区議会だより

2008年第4回定例会

2008年 第1回第2回第3回



【相馬堅一区議】

  1. 世界金融不安と経済危機のもとで中小企業支援と労働条件改善で地域経済対策を
    1. 公共工事における公共工事設計労務単価と実際の乖離を調査し、適正賃金の実行を求める公契約条例を制定すること
    2. 指定管理者、委託、アルバイトなどで時給換算700円台なども見受けられる、底上げ対策を検討すること
    3. 政府に責任共有制度の撤回を要求すべき
    4. 区として保証協会100%保証を担保する予算を検討すること
    5. 滞納があっても納入計画を明らかにした事業者には制度融資の対象とすべき
  2. 介護・福祉・保育などの労働条件と賃金底上げで区民サービス充実とくらし支援を
    1. 施設と在宅関係の実態調査も行い、介護労働者の賃金底上げに介護保険報酬の引き上げと国庫負担拡大を政府に求めるべき。
    2. 介護労働者の給与の底上げ対策を検討し新年度予算に計上すること。住宅費助成も検討してはどうか。
    3. 民間認可・認証保育園の保育士などの給与の実態調査を行い、底上げを行うこと。公的研修制度を確立すること。
  3. 後期高齢者などの医療改革についての見解を問う
    1. 政管健保の家族の皆さんの受診率維持できるか実態調査を行い対策を検討すること。北区では検診内容のレベルアップを行う追加券を発行しているが、同様な対策を検討すべきでは
    2. 医療機関の看護師確保の実情を調査し、院内保育や病児保育などの区の支援を検討すること
    3. 後期高齢者医療制度に対して、浦安市では、賢人会議を開き本制度にきっぱりとした批判を行っているが、そのような考えはないか。
    4. 医療制度改革は、持続可能な制度とは到底いえないと思うが区長の見解をきく
  4. 介護保険事業計画と高齢者プランについて
    1. 2007年厚生労働省通知、「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス及び介護予防訪問介護サービスの生活援助等の取扱いについて」区として必要な事例の基準などを明示することを求める
    2. 来年度の介護保険料の設定にあたって、低所得者に実質無料の設定を
  5. 高齢者・障害者の生活の安定のためにも生計費と家賃負担のあり方の目安を示し、その観点に立って、家賃助成を実施するように求める。

《質問》

 日本共産党を代表して、区長改選後初めての質問を行います。
 私たちは、自公政権の構造改革や後期高齢者医療制度などに対して、自治体の長が、その痛みの根元に反対する、きっぱりとした態度をとることが大切だと訴えてまいりました。西川区政第一期目で、日本共産党が要求した切実な課題や区民要求にもとづく条例提案に対して、就学援助の所得基準改善やふろわり200、こども医療費無料化、学校図書館の改善、デイサービスの食事代補助、自立支援法の応益負担の一部軽減などの事業実施は評価しています。
 しかし、政府のいいなりに現業職員の補充を行わず保育園の給食民間委託の強行や後期高齢者医療制度を始め医療改革について元に戻せないなどと容認する姿勢は、立場も見解も異にするものであります。
 今回の区長選挙の結果に対して、西川区長は、全有権者の25%の得票であり、他候補の主張も含め区民の声に耳を傾ける、区民の砦となると発言したことは、重要であります。構造改革によるいたみとがまんの上に、新自由主義経済、ルールなき資本主義は、世界的金融危機を招き実体経済にまで深刻な影を落として、住民生活に打撃を与えています。その上麻生政権は、政局より経済などとしながら結局、消費税増税を掲げて景気浮揚に逆行しています。雇用をはじめ生活不安とがまんを押しつける政治・経済運営に対して西川区長がどのような態度をとるのか、これからの区政執行をしっかり見極めたいと思います。
 党派選挙の区議会補欠選挙は、自民党候補が公明党の支援も受けて議席を獲得。自公政治の切替を訴えるわが党や、民主のみなさんも「区議補欠選挙で西川候補の応援を受けながら」も街頭では自民党からの政権交代の前哨戦を訴えた結果を見ると、変化を望んだ区民が多数いたことは明らかだと思います。わが党候補に寄せられた得票は、当選にいたらず残念でしたが、真に政治の中身を変えて欲しいと言う期待の強さを感じるもので、いっそう、区民生活に役立つように奮闘する決意です。
 麻生首相は、解散受け皿内閣のはずが、相次ぐ支持率の低下の中でその決断も果たせず、追加経済対策の第二次補正予算も迷走しています。もっとも、2兆円の定額給付金とセットの消費税増税に多くの区民は、反発しています。
 そんなことをするなら、これまでの増税をもとに戻して欲しい。老齢者控除50万円や年金課税控除の140万から120万円の切り下げ、定率減税、特定扶養控除廃止をもどして欲しいというものです。
 消費税の増税とセットの一回こっきりの給付金などいらないという声が広がっています。先週の最大の政治的事件は「麻生内閣のイメージ大暴落」と報じた新聞もあれば、朝日の川柳では、先も読めず、空気よ読めず、漢字も読めずと呆れかえられて、崩壊寸前の様相であります。
 いま政治が果たすべき責務は言うまでもありません−日本経済の舵取りと国民生活の安定であります。アメリカ発の金融危機が世界経済の大混乱を招き、日本経済にも深刻な影響を与えていますが、単なるバブルの崩壊ではなく、極端な金融自由化と規制緩和をすすめ、投機マネーを異常に膨張させ、世界有数の巨大金融機関が先頭にたって、ばくちのような投機=マネーゲームに狂奔する――「カジノ資本主義」が破たんした結果です。
 同時に、日本の景気悪化をここまで深刻にさせている根本には、極端な"外需=輸出だのみ"で、アメリカ経済が減速し、世界経済が混乱すると、日本の景気悪化が一気にすすむ構造です。
 日本共産党は、この経済危機にさいして、国民生活を守るために、政治が果たすべき責任として「ばくち経済」(カジノ資本主義)破たんのツケを国民にまわすことを許さない。「外需だのみから内需主導へ」、日本経済の抜本的な体質改善をはかるための経済提言を発表しました。同時に区として実施可能な対策について今回質問したします。
 第一に、世界金融不安と経済危機のもとで中小企業支援と労働条件改善で地域経済をあたためることです。
 トヨタ、いすずなどの大手自動車企業は、期間工や派遣労働者の雇い留めを数千人規模で打ち出しています。日本共産党国会議員団は、一昨日もいすずの違法な解雇通告で、寮まで退去を求められ「ホームレスになるしかないのか」と言う労働者の訴えを受けて、いすず本社に申し入れを行い、年度末までの寮の確保を約束させましたが、600億円の利益を確保し、株主配当を増加させながら、労働者を契約半ばで解雇しようとする違法で身勝手なやり方は許しがたいものです。また、大手企業のリストラ、希望退職の拡大と下請けの単価切り下げで中小企業と地域経済に影響が広がっています。
 町場の中小企業の社長さんたちは、仕事が途絶え、赤字になっても、家族も同様の従業員を簡単に路頭に迷わせられないと貯えを切り崩して、ぎりぎりもまで踏ん張って雇用を継続しています。地域経済を暖める個人消費の下支えのためにも地域の雇用の継続、暮らしの底上げに荒川区としても出来る限りの手だてをとることを求めたいのであります。
 具体的な一点目ですが、わが党は、再三公共工事における賃金のダンピングなどに歯止めをかける、公共工事・設計労務単価にそった、適正賃金の実行を区として確保する対策を求めてきました。
 区内の建設業協同組合加盟の事業者などは、労働組合などとも協定を結び履行に努力していることも聞いています。ところが、JVなどを組んで大手が入ってくると逆に思ったような対応ができず、実際、現場調査でもそのようなケースで設計労務単価と実際の賃金とのかい離が報告されています。しかも、工事費に含まれている労働者への退職金共済などの掛け金の福利厚生費もほとんど実行されず、労働者の利益に還元されていません。
 せめて、このような時期に弱いところにしわ寄せを許すのではなくて、公共工事の賃金の確保は、区長として担保させるよう対策を打つこと。あわせて、公契約条例の制定も改めて検討を求めます。
 二点目に、指定管理者、委託、アルバイトなどで時給換算700円台なども見受けられます。底上げ対策を直営・民間含め関連する労働者の賃金の底上げの検討を求めます。
 正規職員から非常勤職員への置き換えがすすみ、さらに、民間委託や指定管理による財政効率の根源は、そこで働く方々の賃金の低下と不安定労働です。
 高齢者の就労でも単に生きがい就労にとどまらず、生活を支える主な収入の方もいます。そのような中で700円台の時給では、フルタイムで働いても月13万円前後にしかなりません。
 いま、常勤雇用といっても8時間労働で責任を持たされながら、給与は時給850円の時間給換算の指定管理や委託も少なくありません。
 これでは、月16万円以下の収入で、国保、年金、税、介護保険料で月額3万円以上、住居費を引くと生活保護基準以下の生計費しか確保できないのが現実です。独立できない、将来に希望の持てない労働実態です。
 このような賃金実態と公租公課の負担の重さの中で、最低生活費も提供できない公的事業でいいのか、雇用環境悪化のもとで、人間らしい生活を支えられるように区にかかわる賃金の底上げを検討すべきと考えますが区長の見解を伺います。
 三点目に、中小企業の生き残り支援の緊急課題です。
 いま、運転資金の欠乏による倒産が増加しています。原材料高騰対策のあっせん融資が300件以上実行されたようですが、さらに17日からの年末融資が始まっています。しかし、もっとも窓口を混雑させているのは、10月31日から始まった政府のセイフティーネット保証制度の100%保証の認定申し込みで、一日30人程度きています。これは、景気悪化と同時に、昨年10月に責任共有制度として金融機関に20%の負担を負わせたことで資金繰りを狭めてきた反発でもあります。東京信用保証協会だけでも4−9月期に32%も保証実績が対前年比で減少。額も3000億円以上も減少しました。そして、中小企業への貸し渋りと貸しはがしが強まっています。
 昨年私は、全額保証を廃止し、金融機関に20%のリスクを背負わせ、しかも国民金融公庫や公的中小企業融資の体制を切り崩すことが、深刻な結果をもたらすと警告し、区の姿勢と対策を求めましたが、区は、その際、深刻な認識を示しませんでした。しかし、信用保証協会の全額保証を切り崩したことの深刻さは明確です。
 そこで政府に貸し渋りに拍車をかけた、責任共有制度導入を撤回するように要求すべきと考えますが見解を伺います。
 四点目として、このセイフティーネット保証の対象は全業種の6割に限られており、手の届かない業種もあります。年越し、生き残りをかけている中小企業を支えるために、区独自にも100%保証を実行するための予算をとるべきだと思いますが見解を伺います。
 五点目に、区の年末融資あっせんをはじめていますが、住民税などの完納を条件として区報などに掲載しています。しかし、滞納があっても納入計画を明らかにした事業者には融資の斡旋を行うべきです。資金繰りが苦しくて、未納になっているのに、相談に来る以前に、だめだと報道しては、救えるものも救えなくなります、改善をすべきです見解を伺います。

