回収体制をも築かなければならないことから実施は困難と考えます。
 しかしながら、中小企業が市区町村長から指定業種である旨の認定を受けると、金融機関から融資を受ける際に、一般保証枠とは別枠で、無担保保証で八千万円、普通保証で二億円まで信用保証協会の百パーセント保証を受けることができる「緊急保証」を国が昨年十月末から実施しております。
 本区においては、本年五月末日までの七ヶ月間で二千百八十七件の区長認定を行っており、多くの区内中小企業が百パーセント保証の付いた融資を受けております。
 さらに、今般の経済危機対策における中小企業金融対策として、緊急保証枠が二十兆円から三十兆円へ拡大されましたので、引き続き迅速な認定を行うことで、区内中小企業の資金調達の円滑化を支援して参りたいと思います。

【産業経済部長答弁】
 商店街の支援策に関するご質問にお答えいたします。
 区では、商店街連携や空き店舗活用、魅力ある店舗の創出など商店街ルネッサンス推進事業を実施し、商店街の活性化を図っているところでございます。
 特に昨年の米国に端を発した金融危機とそれに伴う国内景気の悪化により、区内の商店街はさらなる苦戦を強いられておりますので、国の経済対策としての定額給付金制度の実施に合わせ、区内の消費需要を喚起し、商店街の活性化を図るため、本年四月には商店街連合会が発行するプレミアム付きお買い物券に対し、プレミアム分を区が助成するというこれまでにない積極的な支援をしているところでございます。
 割引販売に対する助成につきましては、商店街が実施する特価販売への補助を既に実施しているところであり、また、個々の商店街においても各種のセールやイベントを実施する中で、特価販売を実施し、お客様の増加のために努力しております。
 区といたしましては、ご質問のような一律、画一的な支援を実施するのではなく、商店街が創意工夫を凝らして行う活性化のための事業に対して重点的に支援してまいりたいと考えております。

【産業経済部長答弁】
 空き店舗を使った伝統技術、マイスターなどの常設展示、実演販売の場を設置すべきとのご質問にお答えいたします。
 伝統工芸技術保存者や荒川マイスターの方々の技術・製品につきましては、モノづくりの街荒川の象徴であり、荒川区の貴重な観光資源の一つでもあると認識しております。
 ご質問の空き店舗を使った、常設展示、実演販売の場の設置でございますが、運営主体をどうするのかをはじめ、製品の保管・管理などについて、様々な課題があります。また、マイスターなどの素晴らしい製品の販売拡大を考えた場合には、区外へのPRに重点を置くべきであり、その効果も高いと考えております。
 そのため、区では、そうした方々の製品を集めた冊子「荒川ブランド・伝統工芸品/荒川マイスター製品編」を作成して、日本コンシュルジュ協会の会合などにもおもむき配布するなど、区外へのPRに努めております。そして、区外の方も多く訪れる区役所本庁舎1階での常設展示はもとより、都庁観光情報センター、太田商い観光展などでの実演・展示・販売やあらかわショッピングモールを通じて、製品のPRと販路の拡大を図っております。
 区といたしましては、区外において、多くの人々が集う場所でのPRやインターネットを活用したPRを積極的に行い、モノづくりの街荒川と荒川ブランドの優れた製品の魅力を発信してまいります。
 なお、先ほども触れましたが、商店街の空き店舗対策は、重要な課題でありますので、引き続き積極的に取り組んでまいります。