《答弁》

【管理部長答弁】
 区の公共工事における労務単価調査の実施と公契約条例の制  定を求めるご質問にお答えいたします。
 区といたしましては、これまでもご答弁申し上げてまいりましたように、公共工事に従事する労働者が、法令に基づく、適正な雇用条件の下で仕事を行うことは、従事する労働者の生活の安定のみならず、適切な工事の履行確保を図る上でも重要なことであると認識しております。
 しかし、公契約条例の制定につきましては、公共工事に係わる特定の労働者のみを対象とした賃金保障を行うことの是非や、現在のわが国の法体系の下で、区としてどこまで実効ある条例や制度の構築ができるのかなど、大変、難しい課題がございます。
 そのため、区といたしましては、今後とも区内建設業の育成の視点に立って、区発注工事の区内事業者への優先発注を行うとともに、適正な発注価格の設定や法令順守の指導を行い、法令や契約に従った良好な履行を確保してまいりたいと考えております。

【管理部長答弁】
 指定管理者や受託事業者などに働く職員の賃金の底上げ対策  の検討に関するご質問にお応えいたします。
 指定管理制度や業務委託の実施にあたっては、受託業務を的確かつ効率的に履行できる事業者と契約締結するとともに、その事業者に雇用される労働者が、法令に基づく適正な雇用条件の下で業務に従事することが良好な履行を確保し、契約の目的を達成する上でも大切であると認識しております。
 そのため、区といたしましては、直近の関連市場の価格動向等も踏まえた適切な価格で発注するとともに、契約にあたっては、最低賃金法や労働基本法等関係法令の遵守を求め、万一、それに反する事態が発生した際には、是正指導や契約上のペナルティなど、必要な対応を図ってまいりました。
 ご質問のありました区の業務に携わる民間事業者の賃金自体は、事業者とその雇用者との契約により定められるものであり、労働関係法令の範囲を超えた部分について、区がその水準を定め、誘導を行うことは、難しいものと考えております。
 区といたしましては、引き続き業務に見合った相応しい価格で契約ができるよう、適切な予定価格の積算に取り組んでまいります。

【産業経済部長答弁】
 政府に責任共有制度の撤回を要求すべきとのご質問にお答えいたします。
 責任共有制度は、中小企業が金融機関から事業資金の融資を受ける際、信用保証協会が保証人となる保証付き融資について、一部の融資を除き、金融機関が信用リスクの二割相当分を負担するもので、平成十九年十月から導入されました。
 これは、信用保証協会の保証付き融資について、信用保証協会と金融機関とが適切な責任の共有を図り、両者が連携して中小企業の事業意欲等を継続的に把握し、融資実行及びその後における経営支援や再生支援といった中小企業に対する適切な支援を行うことを目的としており、制度導入の理念については、一定の評価ができるものと考えております。
 しかしながら、制度導入により、金融機関が経営体力の脆弱な中小企業や経営状況が悪化している中小企業には、リスクを避け融資に消極的になったり、また、一部の大手金融機関においては、信用保証協会の一〇〇%保証が受けられる融資以外の中小企業融資の取り扱いを控えるなどの動きがあるとの報道もあります。
 国においては、金融機関が融資姿勢を厳しくすれば資金繰りに行き詰まる中小企業が増えるとの警戒感から、財務・金融担当大臣が大手銀行や地方銀行など金融機関の代表者に対して貸し渋りや貸し剥がしの改善を要請しています。区としましても、責任共有制度の運用に当たり、区内中小企業の資金繰りに関して支障を来すことがないよう、必要な事項については国や東京都、地域金融機関などに適時適切に要望して参りたいと考えております。

【産業経済部長答弁】
 区として保証協会一〇〇%保証を担保する予算を検討すべきとのご質問にお答えいたします。
 政府においては、原材料価格の高騰に、米国発の金融危機が重なり、世界的な株価下落や円高などで企業収益や資金繰りへの懸念が一段と強まっていることに鑑み、緊急経済対策として、十月三十一日から責任共有制度の対象外となる「原材料価格高騰対応等緊急保証」を開始しています。
 この緊急保証は、全中小企業の六十八%をカバーする六百十八業種を対象業種として指定しております。中小企業は、指定業種に属する事業を行っており、売上高等の減少など一定の要件を満たすことについて、市区町村長から認定を受けた場合には、この緊急保証により、金融機関から融資を受ける際に、一般保証とは別枠で、無担保保証で八千万円、普通保証で二億円まで信用保証協会の百パーセント保証を受けることができるようになりました。
 区としましては、責任共有制度の対象外となる緊急保証が平成二十二年三月末まで実施されることから、その実施状況を見守りつつ、必要があれば対象業種の拡大などを要求して参りたいと考えております。

【産業経済部長答弁】
 滞納があっても納入計画を明らかにした事業者には制度融資の対象とすべきとのご質問にお答えいたします。
 現在、区の中小企業融資においては、融資斡旋に際して、一定割合の利子補給や信用保証料の補助を行っているため、融資斡旋の前提として、区民税や国民健康保険料の納税状況等の確認を行っています。
 融資斡旋に際しては、区民税や国民健康保険料の完納が原則となりますが、仮に完納していない事業者であっても、区の税務課や国保年金課において、分割納付の誓約を行い、資金使途が明確な場合には、現在でも融資斡旋を行うなど、区内中小企業の資金繰り円滑化のため、最大限の配慮を行っているところであります。

《質問》

 大きな第二に、介護・福祉・保育などの労働条件と賃金底上げで区民サービス充実を図ることです。
 まず、介護にかかわる労働条件の改善です。
 政府与党は、10月30日新年度の介護報酬を3%引き上げる方針を明らかにしました。介護労働者の待遇改善は、介護を受ける区民への人間らしいサービス提供のための前提条件ですが、この間、2回で5%近い介護保険報酬の引き下げがあり、現場や関係者からは、最低でもそれ以上の引き上げが必要だと声があがっています。同時に、利用者のサービスにはね返る仕組みであるだけに、報酬の単純な引き上げは、利用料の引き上げで、サービスの利用抑制につながりかねません。施設と在宅の介護労働者の実態調査も行い、介護労働者の賃金底上げと国庫負担の割合を増加させる対策を取る必要があります。政府にこの点を求めるべきです。伺います。
 また、区立特養ホームに今年度一定の助成を実施していますが、「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」が全国の老人ホームの施設長に行ったアンケートに1712人の施設長が回答し、その内約65%の施設長が必要な給与改善は3万円以上と答えています。介護を支える労働者の給与の底上げ対策を検討して新年度予算に計上することを求めます。
 また、この中で住宅費助成も区内に住んで頂いて地域経済に貢献するという点でも良いもので検討を求めます。
 三点目に、認可・認証保育園の保育士などの給与の実態調査と底上げについてです。民間の認可・認証保育所では、低賃金や過密労働のもとでも水際で保育者が子どもたちの成長と安全のためにがんばっています。しかし、保育者の労働条件が十分でなければよりよい保育環境を維持することはできません。労働環境が不十分ななかで離職率が高く、保育士の定着も損なわれています。
 区内の保育労働者の賃金などの実態調査を行い、底上げ対策を求めます。またよりよい保育の実践を保証する予算も付けて研修制度を取り入れることを求めます。

《答弁》

【福祉部長答弁】
 はじめに、介護労働者の賃金底上げに関するご質問についてお答えいたします。
 介護事業者や介護従事者を支援し、育成を図ることは、介護保険制度を維持し、区民の皆様に住みなれた地域で安心して暮らしていただくために、非常に重要な課題であると認識しております。
 東京都では、当区を含め、都内の特別養護老人ホームや老人保健施設、都内及び近隣県の小規模多機能型居宅介護事業所等の実態調査を行い、平成十九年度と二十年度に、介護報酬のあり方について、国に見直しなどを提言しました。
 特別区長会におきましては、都市部の実情にあった介護報酬の加算率の改定や、報酬改定に伴う利用者への直接的な影響の抑制について、本年七月に国へ要望いたしました。
 また、特別区議長会からも、八月に、報酬改定や介護職員の労働条件の整備、待遇改善等について、要望が出されました。
 こうした中で、国においては、プラス三%の介護報酬改定と、これに伴う保険料の上昇を段階的に抑制する経過措置として、国費による軽減策を検討しております。
 区といたしましては、今後も国の報酬改定に向けた動向を注視してまいります。

【福祉部長答弁】
 次に、介護労働者の給与底上げのための区の施策等に関するご質問についてお答えいたします。
 介護保険制度は、国の定める介護報酬のもと、多様な民間事業者の参入促進が図られ、効率的で良質なサービスが追求されることが前提となっています。介護サービスを利用しようとする人は、介護報酬に基づく一定の負担で、区内外の様々な事業者が提供するサービスを選択することができます。
 介護報酬は介護保険制度の根幹となるものであり、国において適正な水準を十分に検討して定められるべきものと理解しております。
 区におきましては、介護保険事業者への支援として、研修などのスキルアップ支援のほか、外部の専門家による経営や法律、税務等に関する指導・相談事業を実施しております。
 今後も、国の介護報酬改定の動向を踏まえつつ、介護事業者の経営安定に向け、区として必要な支援策を検討してまいりたいと存じます。

【子育て支援部長答弁】
 民間認可・認証保育園の保育士などの給与の実態調査を行い、底上げを行うべきとの質問にお答えします。
 公設民営保育園や私立保育園については、国及び東京都の基準に則り、また認証保育所については、東京都の補助要綱に基づき、人件費を含めて必要な運営費を算定するとともに、それぞれについて区独自の加算を行い、保育サービスの充実に努めております。
 また、日頃から担当係長や職員が保育園を訪問したり、毎月開催している園長会を通して意見交換や情報交換を行い、運営状況の把握に努めているところです。
 区といたしましては、今後とも、必要な運営費を補助するとともに、保育の実態把握に努め、民間認可保育園や認証保育所が特色を生かした質の高い保育サービスを提供できるよう必要な支援に努めてまいります。
 続きまして、研修制度に関するご質問にお答えいたします。
 研修については、これまでも、保育水準のより一層の向上を図るため、区立保育園と民間認可保育園が協力し合い、効果的な研修に努めております。今後とも、公民共同研修の充実に努めるなど、区全体の保育士の資質向上に取り組んでまいります。

《質問》

 大きな第三に、この間の医療改革についてであります。後期高齢者医療制度導入だけでなく、療養病床の食事代・居住費の有料化、特定健診の導入と後期高齢者の健診の自治体任せや介護施設利用者の排除、保険料の賞与の負担見直しなど値上げ、広域連合の導入による区民の意志が遠のくこと、さらに、後期高齢者医療制度によって、健保組合の支援金の増加による、相次ぐ解体も起こっています。一方では、医師不足で患者のたらい回しや医療阻害とくに、周産期医療体制の問題がクローズアップされています。
 結局、現役世代も高齢者も負担増と医療の抑制にさらされているのが現実です。そんな中で麻生首相は、「医師には非常識な人が多い」と発言。陳謝撤回しましたが、暴言と言うにとどまらず、現場で過労死にさらされながら必死の医療活動に携わっている医師や看護師に対する冒とくで、患者の命と健康に献身する気持ちを逆なでし、心を折るような許し難い発言であります。
 荒川区国保の無料健診が10月で終了しましたが、対象外になっていた途中転入者の健診を求めたことに対し、新年1・2月に実施出来る段取りになったことは評価します。11月からは社保の家族の検診が始りました。組合健保など財政力があるところは、検診費用も自己負担なしで実施していますが、中小、零細企業の政管健保の家族のみなさんは、これまでの区の健診の対象からはずれ、しかも4750円を負担しないと検診が受けられないことがわかってきました。区内の医療機関に聞いてみても政管健保の家族の方の受診が極端にへっているというのです。
 政管健保は「協会けんぽ」と民間に切り替わり、健診票を受け取るにも煩雑な仕組みとともに、自己負担が健診を遠のかせています。年度末に終わってみないと正確にはわかりませんが、政管健保本人や家族の健診がすぽっり抜け落ちてしまうとしたら、生涯健康都市を標榜する荒川区として見過ごしにできない問題だと思います。
 政管健保の家族の皆さんの検診がこれまで通り維持できるかどうか、現場調査を行い、必要な支援・助成など早急に検討すべきと思います見解を伺います。
 また、北区では検診内容を国保健診並に実施する追加券を発行しているようですが、このような対策をとる考えはないか。伺います。
 二点目として、2年前の診療報酬の改定によって看護師不足のなかで奪い合いが発生し、看護師の体制を確保できなかった病院では、ベッドの縮小や病院そのものの廃止など深刻にあらわれています。このような中で汐入地域に救急指定や産科、小児科を標榜して進出しようとしていることに関係者からも困難が大きいのではないかと予測がされています。そこで、区内の医療機関で看護師確保のための院内保育や病児保育への要望などの実情を把握し、区として可能な支援策を求めたいと思います。
 二点目として後期高齢者医療制度に対して、浦安市では、賢人会議を開き東大・神野直彦教授などが、市のホームページで「この制度は、市民の生活さらには、日本国民の生活に対する安心の給付を破壊しかねない医療保険制度の改革であり、浦安市賢人会議は、あえて深い悲しみを込めて、後期高齢者医療制の導入に抗議する」として、本制度にきっぱりとした批判を行っています。西川区長にはそのような考えはないか。伺います。
 医療問題の最後に、医療制度改革によって、全世代に負担増が求められ、一方では医師や看護士の養成を抑制してきて、診療抑制が深刻になり、さらに組合健保なども解散に追い込まれています。これでは、必要な医療を提供しつつ持続可能な制度とは言えないのではないか、区長としてきっぱりとものが言えるか?伺います。

《答弁》

【健康部長答弁】
 医療改革に関するご質問のうち、旧政府管掌健康保険の家族の方の受診率を維持すべきとのお尋ねにお答えいたします。
 先の医療制度改革に伴い、これまで区の基本健診を受けられていた旧政府管掌健康保険の家族の方は、本年度から、保険者である旧政府管掌健康保険が主体となって行う特定健診を受診されることになります。
 政府が運営していた健康保険は、本年十月から、新たに設立された全国健康保険協会に運営主体が移行しており、この協会健保が保険者として行う家族の方を対象とする特定健診については、既に各地区の医師会と集合契約を締結し、荒川区内の医療機関におきましては、十一月から来年三月まで実施することとなっております。
 その健診内容につきましては、協会健保では、荒川区の国保の特定健診とは異なり、国基準の健診項目としていると聞いております。
 区といたしましては、区内の協会健保の家族の方の受診率を把握することは困難と思われますが、全ての区民の健康増進を図るという観点から、協会健保の家族の方の健診内容のあり方など、今後、他区の状況も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。

【健康部長答弁】
 次に、医療機関における看護師確保に関するご質問にお答えいたします。
 平成十八年四月の診療報酬改定に伴い、入院患者に対する看護師の配置割合の高い医療機関に、より多くの診療報酬が配分されるようになり、看護師を大幅に採用する医療機関が増加し、看護師不足による地域医療への影響が懸念されているところです。
 このため、東京都では、看護師の確保を図るため、平成十九年度から「看護職員地域確保支援事業」を実施し、未就業の看護師が、身近な地域で再就業できるよう、必要な知識・技術の習得や再就業支援の相談など、きめ細かな環境整備に努めております。
 また、都内の病院や診療所に従事する職員のために、保育施設を運営する医療法人等に対する費用助成も実施し、医療従事者の離職防止と再就業の促進を図っているところです。
 区といたしましては、このような東京都で取り組んでいる事業に協力していくとともに、区内の医療機関の状況の把握に努めてまいりたいと考えております。

【福祉部長答弁】
 浦安市の賢人会議に関連してのご質問にお答えいたします。
 浦安市の賢人会議につきましては、市の施策等に関して、幅広い外部の視点や専門的視点に基づき学識経験者等から意見聴取を行う目的で設置されたものであり、後期高齢者医療制度に関する意見が提出されたと聞いております。
 荒川区におきましては、後期高齢者医療制度の発足前に、国の財源負担や保険料設定などに改善すべき点があったため、西川区長を先頭にして、特別区長会や広域連合協議会の場などにおいて、強く改善を求めその是正を図りました。
 今後も、後期高齢者医療制度対策本部において制度の調査研究を行うとともに、有識者などの意見も聴き、改善すべき点があれば、国や東京都などに対して強くその是正を求めてまいります。

【区長答弁】
 医療制度改革についてのご質問にお答えいたします。
 我が国の医療制度は、国民がいずれかの公的医療保険に加入し、医療機関で保険証を提示することにより、一定の自己負担で必要な医療を受けることができる国民皆保険制度となっており、この制度のもとで、世界最高水準の平均寿命や高い保健医療水準を実現してきました。
 しかしながら、急速な少子高齢化、経済の低成長への移行、国民生活や意識の変化など、大きな環境変化に直面し、国民皆保険制度を維持し、医療保険制度を将来にわたり持続可能なものとしていくために、その構造改革が急務になりました。
 このため、国において、平成十八年六月、医療制度改革関連法が成立し、「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」「医療費適正化の総合的な推進」「超高齢社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現」を柱とする、総合的な改革が進められることになりました。
 私も、区民の健康を守り、安心を確保していくためには、医療制度の見直しを行い、国民皆保険制度の維持を図る構造改革は避けられないものと考えております。
 例えば、後期高齢者医療制度は、構造改革の一環として、高齢者と現役世代の負担を明確化するなど、従来の老人保健制度の問題点を改善し、医療保険制度を持続可能なものとする目的で実施されたものであると承知しております。
 しかしながら、制度の発足にあたり、国の財源負担のあり方や保険料負担の設定などに改善すべき点があったため、私は、特別区長会や広域連合協議会の場において、強く改善を求め、その是正を図りました。
 今後も、医療制度改革の進展に伴い、後期高齢者医療制度の発足時と同様に、様々な課題や問題点が生じることが予想されます。また、私は、医療制度改革の実施により、制度を将来にわたり持続可能にするだけでなく、区民に対するサービスの維持、向上が図られることが極めて重要であると考えております。
 このため、基礎自治体の長として、制度について改善すべき点があれば、国や東京都に対して強くその是正を求めてまいる所存でございます。

《質問》

 第四に介護保険についてであります。
 07年の家族のいる方の生活援助について、厚生労働省通知では、「障害、疾病のほか、障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合」に行われることとしている。
 この趣旨は、同様のやむを得ない事情とは、障害、疾病の有無に限定されるものではなく、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるというものである。したがって、市町村においては、同居家族等の有無のみを判断基準として、一律に介護給付の支給の可否を機械的に判断しないようにされたい。としています。区もここ具体的な判断をすると答弁していますが、実際に、区内で家族がいらっしゃる方で介護保険利用者数はどの程度なのでしょうか、一律排除は行っていないとうるのであれば、具体例などの例示を行い、居宅介護支援事業者が必要な方に必要なサービスを提供できるように改善を求めるものです。
 また、来年度の介護保険料の設定にあたって、一般財源も投入してでも生活保護基準を下まわる生計費しか確保できない低所得の高齢者には、事実上の無料設定をすべきと考えますが、検討を求めます。

《答弁》

【福祉部長答弁】
 次に、同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等に関する区の基準などを事業者に明示すべきとのご質問にお答えいたします。
 介護保険制度における訪問介護については、厚生労働省から、利用者が一人暮らしであるか又は同居家族等の障害、疾病の有無に限定されるものではなく、適切なケアプランに基づき、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるものである旨、事務連絡が出されております。
 区においては、当該通知が出される以前から、訪問介護等の運用については、画一的に判断すべきではなく、要介護者等の心身の状態や生活状況等を総合的に勘案して個々の事例ごとに判断すべきこととして、考え方のポイント等を整理し、質疑応答集にまとめて事業者に周知しております。
 また、生活援助は、利用者の状態の変化・改善を把握し、ケアプランの見直しなど適切なケアマネジメントが行われることが基本であるため、介護事業者等の相談には、事例に応じてきめ細かに対応するよう努めております。
 今後、今年度導入した介護サービス事業者情報提供システムを利用したタイムリーな事例紹介や情報提供を進め、区民の皆様に適切なサービスが提供されるようさらに努めてまいります。

【福祉部長答弁】
 次に、第四期介護保険料設定についてお答えいたします。
 介護保険は、介護を国民皆で支え合う制度であり、保険料を支払った人に必要な給付を行うことが前提となっております。このため、厚生労働省から、低所得者に対して保険料の全額免除といった方法をとることは適当ではないと示されています。
 区では、現在、所得の最も低い段階である保険料負担第一段階及び第二段階の方々にも、保険料を基準額の二分の一に減額して負担していただいております。
 また、基準額の四分の三を負担いただくこととしている第三段階の方で、収入が百二十万円以下で貯蓄が六十万円以下の方について、基準額の二分の一にするという軽減策を講じております。
 今後ますます高齢化が進むと見込まれる中、区民に必要な介護を提供していくために、介護保険制度の原則を踏まえつつ、所得に応じた適切な負担のあり方について十分に検討し、第四期の保険料を設定してまいります。

《質問》

 第五に、高齢者・障害者の生活の安定のためにも生計費と家賃負担のあり方の目安、基準を設定して、その観点に立って、家賃助成の実施を求めるものです。住宅スタープランの策定も行われておりますが、特に、高齢者・障害者の住宅の耐震化の必要性とともに、所得減少が続く中で、住宅費は、切りつめられない負担であり、生活の安定のために支援をすべきであります。見解を伺います。

《答弁》

【福祉部長答弁】
 高齢者・障害者に対する家賃助成についてのご質問にお答えいたします。
 世界的な資源高騰や金融危機等の影響により、厳しさを増す社会経済状況の中で、先行きの生活に不安を感じている区民の皆様が、住み慣れた地域で、安心して、暮らし続けられることが、今、区政に求められております。
 とりわけ、弱い立場にある高齢者や障がい者が安心して暮らせるよう、関係施策の充実・強化を図ることが、区政の重要な課題の一つになっております。
 こうした基本的な考え方により、既に西川区長の下命を受け、住宅に困窮している、所得の低い高齢者世帯等に対し、低廉な家賃で、良質かつ防災上も安心できる住宅に居住していただくための新たな支援策を検討してまいりたいと考えております。
 なお、生計費に占める家賃の適正割合につきましては、生活様式や家族形態等が多様化している中、一律に定めることは困難であると考えております。

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2008年第3回定例会

2008年 第1回第2回第4回



【小林行男区議】

  1. 区民の命・健康を守るために
    1. 後期高齢者医療制度を白紙にもどし制度を見直すべきではないか
    2. 年度途中に国民健康保険に加入した区民の特定健診が受けられるように政令改正を政府に求めるとともに区として実施方策を検討すること
    3. 妊婦健診の負担の実態を調査し、実質無料になるように制度を充実すること
  2. 区民生活のセイフティーネットづくりについて
    1. (仮称)重度要介護高齢者への手当制度創設の検討結果を問う
    2. 介護保険料の低所得者への免除制度実施を求める
    3. 高齢者プランの見直しにあたって介護保険料値上げを抑制する国庫負担増加を求めるべき
    4. 「ふろわり200」の所得制限を撤廃し回数も増やすこと
    5. 自立支援法に基づく応益負担の廃止を政府に働きかけ合わせて区の独自軽減策の継続と負担「0」に充実すること
  3. 国民生活をあたためて地域経済活性化策について
    1. 住民生活と地域経済活性化のために個人消費、内需を喚起する経済政策が必要ではないか見解を聞く
    2. 区の指定管理、委託事業の賃金、労働条件を区が把握し、積算賃金を明示して確保すること。合わせて公契約条例制定を検討すること
    3. 商店会の街路灯電気代の補助をいっそう充実すること
  4. 平和事業の充実について
    1. 非核・平和行政として「原爆の火」の設置事業と空襲によって被災した樹木の保存の検討はその後すすんでいるか問う
    2. 子どもたちの広島平和ツアーなど多彩な平和行事を行うこと
  5. 放置自転車対策について
    1. 赤土小前、熊野前の自転車置き場に無料一時置き場を設置すること
    2. 駐輪場の完備を前提に利用料・撤去料のあり方を見直しすべき
  6. 西川区長は企業献金、政治資金パーテイを行わないと公約しているが変わりないか問う

《質問》

 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表して質問を行います。
 突然の福田首相の辞任表明、政権を投げ出すという無責任な態度。この一年間に安倍首相に続く異常な事態に国民の政治に対する失望と怒りは、沸騰しています。これは、これまでの小泉内閣が進めてきた「構造改革」の路線、弱肉強食の「新自由主義」の暴走がもたらした矛盾が国民生活のあらゆる分野で噴き出し、自民・公明政権の政治の行き詰まりがあらわになった事態だと考えます。
 政府与党は、小泉内閣以来の「骨太方針」で、社会保障費の自然増を毎年2200億円削減する政策をすえ、年金、医療、介護、障害者、生活保護など、社会保障の分野で負担増、給付減を押し付けてきましたが、この政策の矛盾が爆発したのが後期高齢者医療制度です。
 実施された4月1日以来、全国各地で「なぜ、後期高齢者を医療の中身を差別するのか」「これ以上の負担増は耐えられない」と日本列島騒然の状態が続いています。今年、75才になる人といえば、12歳という多感な時に敗戦を迎え、悲惨な空襲体験や肉親の多くを戦地で失った体験を持っている世代です。同時に戦後の国民皆保険を支えてきた世代でもあります。二十八歳の時国民皆保険制度が確立し、四十歳の時には、老人医療費が無料化されました。現役時代は、しっかり高齢者の医療を支えてきました。それがこの仕打ちです。また、現役世代にも影響を与え健保組合が負担に耐えられず、解散に追い込まれています。国民の怒りの声に押されて政府は、年金天引きの選択や減額処置の拡大など経過措置を追加すると言う小手先の手直しを行いました。荒川区でも、7月19日に保険料の納付通知が発送されて以来、7月中だけでも4200件をこす区民からの問い合わせと苦情が区役所に殺到しました。さらに、年金天引きの選択と保険料減額措置の送付と、お年寄りへの度重なる通知は、介護保険の納付通知なども含め、混乱に拍車をかけ、事務の増大を地方自治体に押し付ける結果となりました。
 区長は、第二回定例会で、わが党の横山議員の質問に対して「元に戻しても解決しません」との認識を示しましたが、それは、この制度の根本的間違いに目をつぶり社会保障切り崩しを容認する態度だと言わざるを得ません。
 医療改悪の集大成ともいえる後期高齢者医療制度は、何よりも医療費抑制・削減を目的としているため、75才以上という年齢によって今までの保険から切り離し、際限のない負担増を高齢者はもとより、現役世代にも求め、高齢者に差別医療を強いるものです。だからこそ、35都府県の医師会が撤廃・見直しを要求しています。後期高齢者医療制度を白紙にもどし制度を見直すべきではないでしょうか。改めて、区長の認識をお伺いします。
 同時に起きている医療改悪の中で、特定健康診査が新たな制度としてはじまっています。
 その中で、国保組合、健保組合などに加入していた75歳以上の方は、自分の意志とは関係なく4月1日から後期高齢者医療制度に移されました。そのため、家族は、74歳以下なら荒川区国民健康保険に転入することになります。しかし、加入日は4月2日になってしまい荒川区の健康診査が受けられなくなっています。これは、厚生労働省令でその年の4月1日現在に国民健康保険に加入している人を対象とするとし、それ以後の転入者や社会保険から離脱者は、排除してしまったからです。この人たちは、今年の10月まで行っている健診を受けることができません。こんな理不尽な事態が生まれています。
 年度途中に国民健康保険に加入した区民も特定健診が受けられるように政令改正を政府に求めるとともに区として実施方策を検討することを求めます。答弁を求めます。
 昨年の第2回定例会で私も質問した妊婦健診の負担軽減策は、今年度から実施し、大変歓迎されています。しかし、妊婦健診は、健康保険がきかず、自費診療であり、個々の病院、助産所などでの費用負担額の設定が異なっていたり、妊婦の個別の条件でもその頻度が異なることがあります。こうした実態を調査し、実質無料になるように制度を充実させていただきたいと思いますが、答弁を求めます。

《答弁》

【区長答弁】
 後期高齢者医療制度についてのご質問にお答えいたします。
 我が国の社会保障制度は、少子高齢化の進行など、社会・経済を取り巻く環境が大きく変化する中で、給付と負担のバランスや世代間・世代内の不公平を是正することなど、様々な課題に直面しております。
 私は、こうした諸課題を解決し、社会保障制度の持続可能性を確保していくためには、医療・介護・福祉の分野において、サービス提供体制と費用負担のあり方などを見直しする制度改革は避けられないと考えております。
 後期高齢者医療制度についても、こうした制度改革の一環として、高齢者と現役世代の負担を明確化するなど、従来の老人保健制度の問題点を改善し、我が国の国民皆保険制度を維持していく目的で実施されたものであると認識しております。
 制度の発足に当たり、国の財源負担のあり方や保険料設定などに改善すべき点があったため、私は、特別区長会や広域連合協議会の場、さらには、私の持つ様々なルートを通じ、国が負担すべきものは負担し、自治体や国民の負担が過重にならないこと、また、特定の自治体に負担が偏らないことなどを強く求め、その是正を図りました。
 しかし、現状においても、制度そのものやその後の国の対応などに対して、様々な意見や批判が寄せられております。私は、後期高齢者医療制度を廃止し、老人保健制度に戻しても、問題は解決しないと考えております。
 最も重要な点は、自治体として本制度を運用していく中で、制度の持つ課題を発見し、その改善を図っていくことであります。区民や議員の皆様からのご意見を踏まえ、私が本部長を務める後期高齢者医療制度対策本部において、制度の内容や運用方法、周知方法等についての議論を行い、区としてできることについては積極的に取り組むとともに、持続可能な社会保障制度とするために、引き続き、国に対して、制度の不断の見直しを行うことによって、国民の理解・協力・納得が得られる仕組みにしなければならないと具申してまいります。

【福祉部長答弁】
 次に特定健康診査についてのご質問にお答えいたします。
 特定健康診査は、これまで老人保健法に基づいて実施してきました基本健康診査に代わる健康診査として、今年度から開始されました。各医療保険者が実施主体となり、四〇歳から七十四歳の被保険者を対象に、生活習慣病を予防するための内臓脂肪症候群に着目した健診として実施するものであります。
 区においては、厚生労働省令に基づき、当該年度の四月一日における国民健康保険の加入者を対象者として実施しております。こうしたことから、転入や社会保険の離脱などの事由により、年度途中に新たに区の国民健康保険に加入された方は、この健診の対象から外れることとなります。
 こうした特定健診の対象から外れた方の健診については、実施方法や実施期間等の課題を整理した上で、来年度以降はもとより、今年度の対象者につきましても、できるだけ対応する方向で検討を進めてまいります。

【健康部長答弁】
 区民の命・健康を守るためにのご質問のうち、妊婦健康診査に関するお尋ねにお答えいたします。
 荒川区では、母体や胎児の健康の確保と子育て支援の充実を図るため、本年四月から、妊婦健診の公費負担の回数を、昨年までの二回から十四回に大幅に拡大したところです。
 そして、これまでと同じく、都内全域の医療機関で使用可能な受診券方式を採用し、その受診券に記載された標準的な健診項目については、無料で健診を受けられるようにしております。
 一方、妊娠中の経過は妊婦により異なっており、妊婦健診のたびに、医師の判断により健診項目以外の検査が必要となることもあります。また、医療機関によって、検査以外の指導料として本人負担が生じることもあります。
 区といたしましては、妊婦健診の公費負担のあり方につきまして、今後の国の動向を見守りながら、引き続き検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

《質問》

 次に区民生活のセイフティーネットを保証する重点施策について伺います。
 ワーキングプアーの増大など低収入・収入減、税金・保険料の負担増、物価高の三重苦が国民生活を圧迫しています。荒川区でも、国民健康保険料の滞納の増加、資格証明書の発行は、毎年1000世帯にも上ります。
 新年度予算の編成や、高齢者プランの改定・介護保険の第4期計画が間じかに迫っています。本来、生活保護基準以下の収入の方から保険料を取ること自体間違っています。さらに、生活保護すら高齢者加算、母子加算などもはずすなど、憲法25条を踏みにじり、人間の尊厳をも奪いかねる事態が続いています。
 今、補正予算でも、基金の積み立ては、毎年毎年増額を続け、一時的にせよ300億円にも上ろうとしています。こうした財政力を区民生活に振り向けることこそ、基礎的自治体の責務ではないでしょうか。
 私の知り合いの高齢者世帯では、無年金の80代の夫婦と娘さんの三人家族、妻は要介護4でサービスの利用限度を超えて、ホームヘルプサービス、ディサービス、月一回のショートスティを利用して、他の制度を活用しても月3万数千円の利用料を支払う生活です。無年金者のこのような方でも保険料は月額4000円、二人で8000円、ここに新たに後期高齢者医療の保険料の負担増がのしかかります。これまでの蓄えの取り崩し、娘さんからの援助に頼る生活です。これでは、三人とも共倒れになりかねません。
 わが党が繰り返し求めてきた。重度の介護を必要とする高齢者と支えるご家族への激励となる(仮称)重度要介護高齢者への手当ての制度。予算特別委員会では区長は検討に値すると答弁してきましたが、検討結果はどうなっているでしょうか。答弁を求めます。
 また、年収120万円以下、預貯金300万円以下の方の介護保険料の免除制度の実施を求めます。
 必要なサービスが提供できているか。保険料、利用料の負担は大丈夫か。特養ホームを一つ、建設すると保険料が一人当たり150円上がると想定され、また、高齢者人口が増えると保険料に跳ね返る仕組みの改善を国に求め、高齢者プランの見直しにあたって、介護保険料値上げ抑制のために国庫負担の増加を求めるべきです。答弁を求めます。
 次に銭湯の入浴料も今年になって430円から450円へ値上げせざるを得なくなりました。利用者にもお風呂屋さんにとってもこの値上げは、大変なものです。だからこそ、「ふろわり200」は、高齢者のみなさんから歓迎されています。一方で銭湯を経営する方も、A重油の価格の大幅上昇などで経費がかさむ。利用客が減少する。経営そのものが成り立たなくなり、区内でも毎年毎年銭湯が一つ一つ減っていく姿を目のあたりにしています。
 区民も利用回数をも考えてしまう経済状況です。「毎日お風呂で健康長生き」といきたいものです。お隣の文京区では、全区民対象に月二回100円、それに加えて、60才以上なら週一回、100円で入浴できるようにしています。荒川区も、もっと区民に利用していただいて、健康増進と交流、そして銭湯そのものの営業の安定を図るためにも、「ふろわり200」の所得制限を撤廃し、週一回にとどめないで、回数を増やしていただきたい。答弁を求めます。
 障害者自立支援法ができて3年目、依然として全国の障害者団体のみなさんをはじめ、地方自治体などが応益負担に対して反対の声を上げています。障害者に一律1割の負担を求めたことがいかに障害者の働く意欲、自立を妨げるような結果になったか、一目瞭然です。荒川区も、関係者の声に押されて、3年間の経過措置として3%負担に軽減してきました。政府も低所得の負担上限額の緩和。所得の見直しなどをおこなった緊急措置を7月から実施しました。
 しかし、負担をゼロに戻すことこそ、本来の姿であり、改めて国に自立支援法にもとづく応益負担の廃止をはたらきかけ、あわせて区の独自軽減策の継続と負担「0」に充実することを求めます。

《答弁》

【福祉部長答弁】
 次に、重度要介護高齢者への手当制度創設についてお答えいたします。
 介護保険制度には、介護サービスの利用料が負担限度額を超えた場合に払い戻される制度や、施設入所の方で所得の低い方には、所得に応じて負担限度額が設けられているなど、一定の負担軽減策があり、所得に関わらず一律に現金支給することは好ましくないと考えております。
 区といたしましては、重度の高齢者といっても、状態は個々様々であり、それぞれの状況を踏まえた対応が必要であると認識しており、個別事情を汲みながら、区の様々な行政施策と連携して、区民の皆様の生活を支えていくことを基本としてまいります。

【福祉部長答弁】
 次に、低所得者の介護保険料免除についてお答えいたします。
 介護保険制度は、すべての国民が互いに支えあうことを理念としており、その能力に応じた負担をしていただくことが基本となっております。そのため、保険料の全額免除や保険料減免分に対する一般財源の繰入といった方法で、保険者が単独で減免することは適当ではない、とされています。また、保険料の免除ではなく制度の枠外で現金を支給することも、結果的に保険料の免除と同じで、制度の理念に反することとされています。
 区では、現在、所得の最も低い段階である保険料負担第一段階、第二段階の方々にも、保険料を基準額の二分の一に減額して負担していただいております。
 また、基準額の四分の三を負担いただくこととしている第三段階の方で、収入が百二十万円未満で貯蓄が六十万円未満の方について、基準額の二分の一にするという軽減策を講じております。
 さらに、平成十八年度からは、標準的には六段階の保険料区分を八段階に設定することで、より能力に応じた形での保険料負担となるように努めているところでございます。
 区といたしましては、今後も、このような様々な軽減策等を講じた上で、介護保険制度の理念に沿った運営に努めてまいります。

【福祉部長答弁】
 次に、介護保険料値上げを抑制するため、国庫負担を増やすべきとのご質問にお答えいたします。
 介護保険制度は、自助を基本としながら相互扶助によってまかなう、負担と給付の関係が明確な社会保険方式が採用されています。
 介護サービスに要した費用の一割を自己負担、残る九割を給付とし、給付の二分の一を国・都・区の公費負担、二分の一を四十歳以上の全国民の保険料で充てる現行の枠組みは、その理念を反映したものであると理解しておりますが、この構成割合につきましては、介護報酬や保険料の設定とあわせて議論すべき課題であると考えております。

【福祉部長答弁】
 次に、「ふろわり二〇〇」についてのご質問にお答えいたします。
 区では、高齢者の健康の保持・増進や地域における区民のふれあいを促進することを目的に、満七〇歳以上を対象とする「高齢者入浴事業」を本年度から開始したところであります。幸いにして区内の高齢者のご好評を得て、既に千八百人以上の方がご利用になっているところです。
 この事業では、対象者を前年度の住民税非課税者に限定しており、また、公衆浴場の利用回数を週一回としていることから、窓口等におきまして、区民から所得制限の撤廃や利用回数の見直しについての要望が寄せられております。
 こうした区民の要望や区議会の意見を踏まえ、現在、所得制限のあり方や利用回数につきまして、検討を進めているところであります。

【福祉部長答弁】
 次に、障害者自立支援法に関する利用者負担等のご質問にお答えいたします。
 区では、障がい者が住みなれた荒川区で、安心して生活していただくために、障害者自立支援法の施行当初から、障害福祉サービス利用時の負担軽減並びに通所サービス利用における食事代の負担軽減など、全国の自治体に先駆けて荒川区独自の激変緩和策を実施してまいりました。
 一方、国におきましては、十九年四月からと本年七月からの二回にわたって、障がい者や事業者の置かれている状況を踏まえ、利用者負担の見直しを行い、負担軽減策を実施したところでございます。
 このような軽減策を国が実施する中、区は国の対象とならない世帯につきましても軽減の対象としており、幅広く障がい者全体の負担を軽減する制度であると認識しております。
 区といたしましては、今後の法律改正と国の動向を注視しつつ、今後の軽減策を検討するとともに、必要に応じて国や東京都に対して意見・要望を伝えてまいる所存でございます。

《質問》

 次に、大企業言いなりの政治は、雇用のルールを破壊し、リストラ・合理化を推進、派遣労働など規制緩和を推し進め、低賃金労働者を増大させ、外資への競争力強化といっては、大企業・大資産家には、約7兆円もの減税を推進。その結果、トヨタ自動車は、約二十年間で経常利益は2.2倍になったのに、納税額は、二割減、勤労者の給与水準は低下する一方役員報酬は引き上がり、株式配当は7.7倍となっています。大企業は空前のぼろもうけを続けたが、国民生活の実態は、実質消費支出は今年に入って一年前に比べてマイナス1.8%で四ヶ月連続前年を下回りました。実質所得はこの9年間、下降線をたどる一方です。六月の完全失業率は、4.1%、自殺者は10年連続で3万人を越えるなど、国民の苦しみは極限まで来ているのではないでしょうか。
 さらに、今年に入ってから家計に重くのしかかっているのが、原油の高騰、食品の値上げ、7月の消費者物価指数は、前年同月比2.4%増と10ヶ月連続上昇・約16年ぶりの高水準になっており、九月に入っても、この間、上がり続けてきた食料品に加え、自動車や冷蔵庫など耐久消費財にも波及ししてきています。
 区内でも、ある運送会社の方にお話を聞いたところ、ガソリン代の値上げの影響はひどいものだが、それ以前に「物が動かなくなっている」どの業種でも深刻な事態になっていることを感じるといっていました。
 飲食店でも、ラードの食材費など高騰を続け、しかし価格には反映できない。持ち出しが続く。また商店会の衰退も深刻であります日ここ数年、商店会のシャッター通りから商店会そのものがなくなるという事態に、店舗がなくなり、そこにマンションの建設、コインパーキングになるなど、従来の会員が減り、大手チェーン店など入会しないなど、会費納入の減少などで独自の運営にも支障を来す事態になりつつあります。
 現に荒川区の小売店を見ても、一九九九年に二千四百七十九軒、従業員数で一万八千七百二十三人だったものが、二〇〇七年には千八百六十八軒、従業員数一万五千八百六十五人と大幅に減っております。住民生活と地域経済活性化のために個人消費、内需を喚起する経済政策が必要ではないでしょうか。区長の見解を求めます。
 わが党は、貧困の根源に、非正規雇用が労働者全体の三分の一、若者では、二分の一を占めるといった雇用のルール破壊があることを告発し、人間らしく働ける労働のルールをつくるために努力してきた。全国の労働者のたたかいの中で、政府与党も「日雇い派遣の原則禁止」の法案も準備するという規制緩和から規制強化へ「潮目の変化」を生んでいます。しかし、期間社員、請負など使い捨て雇用の問題は残されたままです。正規社員化を進めていくことが必要です。日本経済の安定のうえでも内需を拡大していく上でも重要だと考えます。
 官製ワーキングプアーという言葉も生まれ、荒川区の事業に係わる雇用のあり方も問われています。
 この間、荒川区は、高齢者・障害者・保育をはじめ多くの事業に対して、指定管理者制度の導入や民間委託を進めてきました。事業を任された指定管理の民間事業所、民間会社では時給900円程度のパート、アルバイト対応が増えており、毎週のように募集広告が繰り返し掲載されています。また、再委託なども当たり前のように行われています。また、区役所本体でもいまや非常勤は、比率は全職員の4割程度にまで及んでいます。
 地方自治体が直接責任を持つ仕事の周りからも労働実態をしっかり点検、見直すことが重要になっています。
 区の指定管理、委託事業の賃金、労働条件を区が把握し、積算賃金を明示して確保すること。合わせて。公契約条例の制定を検討することを求めます。
 商店会は、地域の顔、地域社会を支えてきた、そしてこれからも下町荒川の人情をはぐくむ大切な社会資源であることは間違いありません。自主事業を支援することはもちろんのこと。負担の軽減をさらにひろげるために、今年に続き、商店会の街路灯電気代の補助をいっそう充実させることを求めたい。答弁を求めます。

《答弁》

【産業経済部長答弁】
 住民生活と地域経済活性化のために個人消費、内需を喚起する経済政策が必要ではないかとのご質問にお答えします。
 国内の景気回復力が弱い中で、米国のサブプライムローン問題に端を発した世界経済の成長鈍化と世界的な資源・食料価格の高騰の影響を正面から受け、日本経済は厳しい局面に立たされています。このような局面に到ったのは、今般の景気拡大が外需主導によるものであったことも一因であるとの指摘がなされています。
  国内景気の回復のためには、こうした世界全体の構造的な価格体系の変化に対して、生産・需要サイド双方における適切な対応を進め、内需主導による足腰のしっかりとした新たな経済成長へと結びつけていくことが重要であろうと考えております。
  このようなことから、ご質問の個人消費、内需を喚起する経済政策に関しては、国レベルでの迅速かつ的確な対応が図られることが必要であると認識しております。
  政府においては、先般、物価高や原油高への対応を柱とした総額十一兆七千億円規模の総合経済対策を決定したところであり、東京都においても、中小企業支援や雇用対策、新型インフルエンザ対策などを盛り込んだ九百三十五億円の大型補正予算案を発表したところです。
 また、荒川区においては、七月十五日から「原油・原材料高緊急対策融資」を実施し、これまで約二百三十事業者に対し十億円超の融資斡旋を行っています。
  区としましては、景気の先行きが不透明であることから、景気動向を注視しつつ、国、東京都などの対策と連携をとり、引き続ききめ細かな支援を実施して参りたいと考えております。

【管理部長答弁】
 区の指定管理事業や委託事業における賃金や労働条件の確保に関するご質問にお答えいたします。
 指定管理制度や事業委託の導入については、民間事業者の多様な事業経験やノウハウを活用することにより、効率的で良好な区民サービスの提供を図ることを目的としております。
 区といたしましては、区の指定管理事業や委託事業の従事者はもとより、全ての労働者が最低賃金法や労働基準法等に基づく適正な雇用条件の下で仕事を行うことは重要なことであると認識しております。
 同時に、区による賃金や雇用条件の義務付けは、事業活動を必要以上に制約し、指定管理制度や事業委託の効果を損なう恐れもあり、難しいものと考えております。
 また、公契約条例の制定につきましては、これまで委員会審議の際にもお答え申し上げましたように、公契約に係わる特定の労働者のみを対象とした賃金保障等を行うことの是非や、現在の法体系の下で、区としてどこまで実効ある条例の制定や制度の構築ができるのか、未だ整理すべき課題が多いものと考えております。
 区といたしましては、今後とも適正な発注価格の設定や法令遵守の指導を行うとともに、受託事業者による履行状況を把握し、法令や契約に従った良好な履行が確保されるよう、対応を図ってまいりますので、ご理解をお願いいたします。

【土木部長答弁】
 商店会街路灯についてのご質問にお答えします。
 商店会街路灯の電気代補助につきましては、昨年までの四分の一の補助から、商店会の街路灯が、まちの暗がり対策としても貢献していることを考慮し、今年度より、四分の三に増額をしたところでございます。
 今回の補助金の増額につきましては、商店街連合会の理事会等でもご説明し、各商店会から喜ばれておりますので、このまま継続してまいります。

《質問》

 本日は7年前、世界を震撼させた卑劣な9.11同時多発テロが起た日であります。そして、このことを口実としたアメリカの無法な報復戦争は、今でもアフガニスタン、イラクで憎しみを広げ、テロと暴力の悪循環が深刻化する悲惨な状況が続いています。先日もアフガニスタンへの農業支援のNGOの日本人青年が殺害されるという痛ましい事件が起きました。
 戦争は、テロと暴力の土壌をひろげるだけです。テロの温床となっている貧困などの問題に対して有効に対処できる平和的手段でこそ解決の道が開けます。
 また、世界の脅威になっている核兵器をめぐる動きは、アメリカのシュルツ元国務長官などアメリカ政府の中枢にいた4氏が核兵器廃絶を呼び掛けるようになったり、被爆地・広島・長崎市長が提唱する「平和市長会議」は130カ国2317都市、国内132県、市、町、村加盟するに至っています。広島市長は「核兵器から市民を守るには核兵器廃絶しかないというのが心理だ」と言います。私もそう思います。
 荒川区は1995年に「平和宣言」を行いました。平和であり続けるためには「平和の尊さ」を繰り返し実感する取り組み、平和市長会議が提唱する核兵器廃絶へのアピールなどの意思表明など粘り強い取り組みが必要です。区のこの間の取り組みを見ますと8月15日正午の黙祷の実施など、継続して意識化されているものは、評価できるものの、年々弱まってきているのではないかと感じます。風化をさせてはなりません。
 東京空襲の初被弾地になった荒川区、戦争体験、被爆の実相を直接語りつなげるのも、わずかな時間になりつつあります。ふさわしい住民参加の平和事業を計画したらどうでしょうか。
 わが党がこれまで提案してきた非核・平和行政として「原爆の火」の設置や空爆によって被災した樹木の保存の検討はその後、進んでいるのでしょうか。お答えください。
 また、子どもたちの広島平和ツアーなど多彩な平和事業をおこなうこと。答弁を求めます。

《答弁》

【総務企画部長答弁】
 平和事業に関するご質問にお答えいたします。
 荒川区は、戦後五十年にあたる平成七年に、人類の幸福と世界の恒久平和を願って、「荒川区平和都市宣言」を行いました。
 また、区民向けの講演と映画の集い、学童疎開や東京大空襲の経験者による小学校での講演、ふるさと文化館や図書館での平和関連展示等の平和事業を実施してまいりました。
 ご提案をいただいた福岡県星野村で守り続けてきた「原爆の種火」をはじめとする「原爆の火」、戦争を生き延びた被災樹木の保存、子どもたちの平和ツアーについては、それぞれ平和について理解を深める上で有意義な素材であり、今後も調査・検討を続けてまいります。
 区といたしましては、平和への取組みの重要性は十分に認識しているところであり、「荒川区平和都市宣言」の理念に沿ってこれからも区民とともに、平和を願い、平和を育んでまいる所存でございます。

《質問》

 次に放置自転車対策についてお伺いします。
 毎年多額な費用が費やされてもなかなか改善されないのが現状ではないでしょうか。私どもが視察した中央区では、1999年に有料化に向けて検討した際、荒川区も含め、アンケート調査を行い、「駐輪場の利用が促進されない」「放置自転車が減少しない」「撤去・保管費用が大変」などデメリットが多いことを考えると無料を継続して街をきれいにするという行政責任を果たそうという結論になったそうです。
 区の役割と区民の協力が信頼と協力の関係を創っていかなければ、解決への道は開けません。
 日暮里駅前の地下駐車場への誘導はまだまだ努力が要るようです。新たに設置された日暮里・舎人ライナーの「赤土小駅」「熊野前駅」に設置した自転車置き場も予想以上に利用が少なく、空きスペースを大きく残したままとなっています。一方、一時的には利用したくても登録制になっているため、空いているのにもかかわらず、利用できず、結果として放置自転車になっているケースも見受けられます。利用されてこそ、自転車駐輪場の役割が発揮されます。
 そこで、赤土小前、熊野前の自転車置き場に無料一時置き場を設置することを求めます。答弁を求めます。
 懲罰的な撤去料5000円や高い利用料金を駐輪場の完備を前提に利用料・撤去料のあり方を見直しすべきと考えますがいかがでしょうか。答弁を求めます。
 最後に区長の政治姿勢について改めてお伺いします。
 4年前、前区長の贈収賄事件とその辞任によって行われた区長選で、西川区長は、企業団体の献金を受け取らない。政治資金パーティーなど開催を行わないことを公約してきました。
 側聞するところ去る9月4日、1万円会費「出版記念パーティー」が盛大に開催されたと伺いました。選挙を目前のこの時期のことですから、改めて、企業団体からの献金を受け取らないこと。政治資金パーティーを行わないことに変わりはないか伺います。
 答弁を求めます。
 これで私の第一回も質問は終わります。

《答弁》

【土木担当部長答弁】
 まず、赤土小学校駅、熊野前駅の各自転車置場に無料の一時利用自転車置場を設置すべきとのご質問に、お答えいたします。
 日暮里・舎人ライナーの開通に伴い、設置いたしました、両自転車置場につきましては、今日までの利用状況は、当初の利用想定より、利用率が低い状況となっておりますが、両自転車置場ともに、設置してから五ヶ月と、間もないため、今後の利用者の推移を見ながら、その有効利用について、検討する必要性があると、認識しております。
 区といたしましては、今後とも、PR活動を積極的に実施し、利用者の増大に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、利用料・撤去料のあり方についてのご質問に、お答えいたします。
 まず、現在の駐輪施設の整備状況ですが、新三河島駅、三ノ輪駅周辺につきましては、区の駐輪施設が設置されておりません。
 また、町屋駅では、センターまちや自転車駐車場が、日によっては、満車状態となっている状況から、鉄道事業者・民間等に駐輪施設設置の協力を求めるなど、駐輪場の整備に取組んでいるところであります。
 したがいまして、利用料・撤去料の見直しについて、今、直ちに、改定する時期にはないものと考えておりますが、区内の駐輪施設が十分に整備された際には、検討することも必要と考えております。

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